松本怜生

松本怜生、自己プロデュースでSNSで知名度を上げて俳優へ 転機になった作品とファンへの感謝も語る

2025.02.28 10:00
松本怜生

WEBザテレビジョン公式Xで、取材してほしいニューカマータレントをユーザーから募る企画「推したい!フレッシュFACE」。今回は、現在放送中のドラマ「トーキョーカモフラージュアワー」(毎週土曜深夜2:30-、テレビ朝日系 ABCテレビは毎週日曜深夜0:10- ※ABCテレビ放送後、TVerで見逃し配信)に出演している松本怜生が登場。オファーによって出演が決まった連続テレビ小説「おむすび」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)の話を始め、俳優業を始めたきっかけ、さらには『ターニングポイントになった』という「あきない世傳 金と銀」(2023年、NHK BSほか)などの話を聞いた。

同郷・ヒコロヒーからは「舐め腐った感じ、めっちゃ亮くんやん!」

――「トーキョーカモフラージュアワー」に若きバーテンダーで、目黒ちゃんの彼氏・亮くんとして出演している松本さん。出演が決まった時のお気持ちは?

どの作品でも、変わらずうれしいのですが、今回は同郷・愛媛出身のヒコロヒーさんが脚本を務めるとのことで、すごくご縁を感じました。原作は、オムニバスなので、ドラマとはまた全然違うものの、そこから抜粋した新しい物語になっているので、演じる側も非常に楽しいです。

――ヒコロヒーさんとは会話されましたか?

はい。「(出身が)愛媛なんや!愛媛のどこ?」ってお話ししてくださりました。ただ、それよりも気になったのが「亮くんやん!」って言われて、あーうれしいなと思っていたら「見た目からしてクズっぽさと、舐め腐っている感じが、めっちゃ亮くんやん!」って言われて。

そんな顔をしているつもりはなかったので「あれ?これは褒められている?」となりました。シーンを撮った直後だったので、亮くんっぽさが残っていたということですかね、と前向きに捉えています(笑)。

「感情がジェットコースター状態でした」

――クズっぽいというワードが出ましたが、松本さんから見た亮くんはどんなキャラクターでしょう。

変なやつやなと(笑)。普段、台本を読むときって、大体は真顔なんですけど、今回は初めて「何言っとんねん!」って思ってしまって、笑っちゃいました。台本を読むのが楽しくて「なんやこいつ。でもこの役を演じるのか、どうしよう…」って。感情がジェットコースター状態でしたね。クズやし変なやつやし、典型的な嘘つきなところが1番嫌で。「うーん…」って思いました。

――亮くんを演じる上で、意識したことは?

難しかったです。あんまり用意しすぎていくのが怖かったので、現場で(監督と)意思疎通しようと思い、そこまでキャラ作りはしませんでした。ただ、やっぱり言い方1つで、ちょっと気持ち悪いと思われそうだなと思ったので、そこは表情と目線でカバーしたりするようにしました。

愛媛をでた当時は「世間知らずすぎた」

――「トーキョーカモフラージュアワー」は、主人公が東京へ転勤してくるところから始まる物語。松本さんの上京したてのころのエピソードを教えてください。

僕、愛媛から大阪に一旦出て、一人暮らしをしたんです。だから、東京に来た時にはあまり失敗とかはなかったのですが、大阪に出たての時はなかなかに恥ずかしい思いをしましたね。

――気になります!

本当に恥ずかしいんですけど、ある日、家の照明が切れたんです。それで管理会社に電話して「照明が切れたので変えてください」って(笑)。そしたら「あ、照明の交換はご自身で」と言われました。

僕、当時は管理会社というくらいだから、そういう家の困りごとを管理してくれる会社だと勘違いしていたんですよ。世間知らずすぎて、恥ずかしかったです(笑)。

――そうだったんですね(笑)。ちなみに愛媛から大阪に出たのには理由があったのですか?

高校生の頃に「俳優になりたい!」と思って、とりあえず大阪に行こうと思ったんです。それで、大阪の大学に進学しました。

芸能界への興味のきっかけは「野球での挫折経験」

――そもそも芸能界を目指したきっかけは?

