加藤浩次「スパルター！ってやってたな」日本人をも刺激する「300 ＜スリーハンドレッド＞」のマッチョイズム＜サンデーシネマ＞

2025.06.21 12:00

映画好きで知られるお笑い芸人・加藤浩次と映画ライターのよしひろまさみちが、毎週1本のおすすめ作品を語り尽くす「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」（日曜朝10:30〜昼1:25、BS10）。6月22日放送回では、マッチョ全開の戦闘スペクタクル映画「300 ＜スリーハンドレッド＞」(2006年)を紹介する。放送に先んじて肉体美と映像美、撮影の裏側にまで踏み込んだディープな映画談義のようすを一部お届け。

痛快さの中に光る切なさと希望…“マッチョ映画”の魅力を語り尽くす

番組冒頭では本作の制作費が6500万ドル(約95億円)、世界興行収入が4.5億ドル(約650億円)に達したというド級のスケールが紹介された。加藤は「おお、すごい」と驚きの声を上げるのだが、一方で日本国内での興収は15億円にとどまったことが伝えられると「俺らの周りはみんな観てましたよ」と驚く。30歳を過ぎた当時でも心が躍り、「スパルター！ってやってたな」とCMで流れていた戦闘シーンを真似していたことを明かす。

物語の内容に踏み込むと、“筋肉至上主義”にも見える本作品のスタイルについて加藤は「日本人はあんまりハマんないんですかね？」と考察。日本では小柄で素早い、技術のある主人公が活躍する作品が受けやすいのではと冷静に分析した。これに対してよしひろは「300 ＜スリーハンドレッド＞は技術＋肉体の作品。“戦術＋シックスパック”みたいな」とした独特のたとえを披露。そのうえで「ここまでぶっ飛んでる作品でないとハマれないんだと思います」と考察した。

陰影にもこだわって映像美をこだわりぬいた本作だが、合戦シーンでは定番ともいえる乗馬シーンが存在しない。映画や時代劇の撮影においてキャストが苦労するのは馬の乗りこなしであるという言説を引っ張り出し、加藤は「めっちゃ楽だったんじゃないかと思った」と映画好きならではの感想を述べる。「だからこそキャストたちの肉体や強さ、知恵で勝とうとする情熱が際立つ作品でもある」というよしひろのフォローもまた、さすがの視点だ。

番組のラストでは観終わった後の感想についても言及。加藤は「痛快で、観終わった後に悲しい気持ちにもなるが、希望もちゃんとある作品」と語りつつ、賛否が分かれたあるワンシーンにも触れた。これに対してよしひろが「正直、あのシーンはなくてもよかったかも」と本音を漏らすと、加藤が思わず吹き出す一幕も。

マッチョイズムとスタイリッシュな映像が融合した異色作「300 ＜スリーハンドレッド＞」。映画番組だからこその鋭い視点や考察が光り、より深く作品の魅力に迫ることができた。「300 ＜スリーハンドレッド＞」が放送される「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」は6月22日(日)朝10時30分からオンエア。

「300 ＜スリーハンドレッド＞」あらすじ

紀元前480年。千もの国々を征服してきた大帝国ペルシアは、次の標的をスパルタに定め、彼らにペルシア大王クセルクセスへの服従を迫る。戦士の国スパルタの王レオニダスはその要求を一蹴。100万の軍勢を持つペルシアと戦うことを決意する。そして彼のもとに集結した300人の強靱な精鋭兵士が、ペルシアの大軍を迎え撃つことに。スパルタ軍は情勢を覆し怒濤の攻撃で敵軍を粉砕、1日目は劇的勝利を収めたが…。