

「ボイメン」ファンから「弟分」になった小辻庵、“テニミュ”“ぼくプリ”など天職とも語る俳優業への思い

名古屋を拠点として活動する男性アイドルグループ「BOYS AND MEN」、通称「ボイメン」の弟グループである「カラフルダイヤモンド」に所属し、ミュージカル『テニスの王子様』や舞台『Dancing☆Starプリキュア』The Stage(“ぼくプリ”)など俳優としても活躍する小辻庵。“ぼくプリ”第2弾への出演でさらに注目を集める小辻に芸能界にへ入ったいきさつや、アイドルと両立する俳優業への思い、今後の展望についてなど広く語ってもらった。
「ボイメンのファン」から「ボイメンの弟分」へ
――芸能界に入ったいきさつを教えてください。
小学5年生の時に、「ボイメン」に家族でハマったのがきっかけです。『仮面ライダー』がきっかけでしたが、格好いいうえに面白いところに惹かれてファンになりました。地元の福岡にボイメンさんが来たときはイベントにも行きましたし、グッズやDVDを集めたり、YouTubeもたくさん見たり、最初は単なるファンでした。
でもその頃に「ボイメン研究生」のオーディションが福岡で開催されることになり、母からも「受けてみたら?」と言われて挑戦したんです。アイドルや俳優になりたいというよりは、「ボイメンさんと話してみたい!」という動機でした(笑)。そこからもう8年近く芸能活動を続けています。
――学校と芸能活動の両立は大変だったのでは?
とても大変でした。平日は学校があるので、中学生になってからは金曜日の終電でボイメンさんの拠点がある名古屋に行き、日曜日にイベントが終わった後福岡に帰る、という生活を3年間繰り返してました。
――当時は何がモチベーションでしたか?
研究生のメンバーの存在と、研究生としての活動の楽しさそのものですね。僕は部活動をしていなかったんですが、僕にとっては研究生の活動が部活動のようなもので、楽しく打ち込めるものとして毎週通っていました。大変だけど楽しい、研究生としての活動は日常の一部でしたね。
ターニングポイントとなったミュージカル『テニスの王子様』
――今は研究生を卒業し、「カラフルダイヤモンド」のメンバーとして活動中ですが、俳優としても多数の作品に出演しています。
本格的に俳優デビューしたのは『テニミュ』ですね。実は、“テニミュ”のオーディションに受からなかったら芸能活動自体をやめようと思っていたんです。
当時高校2年生だったので、周りもこれからについて考えていたし、僕も進路を真剣に悩んでいて。だから「このオーディションに受からなかったらもう芸能活動をやめよう」と決めて、演技経験はほとんどありませんでしたが、真剣にオーディションに臨みました。
――その時“テニミュ”に受かったことで、今もこうして芸能活動を続けていらっしゃるんですね。
“テニミュ”に受かっていなければ今の僕はないので、「天職」だったんじゃないか、とも思いますね。“テニミュ”のおかげで大きく変われたと思いますし、まさにターニングポイントでした。
今はいろんなことに挑戦したいという気持ちが強くて、やめたいと思うようなことはないですね。「カラフルダイヤモンド」としてだけでなく、「個人としても頑張らないと」と思っているので、モチベーションにあふれてます。
――“テニミュ”に出演したことも個人としての活動ですが、そこでの気づきなどはありましたか?
所属している事務所では、「あいさつをしっかりすること」をずっと言われてきたんですが、研究生として入所した当初は正直その重要性があまり分かっていなくて。“テニミュ”で事務所の外の世界の人たちとお仕事をするようになって、あいさつの重要性を実感しました。
“テニミュ”ではアイドル活動でやってきた歌やダンスの経験を生かせましたし、逆に“テニミュ”を経て、元々のファンの方からも「歌がよくなった」と言ってもらえるようになりました。自分でも自信がついたと思います。
――俳優として活動するなかで、苦労していることはありますか?
