「女性であること」をハンデにしたくない、されたくないPJ候補生・さやか(石井杏奈)

<PJ ~航空救難団~>女性扱いを頑なに嫌がるPJ候補生・石井杏奈“さやか”に、教官・内野聖陽“宇佐美”「頼ることも大事」

2025.05.02 11:36
「女性であること」をハンデにしたくない、されたくないPJ候補生・さやか(石井杏奈)

内野聖陽主演、航空自衛隊全面協力のドラマ「PJ ~航空救難団~」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系/TELASA、Tverにて配信)。5月1日放送の第2話では、初の女性PJ候補生・藤木さやか(石井杏奈)が自分の中にある「男女の壁」を壊し、成長する姿が描かれた。(以下、ネタバレ含みます)

「人命救助最後の砦」のPJを目指す学生たちと教官の群像劇

「PJ」とは、“パラレスキュージャンパー”の略。海上保安庁や山岳救助隊など他のどの組織でも救助不可能と判断された場合に出動する究極の救難隊のことで、「人命救助最後の砦」とも言われる航空自衛隊の航空救難団だ。

本作は、航空自衛隊小牧基地を舞台に、救難教育隊の主任教官・宇佐美誠司(内野)と7人の学生たちが織りなす群像劇、そしてPJの過酷な任務の様子を、リアル且つ壮大なスケールで描いていく。

「女性だからって、ナメんな!」

さやかは、受験者50人の中から「自衛隊の中でも一番厳しい」と言われる合格基準をクリアした唯一の女性。救難団の歴史の中でも初めてのことだ。身体能力も根性も男子に引けをとらないどころか、時には上回ることもあり、彼女は女性扱いされることを過剰なほど嫌がる。

ある日のプールでの「海上行動」の訓練時。立ち泳ぎを手を使わず脚の力だけで5分以上続けるハードな訓練で、水泳で国体出場経験があるさやかでも苦戦するほどだった。だが、同様に良い結果を残せなかった長谷部(渡辺碧斗)と近藤(前田旺志郎)は居残りを命じられたのに彼女は何も言われなかった。それが不満で「“女性だから”と思われたくない。皆と同じように扱ってほしい」と宇佐美に訴えるのだった。

だが、別の日のプールでの訓練でもうまくいかず、落ち込むさやか。体力の限界で自力でプールサイドに上がれず、教官たちに引き上げられたことが悔しくてたまらなかった。そんな彼女を気遣って「うまくいかないこともある」と慰めた沢井(神尾楓珠)に、さやかは「私が女性だからって、上から目線やめてくれる?」と突っかかり、自分は皆と同じ選抜試験をクリアして来たのだと告げた後、「ナメんな!」と捨てゼリフを吐いて去って行った。良かれと思って言ったのに、逆ギレ…。沢井もムカついた。

宇佐美は、そんな彼らを2人1組で行う「応急対処訓練」のペアにした。宇佐美から「日頃から行動を共にして呼吸を合わせておくように」と言われたが、さやかは沢井に対して常にイラついた態度で、2人は気まずい関係のままぎくしゃくしていた。

「オレが見たいのは、オマエが心を丸投げしてる姿」

一向に距離の縮まらない様子を見ていた宇佐美は、さやかに、沢井とちゃんと話しているのか尋ねた。だが、彼女はそれには答えず、初日に宇佐美が言った「心も救え」という言葉の意味を尋ねた。すると宇佐美は、唐突に彼女をキャッチボールに誘った。

「キャッチボールは心の投げ合い。相手を思って投げる。それだけでいい」と言いながら、さやかにボールを投げる宇佐美。そして、沢井とのバディは不服かと聞いた。「不服ではないが、自分に負けたくない。女だからと同情されたくない」と頑(かたく)なに言うさやかに、「そう思ってるのは自分自身だけなのでは?」と宇佐美は疑問を投げかけ、「心を柔らかくして、他人に頼るのも大事」と諭した。そして「オレが見たいのは、オマエが心を丸投げしてる姿だ」と告げたが、彼女はその言葉の意味が今一つ理解できていないようだった。