6歳から野球をやっていたんです。それで甲子園出場を目指して頑張っていたんですけど、高校2年生と3年生の時に全治1年のケガをしちゃったんです。前十字靭帯を手術して、歩く練習をして…かなりつらかったです。

それで入院しているときに、現実逃避をしようといろいろな映画やドラマを見ました。そこでコンテンツに魅せられて、作品の世界観に嫉妬し「こういう人生を歩みたいな」と思ったのが、きっかけです。

――では、高校2年生までは俳優になりたいとも思っていなかった?

そうですね。正直、当時は野球を続けられるだけ続けて、安定した会社に入って、家庭ができて…という幸せを描いていました。

――当時、見た作品で印象に残っているものは?

いっぱい見ました。洋画が多かったのですが「溺れるナイフ」(2016年)とか「恋空」(2007年)とか、高校生の恋愛ものをいっぱい見て「俺もこういう青春したかったな」って思っていました。僕、修学旅行にも行けなかったんですよ。それもあって「これはもう今からだったら叶わないから、役者になって芝居で叶えるしかないな」って思ったんですよね。

TikTok効果で1000本のキャンディが…!

――大学時代はどんなことをしていましたか?

大学在学中にSNSを始めました。知名度を上げて、事務所からスカウトされるために、頑張ろうって。それが目的だったので、ある程度フォロワーがついた時に、わがままを言って大学を辞めて、声をかけてくださった数ある事務所の中から今の事務所に入りました。だから「俳優をやりたい!」と思ってから、この世界に入るまで3年くらいかかっています。

――オーディションを受けるなどではなく、SNSで知名度を上げる方法を選んだのはなぜだったのでしょう?

それしか思い浮かばなかったんです。実は1度だけオーディションに応募したことはあります。ただ、面談することになって、いざ行ってみたら配信アプリで3カ月配信をして、ランキングの1位になったら…みたいなことを言われて。面談というよりは説明でしたし、履歴書も受け取ってもらえなくて「こんなの信用できない!」って思っちゃったんです。

――そうだったんですね。

それで、当時流行り始めたTikTokをやってみることにしました。当時はとにかく必死でしたね。自然光が流行っていたので、大学から家に走って帰って日が沈まないうちに撮影して、投稿して…という日々を繰り返していました。

――当時はどんな動画を?

イメージづけたくて、棒付きのキャンディをくわえて動画を撮っていました。かっこいいとかじゃなくて、ちょっとヤンチャっぽい感じを出したくて。今考えたら恐ろしいですよ(笑)。僕、あの頃タピオカ屋さんでアルバイトをしていたのですが、その時に当時のファンの方からそのアメをたくさん差し入れしてもらって、一時期1000本ぐらいもっていました(笑)。

――SNSがバズらなかったら…失敗したら…とかは考えず?

はい。僕、根拠のない自信を持っていて「うまくいかなかったら」とかを考えないんです。そういうことを考えてなさすぎて、うまくいかなかったとき、結構落ち込むんですけど(笑)。基本はなるようになる精神です!

自分のために芝居をしている

――デビューからわずか4年。たくさんの作品に出演していますが、松本さんの演技のモチベーションはどこにあるのでしょう?

これをいうと、ちょっと冷たいと思われるかもしれないのですが、僕は包み隠さず言うと、ただひたすら自分のために芝居をしているという意識が強いんです。いろいろな人になれて、その人の視界を体験できるというのに幸せを感じています。

僕、根っからの飽き性なんです。だから同じことができなくて、毎回毎回違う人物になれるというのがすごく楽しい。もちろん、そんな自分の姿を見て、誰かが幸せになってくださったら最高ですけど、1番は自分が満足するためです。

――なるほど。いろんな人になれる、というところが楽しいポイントなのでしょうか?

そうですね。まじめな子になったかと思えば、亮くんみたいな子にもなって。芝居だからこそいろいろな体験ができる。そんなの、この仕事しかないじゃないですか。僕は死ぬまでにいろいろな経験をしたいなと思っているので、きっと死ぬまでこの仕事をするんだろうなと思います。

多くのことを学んだ『あきない世傳 金と銀』

――ご自身のキャリアにおいて、転機になった作品はなんでしょう?