演技そのものですね。演技は好きですが、同時に苦手だなとも感じていて。せりふの"間"をうまくつかめなくて演出家さんにダメ出しされたり、「こんな感じでやってみて」と言われたときに、すぐに応えることができなかったりして難しさを感じます。
でも先輩たちががむしゃらに舞台や演技に向き合っている姿を見ていると、僕もこのままで終わりたくないって思いますし、先輩方もたくさんアドバイスや励ましの言葉をくださるので、まだまだ頑張りたいですね。
――俳優のお仕事のどういったところが好きなんですか?
2.5次元舞台の場合はやっぱり、「キャラクターになれる」ところですね。“テニミュ”の舞台では、テニスで負けたシーンは本当に試合で負けた気持ちになりますし、「今日は勝てそう!」みたいな気持ちになるときもあります。演じることでキャラクターの思いを叶えるのがすごく楽しいなと感じます。
“ぼくプリ2”では演技もダンスも進化した姿を
――2月から始まる“ぼくプリ”の第2弾では引き続き、キュアブレイク/黒瀬舞人を演じます。第2弾が決まった時の心境はいかがでしたか?
純粋にうれしいなと思いました。シリーズとして続くことは簡単なことないですし、本当にありがたいなと思います。プリキュアのメンバーがまた集まれるのもうれしいですね。本当に大好きなメンバーで、稽古中もずっと笑っています。
――同じ事務所の寺坂頼我さんとも再共演となりますね。
最初の頃は「頼我さん」って呼んでたんですが、『ぼくプリ』を通して距離が縮まって、今は「頼我くん」って呼んでます。絶対怒らない、すごく優しい先輩です(笑)。
――1作目では、ブレイクダンスもされていましたよね。ダンスが趣味だそうですが、ダンスを始めたきっかけは何だったんでしょうか?
研究生になってから、妹に教えてもらった「BTS」さんにハマったのがきっかけです。歌もダンスもうまくてファンになり、そこから見様見真似でダンスを始めました。習ったわけではないんですが、自分でもびっくりするくらい急成長しました。グループの中でも振り付けを覚えるのは一番早いと思いますし、体の使い方がうまいと褒めていただけることも多いです。まだまだうまいと言えるレベルに達していないですが、ダンスは本当に好きです。
ブレイクダンスは“ぼくプリ”の1作目で初めて経験して、正直不安でいっぱいでした。でも今は自分の中でも変化を感じていますし、2作目は技も進化させないと、と思っています。新しい技も練習中なので、楽しみにしていてほしいです!
――1作目と2作目の間で、他にご自身の中で成長を感じることはありましたか?
カラフルダイヤモンドの舞台で「小辻庵」役を演じる経験をしたんです。そのおかげで日常シーンは前よりも自然な演技ができるようになったんじゃないかと感じます。1作目の舞人くんは一人で過ごすことが多かったんですが、2作目では日常シーンも出番が多いので、「こんな舞人くんもいるんだよ」って、1作目では表現しきれなかった舞人くんのかわいさやかっこよさをしっかり表現したいです。
目標は「武道館」と「ヒーロー」
――「アイドル」と「俳優」と、まさに二足の草鞋を履いての活動ですが、それぞれ目標などはありますか?
やっぱり武道館でのライブをやってみたいです。事務所の先輩方も武道館の舞台に立った方がいますし、武道館に立ってこそアイドルとして一人前、というイメージも強いので。あとはSNSでバズってみたいです!僕たちは結構ちりつも型で(笑)、まだ大きくバズったことがないので、一度経験してみたいです。
――俳優としてはいかがですか?
子供の頃からヒーローものが好きで、仮面ライダーやスーパー戦隊もよく見ていたので、やっぱりヒーローへの憧れがあります。頼我くんはプリキュアだけでなく、ウルトラマンも演じていたので、僕もそんな俳優になりたいです。僕は4人兄弟の一番上で、小学生の弟が2人いるんですが、僕が演じるキャラクターの変身ベルトを弟がつけて、学校で自慢してくれたらうれしいなって(笑)。格好いいヒーローになって、格好いいお兄ちゃんになりたいです。
あとは、2.5次元舞台にも、もっとたくさん出たいです。いろんなキャラクターを通じて、新しい自分を見られるのが楽しみなんです!
◆取材・文=新藤まつり、ヘア&メーク=田中宏昌、スタイリング=北村梓(Office Shimarl)
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