蜂須賀虎徹を演じる後藤大にインタビューを実施

後藤大「“自分とは何か”を問いただすきっかけに」蜂須賀虎徹役で挑む新境地<舞台『刀剣乱舞』士伝 真贋見極める眼>

2025.07.05 10:00
蜂須賀虎徹を演じる後藤大にインタビューを実施

「舞台『刀剣乱舞』士伝 真贋見極める眼」が、7月6日(日)より8月11日(月・祝)にかけて東京・大阪・福岡で順次上演される。本作は、「刀剣乱舞ONLINE」を原案とし、通称“刀ステ”と呼ばれる2.5次元舞台『刀剣乱舞』シリーズの最新公演だ。今回WEBザテレビジョンでは、本作で蜂須賀虎徹を演じる後藤大にインタビューを実施。自身と本作に通ずる思いや初挑戦となる殺陣への意気込み、30代の目標などを伺った。

蜂須賀虎徹役の初舞台を懐古「夢の中にいるような感じ」

――後藤さんは「舞台『刀剣乱舞』七周年感謝祭 -夢語刀宴會-千秋楽」で初めて蜂須賀虎徹としてステージに立ちましたが、そのときのことは覚えていますか?

はい。これまで舞台『刀剣乱舞』に出演してきた他の刀剣男士もいるなかで、初めての顕現。右も左も分からない状態で。

――しかも感謝祭という、ちょっと特別な空間で。

そうなんです。ものすごい高揚感のなかでのステージの千秋楽。すごく緊張感もあったし、ステージに出てからはずっと夢の中にいるような感じで。あんまり覚えていないというのが正直なところです。でも舞台袖にいるときから刀剣男士の皆さんがずっと楽しそうで、本当のお祭りのような空気感で楽しかったです。

――そもそも、最初に蜂須賀虎徹役の話を聞いたときはどう思いましたか?

最初に聞いたときは、結構ぼーっとしてしまいました。感謝祭で衣裳を纏ってステージに立たせていただいたときに初めて「俺、蜂須賀虎徹を演じるのか」とちゃんと受け止めて、蜂須賀虎徹と向き合っていけるという喜びを噛み締められた気がします。

――それまで、舞台『刀剣乱舞』をどういうものとして見ていましたか?

友達が割とみんな出ていて。舞台『刀剣乱舞』に出演した役者さんたちは、みんなそこで役者としての芯になるものを得ているというか、眼差しが変わっていくのを感じられるなと思っていたので、自分も出演できてすごくうれしいなと思いました。今回は座長ということもあるし、蜂須賀虎徹という役柄もあると思うんですが、「自分とは何か」「役者としてこれからどう生きていきたいんだ?」と自分に問いただすきっかけをいただいたなという感覚です。

――「自分とは何か」や、役者としてのご自身の未来まで感じたのはどうしてでしょう?

去年1カ月、ヨーロッパに一人旅をしていたんです。ギャラリーを巡ったり、ヨーロッパのアーティストに会いに行ったりして。そこで価値観ががらりと変わったことが大きかったんだと思います。

――どんなふうに変わりました?

英語は学んでいましたけど、言語とはまた違う、日本人としての立ち振る舞いなども考えさせられましたし、自分とすごく会話できた1ヶ月だったんです。そのタイミングでは舞台『刀剣乱舞』の出演も決まっていたので、自分がこれから何をして、何をどう残していくべきなのか考えさせられました。

――ちょうど、ご自身について考えているタイミングに、舞台『刀剣乱舞』という大きな作品も抱えていたからこそ、いろんなことを考えたんですね。

はい。

脚本を読んで感じた、自分自身との“答え合わせ”

――そんな中で挑む、「舞台『刀剣乱舞』士伝 真贋見極める眼」。脚本を読んだ印象を教えてください。

僕は、一番大切にしているものが“心”なんですね。絵を描くときも、心を具現化したものを描いていて。そのうえで今回の脚本は、真贋とは何かが一番大きなテーマとして書かれていて。それを読んだときに「今まで自分が大切にしているものは合っていたんだな」という答え合わせのような感覚になって。台本と向き合う時間がすごく楽しくて、役者をやっていてよかったなと、改めて思いました。旅の経験も、これまでの人生も、今まで作り上げてきたものすべてを出せる環境を与えていただいていることに感謝の気持ちを持って、蜂須賀虎徹と向き合いたいと思っています。

