INTERVIEW 市川右團次

INTERVIEW 市川右團次

2025.06.02 08:00

「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から市川右團次さんのインタビューをお届けします♪

INTERVIEW 市川右團次

市川右團次

Profile/市川右團次

歌舞伎俳優。1963年、日本舞踊の家元の長男として大阪に生まれる。1972年6月、京都南座『天一坊』一子忠右衛門で初舞台、1975年1月大阪新歌舞伎座「二人三番叟」の附千歳で、三代目市川猿之助の部屋子となり市川右近を名乗る。2017年1月、三代目・市川右團次を襲名。映画初出演作となった本作『ゴッドマザー 〜コシノアヤコの生涯〜』では、主人公・コシノアヤコと恋に落ちる“おっちゃん”こと西田を好演している。

少女のようにキラキラした輝きに僕自身もすっかり魅了されていた

コシノヒロコ、ジュンコ、ミチコの「コシノ三姉妹」の母親であり、晩年には自身もデザイナーデビューした(デビュー年齢はなんと74歳!)小篠綾子さん。2011年には、彼女をモデルとした主人公のドラマが放映されるなど、逝去後もなお、日本国民から愛されている“アヤコさん”の生涯を描いた映画『ゴッドマザー 〜コシノアヤコの生涯〜』。

本作では、アヤコさんの知られざる恋心も描かれておりますが、その相手役を務めているのが、歌舞伎俳優としてご活躍の市川右團次さん。実は、生前のアヤコさんと親しくされていたという驚きのエピソードまで披露してくれました。

―― 映画初出演とのことですが、まずは、お話をいただいたときのお気持ちを聞かせてください。

「うれしかったですね。というのも、主人公のアヤコ先生のことをよく存じ上げていたんです。出逢いのきっかけは岸和田だんじり祭でした。ジュンコ先生、ヒロコ先生からお誘いいただいたとき、タイミングよく大阪で芝居に出ていたので、本番終わりに駆け付けて、浴衣に着替えて参加しました。そのとき、アヤコ先生が“あんたどこの兄ちゃんや?”って声をかけてくださったんですけど、会話が弾み、以来、アヤコ先生が主宰されていた「ザ・Uの会」というご婦人たちの集いにもお声がけいただくようになりました」

―― なんと! では、長いお付き合いだったのですね!

「ザ・Uの会でゲストトークをさせていただくことや、メンバーのみなさんがお芝居を観にいらしてくださることもあれば、アヤコ先生やヒロコ先生、ジュンコ先生が揃って観にきてくださることもありました。そのころから、アヤコ先生は人を包み込むようなやさしさを持っていらっしゃって、僕はそこに惚れていました。その会が20周年を迎えるときには、記念の祝賀パーティで一緒に踊る約束もしていたんです。開催が6月で、その約2ヶ月ほど前に亡くなられたので実現しないままでしたが。そんなこともあったので、今回のお話をいただいたときは本当にうれしかったです。アヤコ先生を演じられた大地真央さんもすばらしい役者さんですし、その恋人役をやらせていただけるなんて光栄でした」

―― 今回の作品に出演されたことで、ある意味、アヤコ先生との時間を追体験されたのですね。

「そうなんです。だけど、僕が演じた“おっちゃん”がどんな人だったかということはあまり知りませんでした。でも、ジュンコ先生やヒロコ先生のなかでは、私のイメージは“おっちゃん”と重なるようで、以前、アヤコ先生の生涯が舞台化されることが決まったときにも、おふたりが私をおっちゃん役に推してくれました。そのときは結局、出演には至りませんでしたが、今回、再びおっちゃん役の話をいただくことができました」

―― これはもう、ご縁ですね。ちなみに、ジュンコ先生とヒロコ先生は、右團次さんのどんなところを“おっちゃん”ぽいと思われたのでしょうね?

「台本からも、“おっちゃんはチャーミングな人だったんだな”と想像できましたが、私は年を重ねるにつれて、おっちゃんのような愛嬌ある役をやらせていただくことが増えているので、もしかしたら、おふたりも同じようなイメージを抱いてくれたのかもしれません」

―― おっちゃんがどんな人だったのか、先生たちにお話を伺ったこともありますか?

「撮影が始まる前日の夜にたまたま、ミチコ先生から直接、おっちゃんについての話を聞かせていただくことができました。というのも、ロケ地に前乗りしていたら、ヒロコ先生の会社の側近の方が、“ミチコさんが同じホテルに泊まっているんですけど、部屋に飲みにいらっしゃいませんか?”と誘ってくださったんです。聞けば、ミチコ先生は映画にカメオ出演するために、僕と同じく前乗りされているとのこと。二つ返事でお邪魔させていただいたところ、小さいころにおっちゃんの家で遊んだ話などを聞かせてもらうことができて、役についての理解が深まったように思います」

―― おっちゃんは、アヤコさんのどんなところに惚れていたのでしょうか?

「これは私が実際にお会いしたなかで感じていたことなんですが、アヤコ先生って男勝りで気丈なんですけど、同時に、少女のようなキラキラした輝きも持っている方なんです。毎年楽しみにしていただんじり祭をみんなにもっと楽しんでもらいたいと、自宅を大勢が集える場所に改装しちゃうような大胆さもある“ゴッドマザー”でしたけど、90歳を過ぎても心は無垢なまま。おっちゃんはその純真さに魅了されたと思いますし、「ザ・Uの会」のメンバーたちも、ついていかずにはいられなかったんじゃないかな」

―― “おっちゃん”として、大地さん演じるアヤコ先生と向き合われていかがでしたか?

「告白するシーンがすごく恥ずかしくてね…。(照)でも実は、大地さんと“好き合ってる”役をやらせていただいたのは2度目なんです。1度目は、横浜開港130周年記念の市民オペラの舞台で、抱き合うシーンがあったんですよ。そういうシーンって“しっとり”こられたら恥ずかしくなっちゃうんだけど、大地さんは“ガッツリ”きてくれたので、すごく心地よかったことを覚えています」

アヤコさんといい大地さんといい、右團次さんにとってご縁のある方々とのつながりが感じられる本作。アヤコさんに元気をもらって、清々しい気持ちになれるはず。

PHOTO / Ryuta Seki
HAIR & MAKE / JUNKO KAMATA(JUNO)
TEXT / Reiko Matsumoto

『ゴッドマザー ~コシノアヤコの生涯~』

『ゴッドマザー

©「ゴッドマザー〜コシノアヤコの⽣涯〜」製作委員会

監督/曽根剛 脚本/池⽥テツヒロ
出演/⼤地真央、⿊⾕友⾹、鈴⽊砂⽻、⽔上京⾹、寺⽥光、菊地⿇⾐、板垣樹、浅⽥芭路、永尾柚乃、江原璃莉、⽮⽥亜希⼦、⼤⻄礼芳、庄野﨑謙、堀⽥眞三、上⻄雄⼤、川﨑⿇世、⾠⺒琢郎、温⽔洋⼀、⽊村祐⼀、市川右團次
公開/絶賛公開中

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