

乾物作りが趣味のOL…隣人と“ごはん友達”になる話が「乾いた心に沁み込む漫画」と話題に【漫画】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「くらげバンチ」で掲載中の読切漫画『昼のひもので夜もすがら』(新潮社刊)を紹介する。WEBマンガサイト「くらげバンチ」公式アカウントが、4月21日に「お隣さん同士がごはん友達になる話」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、作者の横山陽香さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
対照的な2人を繋いだもの
乾物作りをはじめとした料理が趣味のOL・美春は、隣の部屋に住んでいる夏子宛の荷物が間違えて自宅に届いたことから彼女と自然に打ち解けていき食事を振る舞う仲に。夜職勤めの夏子は美春と対照的な部分もありつつも、夏子の客を交えて3人で食事に行くほどに2人は親しくなっていく。
しかしふたたび誘いを受けた美春は、夏子に嘘をついて断った。申し訳なさを覚えつつ1人の時間に安心していたのも束の間、美春はコードに足をかけて転んでしまい、物音を聞いた夏子がやってきてしまう。
予定があるはずの美春が部屋におり、嘘をつかれたと感じた夏子は「裏切られた気分やわ」と告げる。仲に亀裂が入ってしまった2人だが、美春は夏子と食べようと思っていた乾物の存在を思い出し…。
この2人を繋いだ漫画を読んだ人たちからは、「自炊したくなる話」「読切の続きが読みたいやつ」「乾いた心に沁み込む漫画」「どっちの気持ちもわかるなあ」など、多くのコメントが寄せられている。
転機となった名作読切漫画
――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
私はお話を作るということがとにかく本当~~に苦手で(笑)。行き詰まっていたところ当時の担当編集さんが、私の交友関係や好きなこと・苦手なものなど根掘り葉掘りヒアリングしてくれて、そこで出てきた「趣味で乾物を作っている」「夜職の友達がいる」を組み合わせて膨らませてみたらどうか?と提案していただいたのが始まりでした。面白い話を考えなきゃ…と思えば思うほど迷子になってしまっていたのですが、もっと身近なところに目を向けるべきだったんだな!と目からウロコでした。まだまだお話作りへの苦手意識は強いのですが、この作品が自分にとってひとつの転機になったように感じています。
――本作では、美春と夏子が近づき、離れてまた近付くようすが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
主人公の美春の考え方や暮らしは私自身を投影している部分が多く、夏子は友達をモデルにさせてもらっていて(本物?の夏子は料理めちゃくちゃ上手いんですけどね)、考え方が全く違うからこそ言い合いになることが1度や2度どころではないのですが、なんだかんだでまた仲直りするし一緒にいると楽しい!っていうのがあって。普通、女性同士の友達って性格や価値観の似た者同士で固まることが多いと思うのですが、そうじゃない友達もお互いを補い合えて良いよねっていうのが伝わったら嬉しいなと思います。あとは、ごはんがキーポイントとなるお話なので、とにかくごはんを美味しそうに描こう!と、食べ物の作画を頑張りました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「梅干しは作って3年後からが1番美味しいって言われているから、それを食べるまでは生きていようと思う」という美春のセリフに思い入れが強いです。干物・乾物もそうですが、果実酒を漬けてみたり果物の苗を育ててみたり、そういう未来への楽しみをコツコツ貯めておくのが好きなんです。食べもの以外だと、普段は使ってない引き出しに意味もなく自分で自分のお金を隠しておいたりとか(笑)。私は基本的に運が悪くて、いいことなんてなかなか起きないから、自分でささやかな楽しみや幸運をその辺に転がしておくんです。
いっぱい転がしておいたら転がしておいた分だけ、毎日幸運のラッキー人間になれますからね。最近は3年前に買ったブラックベリーの苗木がようやく初めて実をつけてくれそうでワクワクしています。
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
前述の通り私はストーリー作りに関して苦手意識が強いのですが、その原因として「伝えたいテーマがはっきりしていない」というのが大きかったんです。絵を描きたいから漫画を描こう!と始めてみたものの「漫画で伝えたいことって何?」と聞かれると詰まってしまうんですね。でもこの作品を作ってから、案外身近なところから探してみてもいいのかもしれないなと思い直して、良いことでも悪いことでも何でも、自分だけが見られる日記アプリをスマホに入れてちびちび書き連ねています。そうやって自分の考えを言語化することによって、私ってどういう人間だったっけ?という、自分でもあやふやだった自分自身のことが少しずつ鮮明になってきました。それに伴って、自分が伝えたいことって何だろう?という問いの答えも、徐々に輪郭が見えてきたように感じています。
――横山陽香さんの作品は、暖かく優しい気持ちになれる魅力を感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
どういう構図にしたら伝えたい雰囲気や空気感をうまく表現できるかな?というのを模索しながら作画しています。ストーリーの流れやセリフが決まったら、映画監督になった気分でそれを頭の中で動画にして、そのワンシーンを切り取るようなイメージで作っています。もし私が監督だったらこのシーンはドドン!とアップにしよう!とか、ここはちょっと引きの方が良いかな~とか。そのためにも、普段から映画やドラマを意識してよく見るようになりました。(もともと好きでよく見るのですが)ネーム~作画までは漫画作りにおいても1番好きな工程です。絵は昔から描いていたのですが、漫画に関していえば作り始めてからまだまだ歴が浅いので、いまいち絵柄が定まっていない節があり、1本の読切の中だけでも最初と最後で絵が違う現象が起きてしまって、締め切り前に最初に描いたページを描き直すことが多々あります(笑)。ひものを描いていたのはちょうど1年前ですが、その頃と今を比べても結構変わってきたなあと思います。日々試行錯誤の連続です…!
――今後の展望や目標をお教えください。
まずは早いとこ連載に進みたい!というのが目下の目標です。漫画だけでごはんを食べていけるようになりたいですね…!電子化が進んでいますが、紙の本で育った世代なので、いつか自分の本が出せたらものすごく嬉しいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
応援コメントやファンレターなどすべて読ませていただいています!とても励みになります…!大変ありがたいことです…!今後も早く次回作が出せるように頑張るので、また読んでいただけたら嬉しいです。
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