SKE48・仲村和泉、3月末卒業は「10年の区切りも考えたけど、もう止まらなかった」決断に至る思い
SKE48の8期生として活動してきた仲村和泉が、3月末でグループを卒業する。大阪から単身、名古屋へと移り住んで約9年半。今、どんな気持ちで巣立とうとしているのか。そして、最後にやり残したこととは?
――今年1月15日の劇場公演で卒業発表をしましたね。
仲村 卒業発表をしたことがある人から「めちゃくちゃ緊張する」「気が気じゃない」と聞かされていたので、どうなるかなと思ったら、その瞬間はやっぱり緊張しました。手も膝も声も震えて。震えを止めながら話すので精いっぱいで、「あれ、ほんとに卒業発表したのかな?」と実感が持てませんでした。今までで一番緊張した瞬間だったかもしれません。
――発表してしまったら、後戻りができません。
仲村 卒業するタイミングは今なんだと思えたから発表したわけですけど、発表してから、「ほんとに発表してよかったのかな?」と卒業を迷ってしまうこともありました。他のメンバーが4月以降のことを話しているのを聞くと、自分はもうそのときにはそこにいないから寂しくなってくるんです。でも、今が正解のタイミングなんだと信じたいです。
――メンバーからの反応は?
仲村 「卒業撤回してください」って言われます。同期の野村実代ちゃんには、「えっ、卒業撤回しないの?」って何度も言われて(笑)。そう言われるのは嬉しいですけど、「撤回しないよ」と言っています。
――卒業はいつから考えていましたか?
仲村 本格的に考えるようになったのは、25歳になる前からです。今までも卒業を考えるタイミングはあったけど、まだ頑張りたいという気持ちが強くて踏みとどまってきました。ただ、本格的に考えるようになると、次に進みたい気持ちのほうが大きくなって。それからは心の整理がどんどんついていきました。
――年齢も関係していますか?
仲村 もちろん関係あります。だけど、今だなって感じたことのほうが大きかったです。今まで頑張ってきたなと素直に思えたんです。
――それまでに卒業を考えたタイミングというのは?
仲村 20歳になるタイミングでした。でも、ちょうどコロナ禍になってしまって、ファンの方とお会いできないまま卒業するのは絶対に違うなと思いました。それ以降は、『愛を君に、愛を僕に』公演(2022年)の準備もありましたし、新チーム編成(2025年)もあって、真剣に卒業を考えることはなく活動してきました。
――相談していた人は?
仲村 常に相談してきたのは、同期の井上瑠夏ちゃんと坂本真凛ちゃんです。2人からは辞めないでとも言われたけど、すべて話してきたので簡単に引き止められない感情もあったと思います。
――他の同期メンバーも悲しんでいると思います。
仲村 なんとなく感じていたと思います。年齢的にも、もうそろそろなんじゃないかって。発表したとき、みんな泣いてくれたのが嬉しかったです。私としては、同期8人の中では自分が最初に卒業したかったのが本音です。だって、みんなに見送ってほしかったから。
――親御さんの反応は?
仲村 発表する前、卒業が決まった時点で報告しました。ただ、いつ発表するよとは伝えていなくて。言ってほしかったみたいです。
――ファンの人は?
仲村 かなり前に「24歳までには辞める」と言ったことがあって。24歳を過ぎても卒業しないから、ずっといるんじゃないかと思われていたところだったので、驚かせてしまったみたいです。でも、「決めた道を応援するよ」と優しく言ってくれます。
――2016年10月に加入したわけですから、ちょうど10年を区切りにするという考えはありませんでしたか?
仲村 その考えもあったけど、もう止まれなかったです。覚悟を決めたら突き進む性格なので。
――卒業後はどうするんですか?
仲村 まだ何も決まっていません。芸能活動を続ける気持ちはないけど、私も人間なので気持ちが変わることもあるじゃないですか。自分でも今後どうなるんだろうと思っています。やりたいことはあるんですけど、それができるのかどうか分からないので、現時点では何も言えないんです。
――卒業後はスポットライトを浴びることがなくなります。アイドル衣装を着ることもなくなります。そんな想像をすることはありますか?
