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「アニメ×筋肉×闘魂」プロボクサーでコスプレイヤー、TaKaNaが見つけた「本当の強さ」
「頭に死がよぎったとき救ってくれたのは筋肉だったんです」そう語るのは女子プロボクサーでコスプレイヤーのTaKaNaさんだ。20代のとき、K-popアイドルを目指してストイックな生活を送っていたが大きな挫折を経験。「引きこもって死のうかな」そう思った彼女を救ってくれたのは、それまで培ってきた筋肉だったという。「アニメの主人公のように生きたい」という想いを胸に、世界チャンピオンを目指す彼女の人生を紐解いた。(前後編の前編)
――まずはコスプレ歴を教えて下さい。
TaKaNaさん 中学生からやっているので、始めてから10年以上になります。
――コスプレを始めたキッカケはなんですか?
TaKaNaさん 子供の頃からアニメや漫画、ゲームが好きな子でした。それに目立つことも好きだったので、周囲からは「オタクっぽくないオタク」と言われていましたね。オタクと目立つことの両立を考えた結果、コスプレが最適だと思ったので始めました。
――最初はどのように活動していたのでしょうか。
TaKaNaさん 周りにコスプレする友達がいなかったので、1人でイベントに参加していましたね。そこで共通の作品が好きな人に声をかけて友人を作り、一緒に遊んだり、コスプレしたりしていました。
――衣装はどうやって準備していましたか?
TaKaNaさん 裁縫上手な人が近所に住んでいたので、最初はその方に手伝ってもらいながら作っていました。徐々に1人でも制作できるようになっていきました。
――オタクということでしたが、今でもアニメや漫画は見ていますか?
TaKaNaさん 現在放映されているアニメは、大体10タイトルくらい視聴していて、特に美少女系や戦闘系の作品が好きです。アニメを観ているとコスプレを意識してしまうので、「このキャラクターなら表現できそう」「このポーズなら撮影映えする」という視点でやりたいキャラを探しています。
――なるほど。では、TaKaNaさんにとってコスプレの魅力とは。
TaKaNaさん 2次元のキャラクターを3次元で表現できることです。2次元と3次元のいいところを組み合わせたいと思っているので、最近増えているAI的な表現よりも、人間らしさのあるコスプレ写真が好みです。
――最近のコスプレ活動について教えてください。
TaKaNaさん 最近は版権のあるキャラクターよりも、オリジナルの創作キャラの撮影に力を入れています。その際、衣装やメイク、撮影場所の選定など全て自分で企画しています。あと、コスプレとは少し違うのですが、ファンの方とゆっくり交流できる場としてコンセプトカフェでも働いています。
――忙しいですね。ちなみに芸能活動もやっていたとのことですが、それはいつごろですか?
TaKaNaさん 子供の頃は大手芸能事務所に所属していました。ですが、本格的に活動しだしたのは、小学生の時なので地元山梨県から東京に上京したあとです。
――どんな活動をしていたのでしょうか。
TaKaNaさん 主に演技や、教材モデルの仕事が中心でした。中学生の頃は、アイドルグループとの共演をキッカケにスカウトされて、アイドル活動も始めました。
――アイドルまで!すごいキャリアですね!
TaKaNaさん キラキラしているイメージとは違って、政治的な要素を含む活動を行っていたためか、批判や殺害予告まであったんです。当時は16歳という多感な時期だったこともあり、精神的にも追い込まれ失声症を引き起こしてしまい、やむを得ず活動を断念しました。でも諦められきれず、声を取り戻してから、本気で韓国アイドルを目指しました。
――なぜ韓国アイドルを?
TaKaNaさん 20歳くらいのときにK-POPにハマって、自分もやりたくなったんです。オーディションを受けるためには年齢が大きな壁でした。それに、韓国アイドルはスタイルにも厳しいので極限まで食事制限をしながら必死にダンスや歌の練習をしていました。さらにそれでボクシングの練習もしっかりやるという生活を、1年半ぐらい続けた結果、体はボロボロになりました。――その生活、睡眠時間すらまともに取れなさそうですね……。
TaKaNaさん 生活もあったので寝る間も惜しんで仕事して、オーディションには落ちて、多分気が狂っていたと思います。正直「引きこもって、何も食べないで死んでやろう」ぐらいに思ったんですよ。
でもボクシングをやっていたおかげで、「体も締まってきたのに、この筋肉がなくなっちゃうのは勿体ないな」と思ってボクシングの練習だけはできるようになったんです。そのときには「ボクシングでテッペンとってやろう」と頭が切り替わっていました。
――救ってくれたのが筋肉っていい話ですね。
TaKaNaさん 筋肉がついて、メンタルもある意味鍛えられていたのかなと思うと、ボクシングをやっていてよかったです。なので、ボクシングに恩返ししたいという思いも今の活動の大きなモチベーションだったりします。
――しかし、挫折してからグレてもおかしくなかったと思いますよ。
TaKaNaさん 「よくグレなかったね」と周りからも言われます(笑)。道を外さなかったのは多分、アニメの主人公のような自分でいたかったのかなと。
――なるほど。キャラクターで言うと具体的には誰でしょう。
TaKaNaさん 最近だと鬼滅の刃がめちゃめちゃ良くて、炭治郎には少なからず影響を受けたと思います!
――どんな影響を受けましたか?
TaKaNaさん ボクシングの練習で辛いとき「私が戦ってるのはたかが20キロぐらい重い男の人で、鬼じゃないんだよな。鬼だったら死ぬけど、この人に殴られても死なない」「炭治郎は子供なのに鬼と戦ってる。私ももっと頑張らなきゃ」と思うと気が楽になりました(笑)。
――素晴らしいですね!それで最後は筋肉が助けてくれると。
TaKaNaさん そうですよ!全員筋トレした方がいいです!それは私が訴えかけていきたい活動の1つです。
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