

THE SECOND王者・ガクテンソク奥田に聞く「優勝して『何者か』になれましたか?」
2024年「THE SECOND~漫才トーナメント~」で優勝したガクテンソクの奥田修二。このほど上梓した初のエッセイ本のタイトルは『何者かになりたくて』(ヨシモトブックス)。「M-1」「THE MANZAI」「ABCお笑いグランプリ」などでもがき続けた20年弱を経て、王者になった今、「何者か」になれたのか、本人に聞いてみた。(前後編の後編)
──まずTHE SECONDについて改めてお聞きしたいです。今年は見取り図やモグライダーも参加を表明し、第3回目にしてどんどん大きな大会になってきていますよね。
そうですね、僕としては(大会を確立するために)チャンピオンのパターンを見せなあかんなと思っていたんです。1回目は大阪の舞台を拠点にしているギャロップさんが優勝して、次は東京に出てきた僕らが優勝して。ギャロップさんの優勝とは違うぞ、とテレビにめっちゃ出ていこうと思って活動してきました。
だから、3回目に関しては、もう2パターン出たので、どのパターンでもいいと思います。大阪芸人もギャロップさんのパターンがあるんやったらと気合い入れているやろうし、僕らみたいにテレビに出られるんやったらとテレビ好きな芸人さんは力んでいると思う。各々がやりたい、なりたいチャンピオン像が強い人が優勝できるんちゃうかなと思っています。
──チャンピオン像を意識して活動されていたんですね。
やっぱり大会が終わってもらったら楽しくないじゃないですか。M-1の権威ってチャンピオンがあんなにいることなんですよ。(歴代王者が勢揃いした)去年のポスターを見てビビりましたけど、誰も解散していないんです。THE SECONDも最低でも10組くらいはチャンピオンが生まれる大会になってほしい。序盤で優勝した僕らが大会の感じが固まるような動きを見せれば、M-1が20年で築いた権威を時短で10年にできる可能性はあると思っているので…。
──ガクテンソクさんはM-1でずっと戦ってきたわけですが、比較したときにTHE SECONDはどういうものと捉えていますか?
M-1は審査員さんがプロの芸人さんなので、料理人が料理人に評価されるような環境です。例えるとすると、デザインの新しさとか、ここにこんな食材を入れてこんな味になるんだみたいな感覚で、ちょっとだけお客さんが置いてけぼりになるんですよ。ただ、THE SECONDは完全にお客さんの票で決まるので、お客さんがおいしいと言ってくれる料理にどんだけ力を込められるかですよね。もちろん、驚きを与えるのは大事ですけど、いかに食べてうまいかが重要になると思っていました。
──今年もたくさんの出場者が参加表明をしていますが、特に注目しているコンビはいらっしゃいますか?
他事務所さんで言ったら、スパローズさん。マシンガンズさんも評価されましたけど、苦労具合も相まってすごくいいと思います。THE MANZAIのときに認定漫才師で2回くらいご一緒させてもらったんですけど、もうすでにあの時点でキレ芸してはって(笑)。そこから10年熟成したスパローズさんがどんなネタをするのか気になりますね。
また、トットも気になります。M-1ラストイヤーが準々決勝で終わってブチギレてる組は面白そうですね。M-1で戦ってきた戦士の体を持った人か、スパローズさんみたいな何十年もやってきた村の物知り長老みたいな人のどちらかが勝ち進んでいくと思います。
──それでいうと、THE SECONDは世の中に知られているコンビとそうでないコンビの差が大きいですよね。いわゆる“ニン”をお客さんがわかっているかそうでないかはどう働くと思いますか?
どっちにも働くと思います。知っているからこそ裏切られてウケるもあるし、逆にそのパターンは知ってるわ、で反応がきついこともある。出てきた時点でお客さんの心は何かしら動いているわけで、知られているか知られていないかはフリとして使えますよね。だから、結局はネタ次第やと思います。
──ちなみに、ガクテンソクさんが昨年出場した際には何を意識して舞台に立っていたんでしょうか?
出場者の中でも舞台数の多さには自信がありました。自分たちが知られている舞台も、知られていない舞台の経験もあるので、どっちで行くかは雰囲気で決めようと。肌で感じるしかないので。第一声が僕なので、過去の経験を信じて出ていましたね。
──上梓されたエッセイにはプライベートの話もありますが、改めて結婚や家族を持つことへの憧れはありますか?
憧れはあると思います。この職業でしっかり食えていて親も自慢できる状態で、新しい家族を増やせるような男ではありたいという憧れはあります。
──そもそも結婚が必ずしもゴールではなくなってきています。奥田さんは何を「幸せ」と考えていて、今はどういう思いを持っていますか?
幸せは幸せだと思いますけど、満たされているとは思わない。何かは足りないなと思いながら生きていますよね。人によって幸せは違うんでしょうけど、『美味しんぼ』が言っていたのがすべてですよ。「食べたいと思ったときに外でとんかつ食べられる人生」が幸せですよ。
──なるほど、納得できます。ちなみに奥田さんを占める要素のひとつにアイドルへの“推し活”がありますよね。奥田さんへのイメージから、そういうものにハマるのが少し意外な気がしました。
この仕事じゃなかったら、こういうハマり方はしなかったかもしれないです。最初は、おじさんとして姪っ子の運動会を見て泣いているみたいな感覚でした。ただ、アイドルって40歳や50歳まで続けられる仕事じゃないじゃないですか。それはご本人たちもわかっているはずで、期間がある種決まっている中めちゃくちゃ全力でやっていますよね。それが花火大会のように見えてきたんです。
自分に置き換えたとき、80歳くらいまで続けられる仕事をしていて、まだまだできると思ってだらけていないか?と思いました。あの子らがやれる5年間を、40年くらいに引き伸ばして考えている気がして。あれくらいの濃密な5年を続けていかないといけないと、何か教えてもらったようなテンションになりましたね。
──最後に、改めて今「何者」かにはなれましたか?
やっぱりないですね。優勝して王者になることが「何者」かだと思っていたんですよ。でも違いましたね。優勝した次の日から入ってくる仕事が、どの現場でもルーキーなんですよ。そうか、入口かと。出口は全部次の入口につながっていたという感覚ですね。だから、何者かになれたと思っても、すべてまた何かの入口なんだろうなと。死ぬときにおっきい声で「以上奥田修二でした」って言えたら、何者かになれているのかもしれないですね。
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