阿部寛“進藤”が対峙する“ラスボス”…最終回直前で残る不可解な点＜キャスター＞

2025.06.11 18:18

阿部寛が主演を務める日曜劇場「キャスター」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)。6月8日に放送された第9話のラストでは、43年前の真実を追求しようとしてきた進藤(阿部)が“ラスボス”らしき人物と対峙(たいじ)した。(以下、ネタバレを含みます)

型破りなキャスターが闇に葬られた真実を追求する社会派ドラマ

同ドラマは、テレビ局の報道番組を舞台に、型破りなキャスターと番組に携わるスタッフたちが闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく、完全オリジナルストーリーの社会派エンターテインメントドラマ。

阿部寛が扮(ふん)する主人公の進藤壮一は、公共放送で社会部の記者として15年間キャリアを積んだあと報道番組のキャスターになり、民放テレビ局・JBNに引き抜かれて「ニュースゲート」のメインキャスターに就任したキャラクター。

「ニュースゲート」のスタッフ陣として、総合演出の崎久保華役を永野芽郁、番組ADの本橋悠介役を道枝駿佑、サブキャスターの小池奈美役を月城かなと、プロデューサーの山井和之役を音尾琢真、編集長の市之瀬咲子役を宮澤エマら。また、報道番組のスタッフらを束ねる報道局長・海馬浩司役を岡部たかし、JBNの会長・国定義雄役を高橋英樹が務める。

進藤がずっと追いかけてきた43年前の事件

原子力関連施設が集中している村で山火事が発生。その村は、43年前に自衛隊C1輸送機墜落事故が起きた現場でもあり、何度も進藤が足を運んだ場所だった。

第9話は、進藤の新聞記者だった亡き父・哲(山口馬木也)がその村で何かの取材をしており、原子力燃料再処理センターの元所長だった山井の父・和雄(山本學)とつながりがあったことが分かった。

進藤の命を狙った何者かによって、誤って山井が犠牲になり、現在の原子力燃料再処理センターに関する不正が暴かれる展開となったラスト、進藤が43年前の父の死に関わる相手として対峙したのは、国定だ。43年前の写真に、和雄、哲と共に写っており、現在の和雄が進藤に「裏切ったのは誰ですか」と問われて指差した人物でもあった。

国定のほか、怪しい動きの人物も…

そして、もう一つの決め手が“ライター”だ。

国定に愛用のライターを「見せてください」と言った進藤。国定が出したライターには、小学生だった進藤が遊びで父のライターを狙って玉を飛ばしたときにできた傷跡がついていた。

父と国定のライターはどこで入れ替わったのか。

山井が亡くなった原因は、進藤が行くはずだった食堂で何者かがガスホースを切断し、ガスが漏れ出ているところにライターを投げ込んだことによる爆発事故。その手口は、43年前に哲が亡くなったときと同じと考えられた。

回想シーンで、若き国定が哲の亡くなった現場でライターを拾い上げる様子が挟み込まれた。進藤は「あんたが親父を殺したんだ。俺は、あんたを許さない」と怒りに満ちた目で国定を見つめた。

本作の主題歌は「騙シ愛」だが、ストーリーも二転三転して視聴者も惑わされる“だまし合い”の様相を見せてきた。これまでに十分に黒さを感じさせる国定だったが、ラスボスは本当に国定なのか。仮にも報道に携わってきて、テレビ局のトップになった人物だ。進藤をJBNのキャスターに抜てきした真意は単に手元で見張りたかったのか。どこかでだまされているのではないかという思いも残る。山井の亡くなった現場でライターを投げ込むのは立場的にも年齢的にも難しそうなため、協力者もいるはずだ。

その協力者の一人かどうかは不明だが、第9話で本橋のパソコンを処分しようとした人物の手が、市之瀬の可能性があった。本橋は進藤の下で報道を学んできており、何か不都合なことがパソコンに残っていたのか。

しかし、そのパソコンをひそかに回収したのが、清掃員の鍋田(ヒコロヒー)。鍋田は進藤にライターについて問われ、国定が同じものを持っていると証言もしていた。

SNSも「やっぱり国定がラスボスか」「最終回もまだ大きなだまされがあるの？」「パソコンに何が？」「ミスリードかもしれない」「ヒコロヒーの正体も気になる」とざわついている。

進藤が真に突き止めたかった43年前の“真実”が、6月15日(日)放送の最終回で明らかになる。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部