宇佐卓真“早川”の過去のトラウマが明らかに平野宏周“紺野”の言葉に胸キュン「被写界深度」第3話レビュー

2025.06.28 18:05

宇佐卓真と平野宏周がダブル主演を務めるドラマ「被写界深度」が、FODにて独占配信を開始した。6月27日に配信された第3話では、過去に親友に裏切られて心に傷を追った早川が、紺野によって前向きになり、ますます紺野に惹かれていく様子に胸が熱くなった。本記事では第3話の注目ポイントを紹介する。(以下、作品のネタバレを含みます)

“大好きなもの”に対して正反対な男子高校生2人によるラブストーリー

本ドラマは、原作者である苑生の初のWEB連載作品で、年間920万PVを記録し、2017年に大洋図書よりコミックス化された話題作を実写ドラマ化したラブストーリー。大好きだった音楽を自ら捨てて心を閉ざした高校生の早川秀一郎と、大好きなカメラに一途に向き合うブレない同級生・紺野遼平。正反対な2人が出会い、友情から別のものへと変化していく姿を描いている。いつも笑顔で人気者だが、どこか虚しさを抱えながら日々を過ごす早川秀一郎役を宇佐が、クールで無愛想だが、純粋な心を持つ紺野遼平役を平野が演じる。

早川の心の傷を紺野が癒す

第3話では早川の心の傷を知った紺野が助言をし、そのことによって早川が前向きになり、さらに紺野に魅せられていく姿が描かれる。好きなことに正面から向き合う紺野にイラついた早川がキスをして押し倒し、気まずくなってしまう2人。紺野は早川の中学時代の後輩・杏に会い、早川の過去を知る。紺野は避けられていた早川を強引に屋上に連れていき、好きな音楽を捨てて辛い思いをする早川の心に寄り添う。家に帰った早川は久しぶりに家のピアノに触り、曲を書き始めるのだった。

第3話は早川の“過去のトラウマ”が軸に

早川の心の変遷が描かれる第3話でまず注目して欲しいのは、早川の過去のトラウマだ。早川は幼馴染みの山下とバンドを組み、他のメンバーと温度差こそあれ、山下とは息が合っていると思っていた。しかし、山下から「好きで一緒にいるわけじゃない。恵まれた環境で音楽やって、俺のこと憐れんでたろ。気持ち悪い」と言われてしまう。

山下は早川のことを受け入れてくれる理解者だと思っていたからこそ、早川のショックは計り知れずに辛い気持ちになる。早川はやけになって部室の窓からギターを放り投げ、ギターがグシャグシャに壊れてしまい、早川の心も未来もギターと一緒に壊れてしまったように感じられて、心がギュッと苦しくなってしまった。

続いて、そのことを知った紺野が早川を屋上に連れていくシーンも見どころだ。紺野が早川に音楽への気持ちを捨てられていないことを指摘すると、早川は好きなことにまっすぐな紺野が羨ましいが、自分は好きなことやると嫌われるからと涙を流す。

早川が感情をさらけ出す様子を見守っていた紺野は「嫌われることばっか敏感になるなよ。お前が感じたことだけがすべてじゃねぇだろ」と早川の気持ちを思いやった言葉をくれる。そして、音楽のことを「何より、お前自身が好きなんだろ」と言って、さらに気づきを与える言葉を投げかけるのだ。この紺野の言葉がとてもいいので、ぜひ実際に聞いてみてほしい。これは見ているだけの視聴者も紺野に惚れてしまう。頑なだった早川の心もスーッとほどけたようで、紺野の言葉を素直に受け入れる様子に、胸が熱くなった。

さらにシリアスだけじゃないのも本ドラマの良いところ。このあと、昼寝を始めた紺野に早川が何かをしたかなと思わせる匂わせシーンがあるのだが、ラストにその“何か”がしっかり用意されている。屋上の空と海の美しい風景もあいまって、胸が高揚してキュンキュンが止まらなくなるので、最後まで見届けることをおすすめしたい。

構成・文＝牧島史佳