足の速さだけが取り柄の少女…中学でライバルに出会う話が「元気を貰える漫画」と話題に【漫画】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「COMIC FUZ」で連載中の漫画、『チハヤリスタート！』(芳文社刊)の1話を紹介する。作者のたけうちホロウさんが、4月27日に「足の速さ一本の女」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、3000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、たけうちホロウさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

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アイデンティティが砕かれてもふたたび走り出す少女

小学生のころ、誰よりも足が速く無敵で人気者だったチハヤ。しかし中学生に上がり50m走をおこなったところ、彼女は隣で走っていたミオに負けてしまう。足が速いことがアイデンティティだったチハヤは、それが崩れていくのを感じながらミオに強烈な執着を抱くことになる。

その後、チハヤは陸上部に入ったものの練習には参加せず、体育がある日以外は学校を欠席するようになった。そうして1年が過ぎ、中学2年生の体力テストで再びミオと隣で50m走をおこなうことに。

全力で走るが再び負けてしまったチハヤに、「私あなたのこと嫌い」と告げたミオ。その言葉に激しい怒りを抱いたチハヤは、「この女に勝たねばならぬ」と決意し…。

この2人の少女の物語を読んだ人たちからは、「元気を貰える漫画」「これはまたすごい漫画だ」「続きが気になり過ぎる」「スポーツを真剣にやった人により刺さる」など、多くのコメントが寄せられている。

物語の流れを作り出す魅力的なキャラクターたち

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？

前作が信じられんほど売れなくて打ち切り、お金無い終わりだー！って絶望してたところにOrangestarさんのSurgesという曲が正面衝突。2020年に母校の部活を取材したときの経験がぶわっと思い出されてチハヤリスタート！の原型がポンって生まれた。SurgesのMV見て下さい！

――本作では、千早の情緒がさまざまな要因で揺さぶられる姿が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

チハヤの大げさにコロコロ変わる表情は描いていても楽しいです。逆にスプリントを描くときは大げさな前傾姿勢や手足の振りは極力使わず、陸上選手の無駄をそぎ落とした動きの力強さ、美しさみたいなものを表現したいと思っています。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

チハヤ君がホームレスに1000円札返して走り出すシーン。全部の1番初めにできたシーンで、ブルーハーツのTRAIN TRAINの歌詞の…あっ！最初にできたのに最終的にボツになったから誰も知らないんだった。チハヤはもともとクズ男でした。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

チハヤが強い決意や大きな目的意識では動かないこと。僕は漫画がへたくそなのでストーリーを考えようとすると途端に漫画がつまんなくなります。流れは各キャラクターに任せてます、チハヤ、今後も頼んだ。

――たけうちホロウさんの作品は、とても読みやすく、没入しやすく感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

ありすぎる。それを記すにはここはあまりに余白が足りない。ひとつ挙げるなら省略を効かせて画面をスッキリさせるようにしています。

――今後の展望や目標をお教えください。

展望は秘密です、お楽しみに。目標は次のゼルダの伝説が出るまでになんとか描きたいものを全部描き切って連載をまとめ、晴れ渡った気持ちで発売初日にゼルダの伝説を24時間プレイすることです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

面白いんだけど周りで自分しか読んでない…面白いんだけどな…って作品があったら、その作品のことをボソッとネットのどこかでつぶやいてあげてください。僕はそれにずっと救われてきました。今後もチハヤリスタート！をよろしくお願いします！