加藤浩次、映画「Vフォー・ヴェンデッタ」で思考実験よしひろと語る「第三次世界大戦後の未来」＜サンデーシネマ＞

2025.06.28 12:00

映画好きで知られるお笑い芸人・加藤浩次と映画ライターのよしひろまさみちが、毎週1本のおすすめ作品を語り尽くす「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」（毎週日曜朝10:30-昼1:25、BS10）。6月29日(日)の放送回では、第三次世界大戦後の全体主義国家を描いた2005年の映画「Vフォー・ヴェンデッタ」が特集される。混迷する世界情勢と重なる物語の背景、知られざる撮影の裏側まで濃密なトークの一部を先行してお届け。

映画にはなかった原作の描写と知られざる撮影秘話に驚愕

「Vフォー・ヴェンデッタ」は第三次世界大戦後、崩壊したアメリカに代わって独裁政権が支配するイギリスが描かれている。番組では「第三次世界大戦後の未来はこの映画のようになっているか？」というテーマでトークを繰り広げるのだが、加藤は率直に「なっていないと思う」とバッサリ。さらに「そもそも独裁者が勝利する未来はあるのかな？」と問いかけ、戦争が国の発展を促してきた歴史を引き合いに出しつつ、ディストピアが成立する可能性を冷静に見つめた。

さらに番組では、原作と映画の違いにも注目が集まった。よしひろが紹介したのは、国家の意思決定を「F.A.T.E」とよばれるスーパーコンピュータに任せるという原作の設定。原作では“最大権力者でありながら臆病な男”として首相が描かれ、どこかコミカルな描写が印象的だ。加藤は「今の時代で言えば“AIに全ての判断を委ねている、自分の意思のない男”のような描き方だね」と現代のテクノロジー社会を重ねて解説。そして「でも、映画では違うわけですよね？そっちのほうが面白かったかもなぁ」と素直な感想を述べた。

また後半にはアクションや撮影の舞台裏も紹介された。中でも注目は、スタントマンが実際にスローで動くアクションを演じて撮影されたという驚きの裏話。「大変だね、めっちゃ難しいと思う」と加藤が驚くと、よしひろも「スタントマンだからできたんだと思います。役者さんには無理かな」と感嘆の表情を浮かべる。

「当時と今とでは全然違った印象を抱く。映画というものは、何年かおきに観たほうが自分を確認できるものだと思う」と総括する加藤。移り変わる人の価値観や社会のあり方が、映画の“見え方”にも密接に結びついていると静かに語った。

「Vフォー・ヴェンデッタ」が放送される「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」は6月29日(日)朝10時30分からオンエア。

「Vフォー・ヴェンデッタ」あらすじ

独裁者アダム・サトラーが支配するファシズム国家と化した近未来のイギリス。TV局で働く女性イヴィーはある日、外出禁止時間に外を歩いていたところを運悪く秘密警察に見つかってしまう。ところがその絶体絶命の危機から彼女を救ったのは、“Ｖ”と名乗る謎の仮面男。彼は、たった独りで独裁政権に反旗を翻すテロリストだった。その日以来、イヴィーは次第にＶのテロ活動に深く巻き込まれていくことになるが…。