B&ZAI、初ライブでかき鳴らす“始まりの鼓動”「この事務所で、絶対にデビューしてやります！」＜ライブリポート＞

2025.06.27 21:56

2月16日に結成された新グループ・B&ZAI(バンザイ)が、神奈川・ぴあアリーナMMにて初の単独ライブ「B&ZAI LIVE 2025 First Beat」を開催した(6月25・26日の2日間、計3公演)。

STARTO ENTERTAINMENT所属アーティストでは初の“8人編成のバンド”として活動をスタートさせた彼ら。橋本涼がボーカル・ギター、矢花黎がベース、今野大輝がギター、菅田琳寧がギターとサックス、本髙克樹がキーボード、鈴木悠仁がボーカル・ギター、川﨑星輝がドラム、稲葉通陽がバイオリンとトランペットを担当。多様な楽器経験者が集結したオールラウンダーグループによる1stライブは、駆け付けたファンの胸の高鳴りを表すような“ドクン、ドクン…”という鼓動音のBGMで幕を開けた。

轟かせる重低音！　8人の新しいバンドスタイル

音楽的に凝ったovertureから既に、8人のライブにかける並々ならぬ情熱が伝わってくる。1曲目「SHAKE」(SMAP)で勢いよく走り出したオープニングブロックは、彼らの最大の武器である“バンド”のステージでまずB&ZAIのカラーを鮮烈に印象付けた。橋本の「騒げ～！」のシャウトでボルテージは一気に上昇。

「FIRE BEAT」(Kis-My-Ft2)「NOROSHI」(SUPER EIGHT)も骨太なバンドサウンドが会場全体を大いに揺らす。客席の度肝を抜いたのは嵐の大ヒット曲「truth」だ。B&ZAIならではのスリリングなバンドアレンジが施され、冒頭、稲葉がセンターに一人で立って奏でるバイオリンに鳥肌が立った。心の琴線に触れる音色と、それを自信を持って全力で届ける8人の姿が泣けるほどにエモーショナルだった。

SnowMan、SixTONES…先輩の曲も続々と登場

2ndブロック以降は、アイドルらしい華やかな楽曲やバキバキのダンスナンバー、そして多彩なユニット曲で沸かせる。「YSSB」(WEST.)は床からの風を浴びながら最高にクールなダンスで魅了。布の下でメンバーが入れ替わるイリュージョン演出で始まった「マスカラ」(SixTONES)は、汗だくのセクシーなパフォーマンスに大きな歓声が飛んだ。

前半戦の最後に披露され、大きな見どころとなったのは「Cry out」(Snow Man)。ダンスはもちろん、本家Snow Manに負けず劣らぬド派手なアクロバット、後半のバンド…と、今持てる力を全てを注ぎ込んだような圧倒的なパフォーマンスに息を飲んだ。

“スーパーりんねさん”で大盛り上がり！

後半戦は、新曲「BML」からスタート。頭にダンベルを付け、タンクトップ姿で現れた菅田そっくりの“スーパーりんねさん”に会場はどよめきと爆笑に包まれる。体の悩みを筋トレやストレッチで解決していくステージは、瞬く間に彼の独擅場に。独特の動きとダンスがクセになるこのコーナーが、今後もライブの恒例となることを期待せずにはいられない。

その後、夏メドレーのブロックでは「BANG! BANG! バカンス!」(SMAP)、「Ho! サマー」(タッキー&翼)、「サマー・ステーション」(King & Prince)などのアゲアゲのナンバーを立て続けに投下。トロッコに乗ってファンと近い距離でコミュニケーションをとり、会場の一体感を高めた。

ラストスパートは再びバンドスタイルで熱く盛り上がり、「象」(SUPER EIGHT)では楽器を持ったメンバーがセンターに横一列で並び、さらに川﨑星輝が演奏するドラムセットごと花道を移動する圧巻の演出。8人が固まって響かせる、チームワークと力強さを感じる轟音に心を揺さぶられた。

橋本涼が決意の“絶対デビュー”宣言！

最後の挨拶では、メンバーを代表してマイクを持った橋本の“決意表明”が会場の全ての人の胸に深く刺さった。MC中に「武道館(でライブ)をやりたい」と夢を掲げたことに触れ、「本当にやりたいです。それを叶えるために、今日から全速力で頑張ります」と宣言。そしてこう続けた。

「俺は言霊というものを信じているので、言わせてもらいますが、俺たちB&ZAI8人、絶対にデビューしてやります！　絶対にこの事務所で！　この事務所で絶対にデビューして、曲出して、みんなところに届けます！　この景色やべーな。(他のメンバーの方を見て)今日のこの日を絶対に忘れないで、絶対にこの事務所でデビューしてやろうぜ！」

そんな橋本に対し、同意するように高く手を上げたり、優しい笑顔を浮かべてその想いを共有するメンバーたち。いつか“その日”が来たときに「ここから始まったんだ…」と思い返したい、橋本の漢気がB&ZAIをさらにひとつにまとめた名シーンだった。

ラストはオリジナル曲で魂のパフォーマンスを披露

本編ラストにブチかましたのはオリジナルの新曲「First Beat」だ。今回のライブと同タイトルの、グループとしての覚悟を歌詞に乗せた爽快なロックナンバーだ。会場を巻き込む大合唱が響き渡り、橋本がメンバーひとりひとりを立ち位置を順に巡って心を通わせるようなアクティングが観る者の胸を打った。

ジュニアの再編成を経て迎えたB&ZAIの“初陣”。それは8人の高いポテンシャルを存分にアピールし、また、それらが掛け合わさることで生まれる化学反応をさまざまなシーンで実感させてくれるものだった。

リーダーは多数決で「今野大輝」に決定！

MC中には、メンバーの多数決により今野大輝がリーダーに決定。「僕がリーダーになったからには、メンバー、そしてファンの皆さん、必ず幸せにします！」という頼もしい言葉も。結成からわずか4ヵ月とは思えないバンドとしての完成度と阿吽の呼吸。8人の覚悟と全力の想いが伝わるライブは、一度でも見たら応援したくなるに違いない。

今夏、「OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2025」、「SUMMER SONIC 2025」と有名音楽フェスへの出演が控えるB&ZAI。“この事務所”の看板を背負い、その全てをかけた多彩なパフォーマンスでステージを荒らしてきてほしい。そこで戦える力は今回のライブで十分に証明された。最強の8人、魂を焦がして全力で暴れてこい――！　

(取材・文＝川倉由起子)