自己犠牲の上で孤独に戦う板垣李光人“薪”を思いやる中島裕翔“青木”の姿に号泣＜秘密最終回＞

2025.04.13 21:15

板垣李光人とHey! Say! JUMP・中島裕翔がW主演を務めるドラマ「秘密～THE TOP SECRET～」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系／FOD・TVerにて配信)の最終話が、4月7日に放送された。無自覚に自己犠牲の上で戦う薪と、そんな薪を思いやって涙を流す青木の姿が描かれ、見ている方も涙が溢れてきた。(以下、作品のネタバレを含みます)

記憶を映像化する「MRI捜査」を行う物語

同ドラマは清水玲子による同名漫画を原作に、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”を舞台に、死者の生前記憶を映像で再現できる特殊なMRI技術を用いて、室長の薪剛(まきつよし)と、新米捜査員の青木一行(あおきいっこう)のバディが、解決不可能とされていた事件の真相を解き明かしていくヒューマンサスペンス。

板垣が薪剛を、中島が青木一行と、かつての第九メンバーで薪の親友以上の存在だった鈴木克洋の一人二役を演じた他、二人の大学時代からの友人で、亡くなった鈴木の婚約者でもある解剖医・三好雪子(みよしゆきこ)を門脇麦が演じた。

死者の脳の「MRI捜査」を行う“第九”に所属する薪と鈴木が捜査

驚異的な記憶力と鋭い洞察力を持つ薪剛は、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”の室長に任命され、大学時代からの親友で副室長の鈴木克洋とともに、新たな任務に就くことに。第九では、凶悪・重大犯罪において被害者および犯人が死亡した際、その脳を特殊なMRIスキャナーにかけ、生前の記憶を映像化する「MRI捜査」を行う。脳科学者の貝沼清孝(國村隼)が開発したこの技術により、真相を明らかにできる可能性は高まったが、一方で倫理的な問題もあるため、第九は機密組織とされている。

貝沼が自ら命を絶ち、病気を苦にしての自殺とされ、貝沼の異変に気付けなかったことを薪は悔やむ。「脳を『第九』のために役立ててほしい」という遺言のとおり、鈴木が貝沼の脳をMRIでみることを約束する。ところが数日後、MRI捜査室へ向かった薪の耳に、突然、発砲音が響きわたる。薪が駆けつけると、そこには鈴木ら捜査員たちが倒れ、モニターには貝沼の恐ろしい秘密が映し出されていた。貝沼のMRI映像を見た鈴木は薪に銃を向け、薪は正当防衛で鈴木を死なせてしまう。

鈴木が亡くなってから3年後。薪に憧れてやってきたという、死んだ鈴木にそっくりの新人・青木一行(中島)が第9に配属される。

“第九”に復帰した瀧本(眞島秀和)から精神的に追い詰められた薪は、第九からレベル5のデータを無断で持ち出す。薪は、青木の姉夫婦を殺されたのは自分が原因だと知り、苦しんでいる青木のため、岡部(高橋努)との連絡も絶ち、一人で解決しようとする。薪は追ってきた瀧本と対峙するが、瀧本は刺客に撃たれて絶命する。

薪「青木、お前結婚しろ」

薪は辞表を提出するが保留にされ、MRI開発国際プロジェクトに異動することになる。

青木が第九に入ってくると、みんなして薪が今さっき出ていったばかりだから急げば会えると急かす。青木は驚いて走っていって薪を見つけて声をかけると、薪は青木に気付きながらも歩き出す。薪に青木が追いつくと、「雪子さんから連絡があった。鈴木の遺品を供養したって。ようやく鈴木の死を受け入れられるようになったって」と薪は話す。

そして、立ち止まって青木を見て「青木、お前結婚しろ」と薪が言い、青木は驚く。薪は青木なら亡き姉の忘れ形見である姪と自分の子どもを分け隔てなく同じように愛することができると言い、「いつまでも捜査員の命や私生活を犠牲にするような第九ではいけないんだ。そんなものは僕や鈴木の時代で終わりにしなければ」と話す。

青木は「この人は誰よりも自分が望んでいることに気付きもしないで、それを人に与えようとしている。自らを犠牲にして。いつもいつも孤独に戦って」と心の中でつぶやき、「それは命令ですか？」と尋ねる。

薪はフッと笑うと「いいや。願いだ」と真っすぐな目で言う。青木はそれを聞いて悲痛な面持ちになり、薪が「青木？」と心配すると、「薪さんが…あなたがいつもそうやって我慢してるから、だから俺たちも言っちゃいけないって思うじゃないですか。…行かないでください。どこにも行かないで、ずっと第九に居てください。薪さんさえ居てくれたらって」と薪の目を見て訴えるが、耐えきれなくなって背を向ける。

メガネを取って目を押さえ「すみません」と言うと、青木は子供のようにしゃがみ込んで泣き出す。薪はそんな青木に手をかけようとするが、ちゅうちょしてやめるのだった。

薪の自己犠牲の精神と、そんな薪を思う青木の気持ちが切なく、見ているこちらまで涙が溢れてきた。

◆構成・文＝牧島史佳