大胆で美しい女装男子…転入をきっかけに始まる青春ストーリーが「すべてが最高」と話題に【漫画】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『I love doll 星樹スズカ作品集』に収録されている1エピソードの、『女装男子を好きになった話/『Morning Beauty~目覚める森の美女~』』(KADOKAWA刊)を紹介する。『どうか君に暴かれたい』(KADOKAWA刊)で知られる星樹スズカさんが、5月2日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、11万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、星樹スズカさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

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自己紹介で女装が趣味だと言い放つ柊

転校生として現れた柊は、自己紹介で趣味は女装だと宣言した。大胆かつ美しい彼に魅了され教室内はざわめきに包まれるも、興味津々で近づく人も多い。そんな中、隣の席になったなぎさに対し「初めてショートのブスに興味出た」と告げた柊。

色々ありながらも、人気者になった柊はことあるごとになぎさに絡む。一方、当のなぎさはクラスメイトの品倉が気になっていた。しかし、品倉は卒業後別の学校に通うことになっていたため自分の思いを告げようとするなぎさ。ところが品倉から聞かされた言葉は…。

本作を読んだ人たちからは、「すべてが最高」「品倉くんがかわいそう」「1番好き」「泣ける」など、多くのコメントが寄せられている。

読んで虜になる人続出の漫画

――『女装男子を好きになった話/『Morning Beauty~目覚める森の美女~』』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

今から8、9年前にこの話を構想しましたが、当時はまだ「好きな格好だから」という理由で女装する女装男子(異性装愛者)が自分が見ている範囲にいなかったこともあり、自他共に認める美貌のナルシストの女装美少年(恋愛対象は女性)がいたら面白いのでは、と思い柊を描いたのがきっかけです。柊のキャラが決まった後はすぐにあらすじができました。その女装男子と意気投合した仲の良い女子が、好きな人に告白したら「柊が好きだ」と言われ、彼の精神性に惚れていた女子は、「表面で人を好きになる人なんだ」とショックを受けるも、失恋の痛みをその女装男子にぶつけてしまい、仲違いする。というおおまかなあらすじをノートに走り書きしていたのが始まりでした。漫画冒頭のシーンですね。

――本作では、皐月が女装をやめて、新入生代表として挨拶をしたシーンが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

注目してほしい箇所は全て、と言いたいところはありますね。最初は漫画の投稿用にとネームを切っていたのでページ数が45pまで、その後別作品でデビューできることが決まり読切に回すことになり、読切会議を経て48pまで伸びたもののページ制限を設けられたので。出来る限り全てのシーンを無駄なく詰める必要がありました。こだわった点でいうと作画で品倉くんの吹き出しを涙のようにできたところですね。自身の漫画の表現で新しくトライできた場面でした。

――本作に登場するキャラで特に気に入っているキャラがいれば理由と共にお教えください。

柊は勿論皆好きですが、執筆してみると品倉くんが好きになりました。彼のキャラ設定は他キャラと比べてあらすじ時点ではあまり決めていなかったのですが、彼が「牧師の息子」など決めたあたりでピースがハマったような気がして、好きになりました。彼のキャラは現在連載中の『どうか君に暴かれたい』の主人公、剣山葉一に一部受け継がれていますね。他はなぎさの友達の空果ちゃんが好きですね。ふわふわした笑顔で俯瞰した目線で物事を語ってくれる子です。

――星樹スズカさんの作品は、登場人物の目力があるように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

幼少期は目力が強い漫画に惹かれることがあったので、その影響かと思います。今の目の描き方は本作を描いた2017年ごろには下地はできていましたが、下瞼の上の眼瞼結膜を描いたり、カラーの際は白目のところにハイライトを入れるのが眼の球体感が出て好きな表現です。睫毛の描き方などはシリアスなシーンでは一本一本描いたりと、シーンによって描線の数を変えることを心がけています。感情が一番わかりやすく出る部分だと思うので。他の方の表現で好きな表現があれば取り入れたりもしていますね。

――本作は女装男子がいるという世界観に一気に引き込まれました。読者を惹きつけるストーリーに欠かせないポイントがあればお教えください。

既存のものから少しズラすというのがいいのかと思っています。(昨今は異性装愛者の女装男子は珍しくないですが…）作品集に収まっている他の作品もどこかしらでそれを施しています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

こちらの作品は『I love doll 星樹スズカ作品集』に収録されています。この作品の少し先のことを描いたイラストや当時のカラーイラストや予告イラスト、またこの作品と同時に掲載されたデビュー作なども載っています。また別の女装男子が出てくる『どうか君に暴かれたい』もヤングエースUPにて連載中です。こちらも読んでいただけたら、今後も作品を応援していただけましたら幸いです。