――今の後藤さんにぴったりな内容だったんですね。

そうなんです。去年、「舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯」を観劇したのですが、愛とは何か、心とは何か、という自分がずっと問いただしているものが、テーマとしてつきつきられて、観ながら号泣してしまったんです。今回の作品も同様に、苦しんだり悩んだり、葛藤することが、答えよりも大事なんだなと思って。そもそも生きるということを考えさせられる、「生きている」ということってすごく素敵だなと思える作品でした。

――今作というよりも、舞台『刀剣乱舞』というもの自体が、後藤さんにピッタリだったんですね。

はい。しかも、それこそヨーロッパで日本人としての自分は何かということも考えていたので。歴史や文化ももちろんですが、日本人としての精神、魂みたいなものも感じられたので、すべてに感謝し思いを持って、台詞として残せることにも感謝したいです。

――あとは、その気持ちをお芝居で表現するだけですね。

背負っているものの重量はすごくありますけど、何よりも今は楽しみですね。

――蜂須賀虎徹をどのように演じたいと思っていますか?

まだ向き合っている段階なのですが、真作とは何か、長曽祢虎徹のことは認める部分はありつつも、真作の虎徹としては認められないという繊細さを演じたいなと思っています。演じるのはもしかしたら人間のせいで人間以上に悩みを抱えている刀剣男士。人間を演じるわけではないからこそ、いつもとは違った演じ方ができるんじゃないかと思っているので、いろいろ探っていきたいなと思っています。

――殺陣は初めてですか?

ちゃんとしたのは初めてです。殺陣稽古は始まっているのですが、すごく奥が深いなと思いました。フィジカルと精神力を整えながら刀剣と向き合うのですが、その行為は絵と通ずるなとも思って。また新たな芸術表現ができる機会が増えたという喜びで、興奮しています。

――殺陣はお芝居ともまた違う表現という感覚ですか?

はい。敵と対峙したとき常に「もしかしたら死ぬかもしれない」「斬られるかもしれない」と恐怖を感じていないといけないので、今までとはまた違うアドレナリンが出るんです。それは芝居とはまた違った面白さですね。

仕事にプライベートに…30代は今まで以上に楽しみたい

――後藤さんは4月に30歳を迎えました。「30歳」を目標の一つや節目に捉えている方も多いと思いますが、後藤さんは30歳を迎えたことをどのように感じていますか?

ほうれい線、気になるなって(笑)。でも俳優としての節目みたいなことは正直、あまり考えていなくて。ただ、舞台『刀剣乱舞』という大きな作品が控えている状態で30歳を迎えられたのはすごくうれしいです。30代は、今まで以上に楽しもうと思っています。

――30代の目標はありますか?

今まで積み上げてきたものをしっかりやり、技術を上げて、お芝居もダンスも歌もアクションも全部磨いていきたいです。プライベートでは、世界中を旅したいです。行ったことのない土地で、そこで出会った人たちと、会話や価値観を楽しみながら、いろんなことを勉強したいです。

――お芝居やアートのお勉強だけでなく。

はい。自分の知らないことを知りたい。僕はその欲がものすごく強いんです。それが結果的にお芝居や絵の表現に還元されるので。

――ヨーロッパの旅を経て、また、舞台『刀剣乱舞』の台本を読んで「自分とは何か」ということと向き合ってきたとおっしゃっていました。その答えはもちろんこれから出るのだと思いますが、今、後藤さんが自分らしいと思うことや、大切にしていることはありますか?

やっぱり“心”ですね。心を大事に生きていきたいなと思っています。人に対してはもちろん、自分にも。そして応援してくださっているファンの方にも「心を大事に生きてほしい」ということは伝えていきたいと思います。いろんなことに対して悩みのある方も多いと思うので、そういう方たちの背中をちゃんと押してあげられるような存在になりたいと思っています。

――「心を大事にする」というのは、後藤さんのなかではどういう意味ですか? 自分がつぶれないようにする、といった意味でしょうか?

