坂口憲二“真平”への中井貴一“和平”と飯島直子“典子”の怒りと家族愛が胸に響く＜続・続・最後から二番目の恋＞

2025.05.09 12:34

小泉今日子と中井貴一がW主演を務める月9ドラマ「続・続・最後から二番目の恋」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系／FOD・TVerにて配信)の第4話が5月5日に放送。和平(中井)の弟・真平(坂口憲二)の隠し事が明らかになった。(以下、ネタバレを含みます)

11年ぶりに復活「最後から二番目の恋」の第3期

本作は、古都・鎌倉を舞台に、テレビ局のドラマ制作部に所属する吉野千明(小泉)と、市役所の観光課で“指導監”として働く公務員・長倉和平(中井)の恋を描いたロマンチック＆ホームコメディー。

2012年1月期の連続ドラマ「最後から二番目の恋」、同年11月のスペシャルドラマ「最後から二番目の恋2012秋」、2014年4月期の連続ドラマ「続・最後から二番目の恋」に続く第3期目で、第2期から11年後を描く。

キャスト陣は、長倉家の次男・真平役の坂口憲二、次女・万理子役の内田有紀、長女・水谷典子役の飯島直子も続投。

脚本も、第1期、第2期と同じく、岡田惠和による完全オリジナルとなる。

典子が真平に説教する

第2話で真平の妻・知美(佐津川愛美)が和平に、真平が持病を不安に思っていると感じていることを打ち明ける場面があった。真平は幼いときに脳に腫瘍が見つかり、手術はしたが再発の可能性があるため定期検診を受けているのだ。その真平が第3話で病院からと思われる電話を受けて驚き、その後に沈んだ表情を浮かべる描写があった。第4話は、その理由が明らかになった。

いつものように千明を含めた長倉家の朝食時間。典子が真平に「あんたさ、逃げてんでしょ」と説教を始めた。主治医の門脇先生が亡くなったことを和平や典子たちに伝えていなかったのだ。

「ごめん、忘れてた」と言って逃げ出そうとする真平を、「うそつけ！座んなさい」と引き戻す典子。典子は偶然会った門脇の妻から亡くなったことを聞いたのだ。

典子は「わかってるよ。あんたの考えそうなことぐらい。なんか急に怖くなったんでしょ。死とか、そういうのが。考えたくない。だから聞かなかったことにしよう。そうなんじゃないの。違う？どっち」と問い掛けた。

長倉家の兄弟愛にホロリ

推測が当たっていた典子は説教を続ける。「お世話になった人にお悔やみの言葉を言うのは当然でしょ」と叱ったうえで、「結局ね、あんたこう思ってんのよ。家族なのに自分の気持ちなんて誰にも分らない。あたしたちに分からない。そりゃそうだ。分かんないよ。でも、あたしたちはずっとずっと分かろうとしてる。大事なのは、ずっと分かろうとしてるって気持ちなんじゃないの？壁作ってんのは真平だよ。分かり合おうとしてないのは、真平、あんただかんね。それが許せない、あたしは。がっかりしたよ、お姉ちゃんは」と思いを明かした。

いつもは物事を深く考えない性格の典子だが、万理子が「何年か、何十年かに一度くらいでしょうか、典姉が怒って説教することがあるんです」「普段の言動がほぼ間違っておりますので、その正しさがより浮き立つといいますか、説得力が半端ないという…」と説明していた通りの展開になった。

和平も典子と同じ思いで、真平の配慮を理解しつつも、「遠慮なく心配をかけ合えるのが家族じゃないのか？俺は心配をかけたくなかったって言われるのが、一番悲しいよ」と少し声を震わせながら告げた。だが、知美にも話していなかったことを知ると、一転して「バカ野郎！」と激怒。「お前、自分で作った家族だろ、彼女は。すぐ行ってちゃんと話してこい。それで2人で門脇先生の奥さまにお会いして、きちんとお悔やみを申し上げろ」と諭した。

典子と和平の怒りには、家族としての愛が詰まっていた。愛しい弟を人として正しい方向に導く。SNSには「和平と典子がガチ怒りするところが愛にあふれ過ぎててとても泣きました」「愛ある怒りだったなぁ」「典子の真剣な怒りにグッときた」「兄弟愛に感動」と反響が寄せられた。

また、主治医の門脇を演じていた高橋克明さんは2024年に逝去。この第3期では、2019年に亡くなった一条役の織本順吉さんも遺影での出演となっており、「その存在をなかったことにしない脚本、この作品が好きな理由の一つだと思う」「お別れがいちだんと沁みた」といった声も上がった。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部