一皮剥けたという意味では『あきない世傳 金と銀』です。きっと、マネージャーさんも同じことを言うと思います。共演者の方も大御所の方ばかりでしたし、時代劇というのも、NHKさんの作品というのも初めてでしたし「僕がなんでこの場所に入れるんだろう」って思うような毎日でした。

今考えても「本当によく飛び込んだな」って思います。自分でいうのもおこがましいのですが、温かい声援で見送ってもらいましたし、本当に大好きな場所でした。いい思い出がありすぎて、細かく話すとキリがないです。

――具体的に、一皮剥けたなという経験は?

細かいことはたくさんあるのですが、本当に現場に入って「足元にも及ばないな」って思ったんです。「まだ何年目なのに」とか「始めたての割には」と言われるのが嫌いだし、年数とか関係なしにできなきゃって思っていたのに、本当に全然できなくて。苦しかったです。でも、先輩方がすごく真剣に向き合ってくださり、相談にも乗ってくれて。特に小芝風花さんと八嶋智人さんには支えてもらったなと思います。

――初の時代劇ということでしたが、やはり現代劇とは違いますか?

表現も発音もセリフの内容も…2倍くらい頭を使うんだなって思いました。そういう意味では現代劇をやるときに、すごく余裕が生まれるようになりました。

――また、連続テレビ小説「おむすび」への出演はオファーだったと聞きました。出演前に不安などはありましたか? また出演後の手ごたえは?

不安よりは、楽しみの方が大きかったです。自分の性格上、基本的に手応えよりは大丈夫かな?と思ってしまうことの方が多いのですが、書道のシーンだけは繰り返し練習した上での自信があったので、手応えはありました。

自分らしい役には「まだ巡り会えていない」

――どういう役をやっている時が自分らしいなと思いますか?

実は自分らしいと思う役をやったことが1回もないんです。あまり言ったことはないのですが、得意、不得意で言ったら実は明るい役が苦手。自分の性格が陰と陽だったら陰の方の人間だと思っているので、陰の役がやりたいという思いはずっと持ち続けています。

自分の延長線上っぽい世界線の役を演じてみたいなというふうには思います。自分じゃない人を演じられるのも、もちろんすごく楽しいです。

――明るい役のイメージが強かったので、意外でした。松本さんは自分のことをどんな人だと思っていますか?

思いやりは、あると思います。慣れてくるといい意味でちょっと強く当たれる関係になります。あとは基本的にインドアですし、根暗だと思っています。本当にめっちゃ根暗です(笑)。

――オフの日のリフレッシュ方法は?

1人でサウナ行ったり、1人で散歩したり…1人でカラオケも行きますね。

――1人でいるのが好きなのでしょうか?

人を誘うのが苦手なんです。だからといって、すごく予定を決められるのも好きじゃないんですよね…。「明日の夜、空いてる?」って言われても、明日の自分にならないとわからないというか…。「まだわかんないから明日連絡する」って言っちゃいます。気分屋っていうんですかね。

――LINEよりも電話派ですか?

そうですね。必要なことはできれば電話してほしいです。LINEは必要なことであれば、すぐに返します。相談を聞いてほしいとかだと、ちゃんと返します。ただ、僕に連絡してくれる人って基本僕のことをわかっていて、未読のままだと追いLINEをしてくれるんですよ。そしたら、既読がつくってわかっているので。

ファンは僕のことを友達くらい理解してくれる存在

――今回の「推したい!フレッシュFACE」という企画はファンの方々からの熱い思いで実現しています。松本さんにとって応援してくれるファンの存在というのは?

いろんな時期から応援してくださる方がいるのですが、友達と同じぐらい僕のことを理解してくれているなって感じています。

久々にSNSを投稿した時も、「投稿なくて寂しかった」とか「最近投稿してくれないね」じゃなくて「忙しいのにあげてくれてありがとう」って言ってくれるんです。そうやって、いい意味でそっとしてくれる温かい方が多いですね。

――最後に「トーキョーカモフラージュアワー」でのご自身の注目ポイントを、ファンの方にぜひ教えてください。

僕史上1番意味がわからんことを言っている役、コメディーっぽい役を演じていると思います。なので「アホじゃん!」って思って見てもらえるといいのかなと。ただ、正直「ドン引きされたらどうしよう」とかって思わなくもないですし「この役、苦手かも」って思う人がいてもいいのかなとも思っています。

でも、もしあの亮くんにキュンキュンできる部分があったなら教えてほしいし「クズってわかっていても許せるところ、ありましたか?」って聞きたいですね。

◆取材・文/於ありさ

撮影/梁瀬玉実

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