

【漫画】「話せるのに、読めない」その違いが命を分ける…教育格差を描いた実録風漫画に「緩く生きるコツも描かれています」の声

コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、2024年4月30日に発売された単行本『月収5万エジプト在住 まあ死なんやろ日記』をピックアップ。
この作品を手がけたのは、漫画家でオカリナ講師のジャスティンさん。4月17日に新たに描き下ろした関連マンガをX(旧Twitter)に投稿したところ、「字が読めるって、意外とレアな能力なのかも」というテーマが反響を呼び、5.7万件以上の「いいね」が集まった。
この記事では、ジャスティンさんにインタビューを実施。創作の裏側や作品に込めた想い、情報格差に対する視点などを語ってもらった。
話せても読めない、世界のギャップ
主人公は、文字が読めることを「当たり前」と思って生きてきた一羽の鳥。
しかしある日、南スーダンから来た難民の子どもたちと接する中で、"読み書き"ができないという現実に出会い、彼の世界は大きく揺さぶられる。
薬の使い方がわからない。
ビザの申請もできない。
危険情報にアクセスできない。
そんな「読めない」という状況が、時に命を左右することを知った主人公は、「読む力」と「話す力」はまったく別物であることを痛感する。
街中にあふれるQRコード、学校のプリント、SNSのメッセージ――
日常に溶け込む"文字"の存在が、実は意外とハードルの高いものだと気づいていく――。
「現地に行く勇気はないですがそれぞれの場所のヤバさ(いい意味でも悪い意味でも)がわかる」「海外生活のことも知られる」「自分が行きたいか、行けるかはまた別なので知れて楽しい」「インパクトの凄まじい話がポンポン出てくる」「海外で仕事をしてた時の開放感と固定観念の破壊を的確に表現されててとても共感できました」「日々をヒントはもらえる」など、反響の声が寄せられている。
「文字が読めない」という現実から生まれた
――『字が読めるって意外と稀な能力だったりする』を描こうと思ったきっかけや背景があれば教えてください。
普段接することのあるアフリカの人たちの状況を考えたのがきっかけです。
例えば平均的な南スーダン人家庭の子供の場合
・親と話す時に使う「母語」は、文字で表記されることがほとんどない(ディンカ語、ザンデ語など)
・他の人と話すときに使うのはアラビア語、でも学校で習ってないから字は読めない
・学校で多少の英語を習い、本を読むときは英語を使うと言うが、読ませてみると2~3割程度の単語しか認識できず、文章の意味はつかめない
という状況です。もし同じ状況に置かれたら、私たちも大変苦労するかと思います。そんなことを考えて今回の漫画を描きました。
――作中には「識字率の低さ」や「文字が読めないことで生じる不利益」などが描かれていますが、こうしたテーマを選んだ理由はどのようなものか、教えてください。
日本に住んでいるとあまり考えることのないテーマかと思い、このテーマを選びました。
――南スーダンの識字率や難民問題など、国際的な題材を作品に取り入れるうえで、普段どのように情報を収集・リサーチされているのか、教えてください。
普段接する人たちに質問しますが、一人の人の意見を全体の意見として書かないよう気を付けています。興味深くてもセンシティブな話題はネタ帳に書いておいて、できるだけ何人もの人に聞いて調査します。
その上ネット上でも情報を集めますが、信頼できる情報筋か、感情に左右された資料ではないか、個人的な見解ではないか、政治的な意図がないかなど、注意深く確かめます。特に感情に訴えて特定の気持ちを引き起こそうとする報道資料であれば、センセーショナルな物でも決して参考にしないようにします。
――「話す力」と「読む力」は別物であるという描写が印象的でした。この考えに至ったきっかけや、実体験があれば教えてください。
昔何かの履歴書フォームに入力する時、各言語能力の自己評価欄が「話す能力」と「読む能力」で別になっているのを見ました。その時自分の言語能力について考えさせられ、確かに話す能力と読む能力は違うと思ったのが一番最初です。
アフリカに来てからはそれがさらに顕著にわかり、読み書きのできない人たちが情報から遮断されている様子を直に見てきました。
――情報格差や教育格差という重めのテーマを、読者に寄り添う優しいトーンで描かれている点も魅力の一つです。表現面で特に気をつけていることがあれば教えてください。
ネットでは「怒りの感情」が一番早く同情され、拡散されると言われています。そのためどのSNSでもその手の情報があふれかえっており、メンタルにとても有害だと多くの専門家から指摘されています。
たとえ「いいね」を何万稼げたとしても、怒りを利用して多くの人を害するのであれば全く意味がない、と考えています。
なので本当に理不尽だった体験を漫画にするときでも、「そこから何を学んだか」に焦点をあてるように気を付け、ポジティブなトーンで終わるようにしています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの皆さまへメッセージをお願いいたします。
いつもコメントなどお送り下さりありがとうございます。私の体験記をまとめた「まあ死なんやろ日記」の続編を期待しているとの声も届いており、今後も頑張って描いていきたいと思っています。
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