自己愛強めな美形男子が見惚れたのは平凡っ子…あり得ないはずの展開に「こんなにかわいければ心も揺れる」の声【BL漫画】

2025.06.19 18:30

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、レーベル「NuPu」の漫画『バニラの甘さを証明せよ』(CLLENN刊)の1話を紹介する。作者の峠本さんが、4月18日に「ナルシスト(とブラコン)属性をもつ攻め×毎日元気に生きてる平凡っ子受けの学生BL」X(旧Twitter)に本作を投稿したところ、6000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、峠本さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

美しいものが好きな男子が、平凡っ子と出会う

綺麗なものが好きで、美形である自分の顔も大好きという自己愛強めの学生・蜂須賀祐樹。現在同じ学校に通っている、美形の弟・巳稀のことも大好きであり、兄弟仲は良好だ。

風紀委員の仕事で1カ月の間は巳稀と一緒に登校できなくなった祐樹は、弟の友人・陽太と登校時間が被るようになる。そんなある日、電車内で痴漢されていた陽太を助けたことをきっかけに、何かと彼と関わりを持つようになった。

助けるようになってから祐樹がわかったことは、陽太は自分のことに関してあまりにも無防備だということ。“何が良くて男の尻を触るのか…”と考えた祐樹が、彼の尻をぎゅっと触ったところ、陽太は抵抗もせずただ照れているだけだった。そんな陽太と毎朝同じ電車に乗る祐樹は、ある朝車両が揺れた際に急接近し、平凡なはずの陽太に見惚れてしまい…。

超絶美男子が平凡っ子に心を動かされる物語を読んだ人たちからは、「こんなにかわいければ心も揺れる」「嫌にならないタイプのナルシストで好き」「登場人物みんないい人過ぎ」「放っておけなさがたまらん」など、多くのコメントが寄せられている。

自己完結型ナルシストを突き詰めて描かれたキャラクター

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？

初の創作BLで不安だったので楽しく描けるように好きな要素を全部乗せしました。美形、ナルシスト、ブラコンな攻めと平凡で行動力がある健気受け(ちょっと変)、等々…。お話も大好きなシチュエーションに沿って考えました。普通にマイペースに生きてる受けに対して、攻めが勝手に沼にハマって自分のペースを乱されるシチュエーション、大好きです。

――本作では、物語冒頭で「自分の顔が大好きだ」と語る祐樹が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

祐樹は自他共に認める美形、という設定なので美形に見えるように作画を頑張りました。また、内面に関しても祐樹は自分の顔が大好きなナルシストですが、そこに限らず幅広く「綺麗なもの」を愛でて満足するタイプで自分の価値観が他人の意見でブレたり嫉妬したりは一切ない自己完結型ナルシストです。自分の感性を大事にしているので他人の感性にも基本ケチをつけない(関心が薄いのもある)祐樹の思想が全体を通してきちんと伝わるように意識した事がこだわった点の1つです。そこがメインの話ではありませんが、ナルシストにも色んなタイプがあるので…！

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

6巻でナルシストな祐樹にとって1番ショッキングな事態に直面して動揺しているところに、それを上回る衝撃を受けてプッツンするところは、1番描きたかったシーンなので気に入ってます。是非そこまで読んでいただけると嬉しいです！

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

どんな展開でもそういうものなんだなぁと納得して世界観に没頭出来る漫画が理想なので、なるべく説得力があればいいなと思いながらお話を考えていますが…実際出来ているかは分かりません。

――峠本さんの作品は、美しさとかわいさが共存しているように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

祐樹と陽太がお互いに感じている「かわいい」「格好いい」「好き」といった感情が読んでる方にも伝わるような画になるように心がけています！

――今後の展望や目標をお教えください。

頭の中で考えた話をなるべく100%に近い形で漫画に出力出来るようになれたらいいなと、常々願っていて叶えたい目標です。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

ここまで読んでいただき、ありがとうございます！すでに『バニラの甘さを証明せよ』を読んでくださった方、本当にありがとうございます。レビューやお手紙などで嬉しいご感想をいただけて、感無量です。まだ本作を読んだことのない方にも、ぜひこの機会に読んでいただけたら幸いです。