春日俊彰「こんなことはやめたいんだよ」店探しに3時間かけたことを後悔しつつ「だけど目に入っちゃったら」の心構え＜じばせん＞

2025.06.28 12:00

ＢＳテレ東にて、毎週土曜夜10時から放送の「オードリー春日の知らない街で自腹せんべろ」通称“じばせん”。超節約を貫くオードリー・春日俊彰が知らない街を散策し最高の一杯を楽しむ、リアルドキュメンタリーだ。6月21日の放送は千葉県市川市・東京メトロ東西線「行徳駅」周辺。初千葉では激安の店でさまざまなサプライズを味わうことができた。

恒例となりつつある街の紹介に1時間以上費やす春日

行徳駅より「いやぁちょっとアレですね…」といつも通りぬるっと登場を決めた春日。自動改札から広場までの距離が長めだと、独特の感想をこぼした。「うん行徳。知らない街だねぇ」という言葉とともに、いつもどおりじばせんが始まる。

飲み屋がどの辺にあるか想像もつかず、とりあえずあてもなく散策を始める春日。周辺案内の地図を確認すると寺や神社が多いことが判明したのだが、そこには「春日神社」の名前が…。前回の古墳からまったく懲りず、春日の興味は大いに惹かれたようすだ。

少し歩いたところで模型店を見つけ、寄り道することに。春日らしく「私ですけどね」と自信満々すぎるあいさつで入店したところ、店内にはミニ四駆やBB戦士といったおじさんの胸を熱くするラインナップが並んでいた。

それでも自分の使命を忘れていない春日は、周辺情報を店主に聞き込む。飲み屋さんは駅の反対側という情報に加え、寺や神社が多い理由についても尋ねた。すると行徳という土地は、徳川家康や宮本武蔵に縁があるという話を教えてもらう。さらに行徳は神輿の街でもあるという新情報を得て、模型屋をあとにする。

じばせん店探しの前に、神輿探しへと舵を切った春日。「街の紹介したいからね」という理由で模型屋さんから12分も歩き、住宅街までたどり着いた。目を惹く塔を見つけて「あれじゃない？」と向かったのは「中台神輿」。

「中台製作所　行徳神輿ミュージアム」　に寄り道をして、話を伺うことに。100年ちょっとという歴史ある中台神輿が制作した豪華絢爛な神輿を見せてもらった春日は、「ちなみにお神輿って一番リーズナブルでいくらからなんですか？」と尋ねてみる。すると同社の代表取締役である中臺(なかだい)さんが店の正面に鎮座するきらびやかな神輿は3800万円、少し小ぶりに見える神輿も1000万円、一方でその横にあった一番大きな神輿は2400～2500万円など、大きさと装飾の量によって金額が全く異なるものだと教えてくれた。

金額はもちろん、手作りのため一台の制作に1年かかる場合もあると聞いて驚きを隠せない春日。伝統と歴史を感じつつ、ここでも飲み屋情報を欠かさずチェックする。やはり駅の反対側という情報に加え、「『酒場放浪記』も来てるから」とBSの人気番組「吉田類の酒場放浪記」のエピソードに春日は「先生が？」と興奮を隠せない。春日のBS愛が改めて示されたシーンだ。

スルーしてしまいそうなお店をスタッフの言葉で回避

本題のお店探しを開始した春日は、駅の反対側へ。ロケ開始から1時間半も経つのに、飲み屋にはまだ一軒も顔出ししていないというところもまた春日らしい。ただそこはやはりプロ。ようやくたどり着いた飲み屋エリアでは店から店へ、多くの情報を得た。

はじめに顔出しした「居酒屋きらく」では、お客さんからせんべろに向いているお店の情報を聞き出した春日。店をあとにすると、さっそく先ほど聞いた「大衆酒場　酔っちゃん」を見つけて入店する。メニューを借りて金額を確認すると「安」なお店であるのがわかるが、油断せずお通しの有無と税の内外を確認。すると今日のお通しは300円で、ボリューム満点のサムギョプサルが出てくるという。「ドラフト1位」に輝いた「酔っちゃん」だったが、店の人から別店の情報をいただいたのでとりあえず保留に。次なる店へ足を運ぶ。

少し歩いたところで見つけた「季節料理　安曇野」では、春日が店内に入ると黄色い声が飛んでくる。お通しと酒でシミュレーションしたところ基準はクリア。本日のお通しは肉じゃがで心惹かれる春日だったが、ここも保留にしてさらに散策を進める。

「サンキュー酒場」や「中華酒場　紫源春」などお安い店を確認し、ついに教えてもらった「大衆酒場　浜一」にたどり着いた春日。なかを覗くと賑わっており、人気店であることがわかる。一旦顔出し確認をして、お通しや価格も忘れずにチェックして保留に。時間をたっぷり使ってでも、やはり「自腹を切るからには妥協ゼロ」の精神はブレない。

早足で散策を続けていると、突然スタッフに呼び止められる春日。なんと店頭の看板に「ハイボール200円、2杯目より350円」と脅威のメッセージが書かれている店「居酒屋　真梨奈」を見逃していたのだ。さっそく店内に入り、極安ハイボールとメニュー、お通しの金額と内容を確認して最終選考へ。

ようやくじばせん店選びとなった春日だが、ここでスタッフからお小言が。「1本目で3時間ですよいま」と30分番組とは思えない吟味っぷりに、春日も「こんなことはやめたいんだよ」と本音を吐露。しかし続けて「だけど目に入っちゃったらもうさあ、一回顔出して確認しないとダメじゃない…」と、倹約＆笑いのプロならではの発言が出た。

3時間かけて散策した行徳の街で選ばれた店は、「居酒屋　真梨奈」。少し開いている扉からそっと顔を覗かせて「ただいま」と声をかけると、すかさず店内から「おかえり」と嬉しそうな声が聞こえる。

200円のハイボールを注文し、しっかりとレモンを絞ってグラスをあおる春日。だし巻き卵のお通しをいただき、残り400円の使い道として選ばれたのは「きゅうりの一本漬け」250円だ。しかし店長から品切れだったようで、「きゅうりはダメ」と言われてしまう。きゅうりの代わりとして大きな「ウリの一本漬け」が出てくると、まさかの展開に思わず笑う春日。

いざ食べてみると、さっぱりとした味わいに「あぁうまい！」と言葉がもれる。きれいに平らげ、お会計に…というところでまたサプライズが。ただしくは825円のところ、まさかの「端数は切り捨てで820円」と心憎いことをサービスをしてくれる店長に、店を出た春日は「いや、サイコーだったね」とホクホク顔だ。「(浮いた)5円握りしめて春日神社にお参りしていきます」「またお会いしましょう」と行徳の街へ消え、番組を締め括った。　