うまく言葉にできるかわからないんですけど……これは瞑想をするときに教わったことで。年齢を重ねるたびに、利害関係を考えてしまったり、金銭面やいろんな自分の欲求と向き合っていかなくてはいけないですよね。「もっと売れたい」とか「もっと稼ぎたい」とか。もちろんそういう大きな欲をもって自分のモチベーションを上げていくことも大切ですけど、僕はそういう欲求をすべてフラットにしたいんです。常に欲をコントロールして、常にフラットな状態でいろんな人と会話したい。そのためには、自分の心と相手の心を大事にするということが肝になると、僕は思っている。だから、これからも、親や仲間、ファンの方々と、“心”を大事に、会話をしていきたいなと思っています。

◆取材・文=小林千絵

関連リンク

関連記事

  1. 【星座別】七夕直前!「7月前半、恋愛の願い事が叶いやすい女性」<第1位~第3位>
    【星座別】七夕直前!「7月前半、恋愛の願い事が叶いやすい女性」<第1位~第3位>
    ハウコレ
  2. 【誕生月別】恋愛第一になりがちな女性ランキング<第4位~第6位>
    【誕生月別】恋愛第一になりがちな女性ランキング<第4位~第6位>
    ハウコレ
  3. 原宿にBTS JINのBIGビジュアルが再び登場! 期間限定POP UP STORE開催
    原宿にBTS JINのBIGビジュアルが再び登場! 期間限定POP UP STORE開催
    マイナビウーマン
  4. 1回で満足かな。男性が「良い人だけどつまらない」と感じる女性とは?
    1回で満足かな。男性が「良い人だけどつまらない」と感じる女性とは?
    ハウコレ
  5. 【星座別】7月、情熱的な恋愛をする女性ランキング♡<第1位~第3位>
    【星座別】7月、情熱的な恋愛をする女性ランキング♡<第1位~第3位>
    ハウコレ
  6. メイクしてるのに垢抜けないのは”眉尻が古い”せいかも!プロは絶対やらない!NG眉メイク
    メイクしてるのに垢抜けないのは”眉尻が古い”せいかも!プロは絶対やらない!NG眉メイク
    michill (ミチル)

「ニュース」カテゴリーの最新記事

  1. 馬場ふみか、美デコルテ輝くオフショルドレス姿「上品で素敵」「さすがのスタイル」の声
    馬場ふみか、美デコルテ輝くオフショルドレス姿「上品で素敵」「さすがのスタイル」の声
    モデルプレス
  2. 櫻坂46がアメリカで初ライブ、熱いパフォーマンス&アニメとのコラボ演出で会場を沸かせる
    櫻坂46がアメリカで初ライブ、熱いパフォーマンス&アニメとのコラボ演出で会場を沸かせる
    WEBザテレビジョン
  3. 黒柳徹子、宝物を集めたミュージアムをオープン 建物は“玉ねぎヘア”をイメージ
    黒柳徹子、宝物を集めたミュージアムをオープン 建物は“玉ねぎヘア”をイメージ
    ABEMA TIMES
  4. 松岡昌宏、TOKIO解散の決断は「間違ってない」現在の心境赤裸々吐露
    松岡昌宏、TOKIO解散の決断は「間違ってない」現在の心境赤裸々吐露
    モデルプレス
  5. 清原果耶、芸能界入りのきっかけになったアーティスト告白 念願初対面も振り返る「遠目で見てた」
    清原果耶、芸能界入りのきっかけになったアーティスト告白 念願初対面も振り返る「遠目で見てた」
    モデルプレス
  6. アングラーたちの激闘を追ったドキュメンタリー「巨大魚・春の陣2025」レイクトラウトやブラックバス、イシナギに挑む
    アングラーたちの激闘を追ったドキュメンタリー「巨大魚・春の陣2025」レイクトラウトやブラックバス、イシナギに挑む
    WEBザテレビジョン
  7. バナナマン・設楽統がハイテンションで紹介する地元・秩父の名所 井戸田潤と行くのんびりサイドカーの旅<いちにの参拝>
    バナナマン・設楽統がハイテンションで紹介する地元・秩父の名所 井戸田潤と行くのんびりサイドカーの旅<いちにの参拝>
    WEBザテレビジョン
  8. 竹内希来里「普通におこなっていたことなので…」 天然さんを決める企画で驚がくのタレコミ<日向坂で会いましょう>
    竹内希来里「普通におこなっていたことなので…」 天然さんを決める企画で驚がくのタレコミ<日向坂で会いましょう>
    WEBザテレビジョン
  9. 所ジョージ「読み切れるわけないじゃん!」プレゼント企画に届けられた応募エピソードの分厚い束に笑顔<所さんの世田谷ベース>
    所ジョージ「読み切れるわけないじゃん!」プレゼント企画に届けられた応募エピソードの分厚い束に笑顔<所さんの世田谷ベース>
    WEBザテレビジョン

あなたにおすすめの記事