『プロジェクト・ヘイル・メアリー』映画と小説、どちらを先にすべきか論争勃発 原作カットに「残念」の声も
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作小説を「映画より先に読んでおくべきか」という論争がネット上で勃発。原作からカットされた要素を惜しむファンも多いようだ。
20日公開の映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が、早くも大好評を博している。
しかしネット上では、原作小説からの改変箇所を指摘する「原作勢」と、原作を未読の状態で映画を鑑賞した「原作未読勢」の間で少なからず議論が勃発しているようだ。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ってどんな話?

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、SF作家のアンディ・ウィアーによる同名小説を原作とするSF映画。
未知の原因によって太陽エネルギーが奪われ、数十年後に氷河期を迎えてしまう地球を救うべく、中学校の科学教師であるライランド・グレース(演:ライアン・ゴズリング)が科学の知識を武器に、原因解明に向けて宇宙に送り込まれる...というストーリーだ。
宇宙の果てでグレースは未知の生命体・ロッキーと出会い、種族を超えた友情で様々な困難と試練を乗り越えていく。
非常に分かりやすく、熱いストーリーということもあってか、公開直後よりX上では絶賛の声が相次いでいる。
「原作」から変わった部分

一方で、小説を先に読んだ「原作勢」の中には、違和感を覚える人も少なくない。
その原因のひとつが、尺の都合によるカットである。原作小説は上下巻の大作で、そのページ数は文庫版で合わせて約900ページ。映画の上映時間も156分と長い部類に入るが、「900ページの内容を全て表現する」のは、現実的ではない。
そもそも小説や漫画を映像化する際は、大なり小なり改変や脚色が加えられるもの。たとえば、原作小説ではグレースが科学の知識をフル稼働して問題に挑むシーンが多数登場するも、映画ではその大部分がカットされている。
なお、原作は地の文がグレースの目線で書かれるという、科学的な説明を自然且つ、読みやすく描写する工夫がなされており、これは「小説ならではの特権」と言えるだろう。
こうした背景もあってか、X上には「映画も良かったけど、原作のあの要素がカットされていて少し残念だった」という、原作勢の感想がポツポツと上がり始める。
記者個人としても、原作を読んでいて最初に熱くなったシーンである「グレースがアストロファージ実験の再開を申し出る」シーンが、映画版ではだいぶ簡略化されているのが、少々残念であった...。
順番は気にせず「どちらも」体験しよう!
現在ネット上には、映画を鑑賞したうえで原作に興味を持つ未読勢が多数出現。まだ映画も原作小説も体験していない人々からは「どちらを先に見る(読む)べきでしょうか?」という質問が、多数上がっている。
SF小説ファンの記者は原作小説→映画の順に体験したクチで、個人的な感想を言えば「どちらが先でも問題ない」派。さらに言えば「順番は問わないけど、両方体験した方が良いぞ」派である。
原作は「小説ならでは」な細部の描写が光る名作で、映画は宇宙のスケールを視覚的に表現する「映画ならでは」の魅力を最大限に発揮した、これまた名作であった。
そのため、映画→原作小説の順で体験する人は、逆の順番で通ってきた記者では気付けないような発見があるはずである。そう思うと、非常に羨ましい...。
ぜひ、原作を未経験の人は小説を、映画を未経験の人は原作を体験してみてほしい。

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執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。SF小説の中でも、ディストピア寄りな作品を愛好。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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