Kapoさん(@KapoAkatsuki)/撮影:ひがけん(@kenta_higaken)

小学生からコミケに立ち続けた16歳の“卒業”決断「フェードアウトはしたくなかった」

2026.01.28 17:37
提供:ENTAME next

2025年12月30日、31日の2日間にわたり、東京・東京ビッグサイトで世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット107」(以下、C107)が開催。初開催から50周年という節目の年にあたる今回は、会場改修の影響を受けながらも配置や動線を工夫し、2日間で約30万人を動員した。なかでもひときわ注目を集めていたのがコスプレエリア。「ENTAME next」では、会場で存在感を放っていたコスプレイヤーに直撃インタビューを行い、撮り下ろしの撮影にも応えてもらった。

今回話を聞いたのは、小学生から「コミケ」に参加し、公式案件やグラビアまで幅広く活躍してきたものの、2025年末をもって活動に幕を閉じた高校1年生のコスプレイヤー・Kapoさん。順風満帆に見えた彼女の活動期間には、「自分の居場所がなくなった」と涙した痛恨の記憶があった。なぜ彼女は今、絶頂期での卒業を選んだのか?最後のインタビューで見えてきた、一人の少女の「覚悟」と「成長」の記録を紐解いた。

――今回の「冬コミ」でコスプレを卒業するとのことですが、その理由は?

Kapoさん 大学受験です。実は小学生の頃から家族で話し合ってたことで、しっかり決断したのは2024年の秋頃。2025年の「冬コミ」でコスプレやモデル活動は卒業すると決めていました。中学受験でも1年間完全にお休みしたのですが、大学受験でもどこかで完全に切り替えなくちゃなって。

でもコスプレが大好きだからこそ活動を減らしてフェードアウトするのは嫌だったんです。もちろん進学してコスプレをする余裕ができるかもしれないけど、区切りとして今回は、「卒業」にしました。

――そんな中、『サクラ大戦』の真宮寺さくらを選んだ理由を教えてください。

Kapoさん 悔いを残したくなかったので、2025年は最大船速でやり切ろうって思ってて、結果20作品のコスプレに挑戦したんです。そのなかで一番反応があったのが真宮寺さくらちゃんだったので、最後に相応しいかなって。今年はずっとやりたかった公式のお仕事もさせていただけたし、とにかく精一杯走り切りました。なんか花火大会のフィナーレみたいに怒涛の1年でした。

――ラスト「コミケ」の感想は?

Kapoさん 2018年の「冬コミ」にはじめて『艦隊これくしょん -艦これ-』の「暁」で参加してから、コロナ禍の時期を除いて欠かさず来ていますから私にとって一番大事なイベントになりました。最初は小学3年生だったんですよ(笑)。こんなにたくさんの人を見たことがなかったし、会場も大きくて、当時はまるで異世界に来たみたいな感じでした。

参加回数が増えるにつれ応援してくれる人が増えて、更衣室に自分1人で行けるようになって、今はぜんぜんアウェーって感じしないですね。むしろ年末に「コミケ」があるのが当たり前になっていたので、来年から「コミケ」に行かない年末ってどんな感じだろう……想像できません。コスプレでいろんな想い出ができたけど、きっと「コミケ」のことを一番に思い出すんじゃないかな……。

――コスプレしてきたこれまでを振り返って良かったことは何でしょう。

Kapoさん 公式のイベントにゲストとして呼んでいただいたこともそうですが、思いがけない形でテレビに出してもらったり、雑誌のグラビアやらせてもらったりしたことが嬉しかったですね。あと、好きな作品の原作者さんにお会いできたことも、憧れの海上自衛隊の医官の方から励ましのメッセージをいただいたこともすべてコスプレをしていたから経験できたことだと思います。――幼いながら「コミケ」など人が多く参加する過酷な環境で活動してきて、正直心が折れそうになったことはないですか?

Kapoさん 中学1年生の時、忘れもしない「コミケ」の屋上で撮影列が途切れたときですね。小学生のころは幼くて背が小さいだけで珍しいし、多少わがままとか言ってても許してもらえました。「しんどいなあ」「そろそろ終わらないかなあ」と思ったこともありました。

中学受験のため1年活動をお休みして久しぶりに「コミケ」に来たら、身長は小柄なレイヤーさんとあんまり変わらなくなっていて、中高生キャラクターをやっても珍しくないからぜんぜん目立たなくなっちゃって。自分の前にカメラマンさんがいないと左右にいるレイヤーさんの撮影列が延びて私の居場所がなくなったんです。そうなると別の場所を探しに行くんだけど、当然、空いてる場所なんてなかなかないし、あんなに人で溢れてるのに誰も自分を撮ろうとしてくれないのはすっごく惨めで辛かったです。悔しくてたまらないのに、ここで泣いたらもっと惨めだし、「もう二度とこんなのは嫌だ」って。

――それが一つのターニングポイントだったんですね。

Kapoさん それからイベントではほとんど休憩をしなくなりました。撮ってくれるカメラマンさん一人ひとりと全力で向き合ってちゃんと撮ってもらおうってより強く思うようになったし、しっかりカメラマンさんの目を見て「お願いします」「ありがとうございます」って大きな声で伝えるようにもしたし、撮影を途中で切り上げることも一切しなくなりました。最近はどうしても列が長くなっちゃって、1時間以上待ってもらうことが多いと思うんだけど、それだけ待ってくれて「なんか残念だったな」って思ってほしくないじゃないですか。

――活動を辞めてからの生活は?

Kapoさん 大学受験に向けての勉強がメインになると思います。塾も週4になる予定です。それと高校2年生は部活(吹奏楽)の最後の年になるので、そっちも悔いのないようにやり切りたいなと思っています。

――最後にKapoさんを支えてくれた言葉があれば教えて下さい。

Kapoさん 「努力に憾(うら)みなかりしか」ですね。これは『艦これ』のアニメに出てきた「水雷魂」のもとになった、海軍兵学校の五省(みずからの姿勢を省みる5つの教訓)の一つなんですけど、「ちゃんと精一杯の努力をしたのか?」っていう意味。私はぜんぜん天才タイプじゃないから、勉強もコスプレも撮影会もコツコツ努力するしか出来ないのでこの言葉を大切にしてきました。

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