仲村 あります。アイドルだからミニスカートを私服でも穿いているけど、普通の26歳ってミニスカート穿くのかなと思ったり。26歳って、もっと大人っぽいと思うんですよね。自分、子どもっぽすぎるので。
――卒業後、SNSの発信はしますか?
仲村 いや、そもそも写真を撮るのが苦手で。この仕事をしてきたから撮ってきたけど、辞めたら何も撮らなくなるから、載せる写真がないです(笑)。
――大阪に帰る。名古屋のまま。上京する。いくつか選択肢がありますね。
仲村 一度大阪に戻ります。同期と大阪で遊ぶ約束をしているので、来てほしいな。それ以降は、どんな生活をするか分からないです。実家で休みすぎると普通の生活に戻れなくなってしまうので、その後は必死に働いていたいです。
――アイドルを10年近くやってみて、どうでしたか?
仲村 入る前はキラキラした世界だろうなと想像していました。実際入ってみて感じたのは、踊れないとダメだし、歌も上手いほうがいいし、キラキラする以前にやらないといけないことがあって、それができるようになるまでに苦労しました。家で鏡の前を通るときは必ずアイソレ(アイソレーション:ダンスの基礎的なテクニック)をすると決めて。今でもアイソレは得意です。
――アイドルをやっていて、気持ちいい瞬間があったと思います。どんなときに感じましたか?
仲村 コンサートでファンの方が自分の色のペンライトに変えてくれて、赤・青に染まったときです。去年の「SKE48 17th Anniversary Festival 2025」で『センチメンタルトレイン』のセンターをさせていただいたときも最高でした。私、見てもらえているんだって。
――一番輝いていたと思える瞬間は?
仲村 2018年の「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙 × SHOWROOMイベント」で、SHOWROOM選抜に入るために朝5時から夜12時まで配信し続けて、12位という結果を掴み取れたときです。初披露の瞬間も覚えています。
――では、辛かった思い出は?
仲村 「愛を君に、愛を僕に」公演の準備期間です。レッスンで何をしたかは覚えているけど、どんなお弁当を食べたかとか、いつ食べたとか、まったく記憶になくて。ひたすら踊っていた記憶しかありません。あの期間はつらすぎて、本当に逃げ出したかったです。でも、今となっては逃げ出さずに頑張ってよかったと思っているし、笑って話せるようになりました。そのときはつらくても、未来にはそうなるので、後輩たちも死ぬ気で頑張ってほしいです。
――初日が終わって、牧野アンナ先生から手紙をもらいました。その手紙はどうしていますか?
仲村 今でも押し入れにしまってあります。
――アイドル活動を通して性格は変わりましたか?
仲村 変わりました!人見知りだったのが、明るくなりました。ほんと暗かったんですけど(笑)。
――SKE48に入らなかったら、何をしていましたか?
仲村 入る直前は歯科衛生士になりたかったです。大阪で専門学校に入って……という進路を考えていました。大阪から出るとも思っていなかったです。
――まさか名古屋へひとり出てくるとは思わなかった。
仲村 はい。強くなりました。重い物を持てるようになったし、体調が悪くなっても自分でどうにかしてきました。これからもひとりで生きていけそうです。
――SKE48はどんなグループだと思いましたか?
仲村 女の子の集まりだからいろいろあるかなと思ったら、まったくなくて、平和でした。精神的に大人の集団だなって感じました。
――同期との思い出は?
仲村 同期で2回もコンサートをさせていただいたことです。8期ってすごいなって思います。みんながこの活動に対して本気で取り組んでいますし、ファンの方を楽しませようとする気持ちが強いです。この同期とならどこまででも行けるんじゃないかって思っていました。
――これからどんな大人になりたいですか?
仲村 いつでも綺麗な人でいたいです。そして、心の広い人になりたいです。私、家族に冷たくしちゃうので。家族にも温かい心で接したいです。
――最後に、アイドル活動でこれだけはできなかったということは?
仲村 コンサートでトロッコに乗ってみたかった! それが心残りです。
――じゃあ、卒業公演で人力トロッコに乗りますか。
仲村 同期になってもらって? 潰れちゃいますよ(笑)。
▼プロフィール2000年3月15日、大阪府出身。2016年、8期生としてSKE48に加入。2018年、正規メンバーに昇格。昨年、Team SからTeam Eに。今年3月いっぱいでSKE48を卒業予定。
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