女子高校生2人が異世界に…魔王軍も寄せつけない“最強の仲良しタッグ”に「ほっこりした」の声【漫画】

2025.05.28 08:30

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は漫画家の真くんに注目し、「CandleA(キャンドレア)」で連載中の『姫巫子と姫騎士』をご紹介しよう。

同作は、異世界に召喚された女子高生2人による“愛全肯定コメディ”が描かれた一作で、第1話がX(旧Twitter)にポストされると1万以上の「いいね」を獲得。そこで作者である真くんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。

親友同士で異世界に…まさかの最強騎士に？

魔王軍に攻め込まれていた、愛と光とパンの国「ルッカーナ王国」。ピンチを打開するために儀式の“愛の祈り”を行い、異世界から人間に桁外れの力を与えられる「巫子」を召喚するのだった。

無事に召喚は成功したものの、そこに現れたのは女子高校生の「由良(ゆら)」と「澪(みお)」。由良は姫巫子となり、彼女の特殊能力によって友達の澪は「最強の姫騎士」に。魔王軍の討伐に出向けば、たったひとりで敵たちを倒してしまうのだった。

それでも戦いのたびに澪を心配する由良。討伐から帰ってきた澪に対し、「みおは戦わなくてもいいんだよ？」と声をかけるも、澪は「“お祈り”はゆらに好かれてる程強くなるんだよ？」「友達の私が絶対一番強い」と豪語する。そして、続けて「大丈夫ゆらは私が守るよ」と締めくくるのだった。

由良と澪の仲睦まじい姿に、読者からは「平和な雰囲気が心地いい」「読んでてほっこりした」など好評の声が相次いでいる。

落書き2枚から誕生した『姫巫子と姫騎士』

――『姫巫子と姫騎士』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

『姫巫子と姫騎士』は数年前に描いていた落書き2枚から膨らませて連載にまで持っていった漫画です。というのも、元々それなりの時間をかけて準備していた連載が、「さあ原稿へ」という時に急にダメになってしまって、その連絡を受けてから1日で己の中にあるネタを必死にかき集めた中にそれがあり、担当さんが気に入ってくださって連載になりました。過去にふんわりと考えていたネタを思い出したり膨らませたり固めたりして、「このネタで行こう！」といった深夜の打ち合わせが終わった勢いのまま朝まで一話のネームを書き殴った覚えがあります。

――第1話のなかで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。

みおとゆらの名前のひらがな表記なんかはわざわざお願いしましたね。「澪」と「由良」という漢字表記が正確であり異世界組はともかく澪と由良はそれがわかっているはずなのですが、親しい相手の名前ってあだ名だったりどこか柔らかく崩れた感じで呼ぶよな、ましてや高校生なら、とわざわざ2人が呼び合う時はひらがな表記で、と担当さんにお願いした記憶があります。

あとは1話で衣装や世界設定を決めなければならなかったので、深く考えずに描いた落書きを元にはしつつも、自分が描きたいような衣装がどの時代なのかも分からないまま、いろいろな本を調べたりネットで情報を漁ったり、最終的に個人の方のブログや海外の大河ドラマのようなものまで見たりしてなんとか参考にする基準を決めて設定を作っていきました。これが大変でした。

――第1話のなかで特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

印象的なシーンばかりなのですが、最後のページがこの作品を表しているような気がします。漫画としての王道ならイーキンや王子たちが巫子のゆら、巻き込まれたみおに対しても何かしらもう少しアクションを起こすのが主流だと思いますが、『姫巫子と姫騎士』では異世界から来た少女2人がきゃあきゃあ笑っているのを微笑んで見ているだけです。しかし、私はその微笑んで見ていること自体にきっと労力や努力や信念がこもっていると思います。

わかりやすい動きではありませんが、そこにある誠実さのようなものが、この作品を通しての良きところだと思っています。あと最後のコマは実は、みおの方がゆらにくっついてるんですよね。わかりやすく「ゆらを守る！」としているのはみおなんですが、くっついているのもみおなんです。みおは巻き込まれただけの友達の女の子で、王子様のようには描かないように気をつけていました。2人の友達としての心の預け合いみたいなバランスを散りばめましたので、見ていただけたら嬉しいですね。

――今後の展望や目標をお教えください。

正直なところ、「漫画家になる」「本屋さんに自分の本が並んでいるのが見たい」というのが子供の頃からの夢だったので、叶ったのでどうしよう…？と思っています。

あくまで作品や自分、読者に誠実に漫画を生み出すことを絶対に、そこで生まれる結構な量のこだわりを守りながら漫画を描いていきたいなという心構えなのですが、とはいえ売れたくないとかそんなわけじゃないので、自分の実力のようなもので信頼していただけるようになって、自由に描ける範囲がもっと増えたらいいなと考えています。

そろそろデビューしてから5年が経つのですが、だんだん自分より周りの方が私の力を信じてくれていると感じることが増えてきました。その気持ちと手を繋いで、自分でも前に進んでいければと思います。あと1度は紙の雑誌に載りたいですね。読切、連載などお待ちしております！

――読者へメッセージをお願いします。

今回投稿した1話、連載あるいは単行本などで『姫巫子と姫騎士』を読んでくださりありがとうございます！私がここにいられるのは間違いなく皆様のおかげです。皆様が漫画を通して喜んでくださったり、想像を広げてくださったり、たまにどよめいたり、「そうそうこういうのがいいんだよこういうのが」みたいなことを言ってくださってること、この上ない喜びです。

疲れた社会人でもサクッと読めるのがこの漫画です。のんびりしたい時、気分を変えたい時、ただただ漫画を読みたい時など、好きなタイミングで読んでいただいて、ちょっとでも楽しい時間を過ごせてもらえたら、漫画家冥利に尽きます。

『姫巫子と姫騎士』の単行本は2025年2月7日に発売しております。紙でも電子でもお手に取りやすい方でお迎えいただけますと嬉しいです。皆様お元気でお過ごしください！出会ってくださりありがとうございます！それでは！