宇佐美は、「さやかが女性であること」を一番気にしているのも、「男女の壁」を作っているのも、実は彼女自身であることにさやかが気付けないでいることを心配していた。それが彼女を縛り付け、余裕のなさを生んでいる。このままでは、いつか息切れしてしまうのは明らかだった…。

パニックになって溺れたさやか

そして、「応急対処」訓練当日。これは、教官が水中で訓練生たちの装備を外すなどの障害を与え、それをバディーでクリアしていく訓練。最後まで相手を思いやり助け合って行動できるかが重要になる。仲間たちが次々とクリアしていき、ついにさやかたちの番に。

目も合わせずにバラバラで入水した2人。“バディ感”皆無だ…。そして、装備を外されたさやかに沢井が自分のシュノーケルを渡そうとしたが、彼女は拒否。1人でプールの底に行きフィンを足にはめようとするが上手くはめられず次第にパニックに。必死で水面に上がってきたさやかは、沢井にしがみつき暴れ始めた。

宇佐美たちに助けられて少し落ち着いたさやかは、医務室に行くのを拒否して再挑戦を望んだ。荒い呼吸で「皆ができるなら、私だってできます!」と頑張る彼女に、教官の仁科(濱田岳)は「限界を知るのと無茶をするのは違う」と言い聞かせ、さやかは半ば強引に医務室に“連行”されていった。医務室のベッドに横たわりながら、彼女は悔し涙が止まらなかった。

一方、沢井も、さやかとの信頼関係が築けないことがもどかしく、答えも見つからず、悔しい思いを抱えていた。そんな彼に宇佐美は「潜水のコツはリラックス」とヒントを与え、続けて「藤木からボールが飛んできたら、絶対に後ろにそらすな」と告げた。

「小さい頃、男の子になりたかった」

復活したさやかは、庁舎の階段のところで沢井と遭遇。舌打ちをして通り過ぎようとした彼女を沢井は呼び止め、「リラックスしに行きません?」とゲームセンターに誘った。

ダンスゲームで華麗なステップを披露したり、クレーンゲームではしゃぐ、見たことのなかった彼女の一面を知った沢井。「今までブスッとして、肩いからせてるイメージだった」と彼が言えば、「アンタも一緒でしょ。何か強がってるって感じ」とさやかも返す。宇佐美はこの2人を組ませた理由を「ノリ」と言っていたが、似た者同士で、分かり合えたときには強い絆が生まれることが分かっていたからなのだろう。

沢井に心を開き始めた彼女は、入隊の動機を聞かれ「小さい頃、男の子になりたかったから」と答えた。そして、中学時代に水泳で初めて男子に負けた時、「(女子だから男子に)負けて当然」とは思えずに悔しくてボロ泣きしたこと、出来ないことがあるたびに「どうして女に生まれてきたんだろう」と自分に失望することなどを打ち明けた。

「私は皆と対等でいたいだけなのに」と言う彼女に、沢井は、さやかの気持ちは皆分かっていると告げた。そして、宇佐美が自分たちを信じてくれてるのだから訓練をクリアしよう、と言い、2人の気持ちがついに1つになった。さやかは沢井の気遣いに礼を言って初めて笑顔を見せたのだった。

お互いを信頼し合った2人は、訓練に再挑戦して見事にクリア。宇佐美の狙い通り、最強のバディーが誕生した。彼らをねぎらう宇佐美に、今回は沢井に救われたのだと告げたさやか。頼ることは決して弱いからではない、とやっと気付けたのだ。宇佐美は、男女の壁を言い訳にせずに努力してきた彼女に「オマエの心を救ったのは、何があっても逃げなかった藤木自身だ」と告げ、「あっぱれだ!」と称賛した。その言葉に、彼女は「ありがとうございます!」と言って、思わず涙があふれるのだった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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