「ノサカラボ Reading Echoes『Fiend／Friend in 20faces』」囲み取材より

佐久間大介、大先輩の山寺宏一・井上和彦・梶裕貴の背中を追い新境地へ「先輩たちに追いつきたくてしょうがなかった」＜Fiend／Friend in 20faces＞

2025.01.30 05:00

1月30日(木)から2月2日(日)まで東京・THEATER MILANO-Za、2月6日(木)から2月9日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演される舞台「ノサカラボ Reading Echoes『Fiend／Friend in 20faces』」のゲネプロと囲み取材が1月29日に行われ、キャストの山寺宏一、井上和彦、梶裕貴、Snow Man・佐久間大介、演出・構成の野坂実氏が登壇。役どころや意気込みなどを語った。

「怪人二十面相」をモチーフにしたオリジナルストーリーの朗読劇

同作は、日本の推理小説の祖といわれる江戸川乱歩の作品、「少年探偵団シリーズ」の第一作目「怪人二十面相」をモチーフに描いたノサカラボ初のオリジナルストーリーの朗読劇。「怪人二十面相」の遠藤平吉役に山寺と山口勝平、名探偵の明智小五郎役に井上と大塚明夫がそれぞれWキャストで配役。そして、明智の優秀な助手の小林芳雄を梶、明智と二十面相の狭間で揺れ動くオリジナルキャラクター・燕谷麟太郎を佐久間が演じる。

山寺宏一「やる気満々でワクワク」

山寺は「朗読で変装して…ってどうなるんだろうと思っているでしょうけど、きっと楽しんでいただけるんじゃないかと思います。このTHEATER MILANO-Zaという素晴らしい劇場に初めて立たせていただくんですけど、やる気満々でワクワクしております」とコメント。

井上は「子どもの頃からずっと『怪人二十面相』を見ていて、明智小五郎に憧れていました。この役ができて、しかもこんなすてきな衣装まで作っていただいて、本当に生きていてよかったなと思っています。精一杯頑張ります」と発言し、笑いを誘う。

梶は「僕も子どもの頃から『怪人二十面相』を知っていたものの、今回はオリジナルキャラクター・麟太郎が登場しての公演ですので、どんな物語になるのかすごくワクワクしていました。皆さんに絶対に楽しんでいただける内容になっていると思います」とアピール。

そして、「私が演じる小林少年は、劇中ですと大体12歳前後という感じで(笑)。今年で40歳になるのですが、そこも声優ならではというか、朗読劇だからこそ越えられる垣根であり、面白さかなと思いますので、その辺のファンタジー性も含めてお届けできればなと思っております」と意気込んだ。

佐久間は「麟太郎は警察官なんですけど、なんで警察官になったのか。過去の生い立ちがいろいろあると思うので、それをどうこの舞台の中でひもといて、そこからどう成長していくのかがすごく楽しみになるようなキャラクターです。麟太郎と一緒にこの舞台を続けていくうちにどんどん成長できたらいいなと思っております」と宣言。

佐久間大介との会話が舞台誕生のきっかけに…

また、同舞台は野坂氏と佐久間の会話が発端だったといい、佐久間は「6年前ぐらいに野坂さんの演出される舞台で一緒になりまして。そのときからずっと一緒に舞台をやりたいという話をしてくださっていて、僕もやりたいですと言って今回やっと実って」と経緯を明かす。

そして、「こうやって野坂さんとも一緒にできて、そして素晴らしすぎる、偉大すぎる大先輩の方たちと一緒に舞台に立たせてもらえて本当にうれしいです。本当にすごいですよね。稽古場に行くのをちょっとためらいましたもん、最初。“え、どうしよう”と」と戸惑いがあったことも明かした。

佐久間大介「必死こいていろいろと練習した」

稽古の様子を問われると、佐久間は「皆さんがお忙しすぎて、一緒にみんなでやることが全然なかったんですよね。稽古自体も数日…3、4日ぐらいだったので、声優業界の忙しさを痛感しましたね」とコメント。そして、「先輩たちに追いつきたくてしょうがなかったので、必死こいていろいろと練習させてもらいました」と振り返った。

野坂氏は「稽古が終わって佐久間くんと2人で喋っているときに、『(山口)勝平さんと山寺さんの作り方がまったく違うから、こんな面白いことないです』と言っていて、『楽しいと思ってくれる？』と聞いたら『こんな楽しいことないです！』って。『先輩たちの芝居は圧倒的に違うから、それを受けられるのは幸せです』と言っていたのが印象的でした」と、佐久間の熱い思いを感じていた様子。

また、劇中では衣装チェンジの演出もあり、野坂氏は「裏側ではありえないぐらいの高速でお着替えをなさってると思います」とキャスト陣の努力に感服。

特に怪人二十面相役の山寺の着替えには佐久間も驚いたといい、「本当にすごくて。尺がどれぐらいか聞いたときに、山寺さんが『1分ちょい』って。それって、Snow Manが着替えるスピードなんです。山寺さんが(舞台に)出てきたときに本当に全部着替えられていて『山寺さんSnow Manだったんですね！』って(笑)」といったやり取りがあったことを明かすと、山寺も「Snow Manのポーズ」と、決めポーズをしておどけてみせた。

また、以前から佐久間と交流のある梶は「知り合ってからはもう結構経ちますけど、ずっと声優というか、お芝居の場所で共演したいねと言っていたのがかなったのが初めてだったので、それが本当に感慨深くて…」としみじみ。そして、「初めてですけど息ぴったりといいますか、呼吸のテンポ感みたいなものがすごく気持ちよくて、麟太郎と芳雄の掛け合いにも注目していただきたいです」とアピールした。

また、佐久間の声優としての魅力について、井上は「すっかりなじんでいて、『あれ、どこのスタジオで会ったっけ？』みたいな感じですよね。新人って感じじゃないです。悔しい。上手すぎちゃって、嫌んなっちゃいます」とコメント。それを受けた佐久間は「いやいやいやいや！ハードルだけ上がってく…！」とたじたじに。

さらに、井上は「あとエネルギーがすごい。前に出てくる力が。刺さってくるんですよね、せりふが。ずーんと。その辺はもうなんか将来が楽しみというか、あんまりやってほしくないなぁというか(笑)」と追撃し、それを聞いた佐久間は恐縮しながらも大爆笑していた。

そして、山寺は「現場がすごく明るくなるんですね。場当たりをやっていて、調整があって、『少々楽にお待ちください』と言われたら我々はすぐ座るんですよ。でも佐久間くんは踊り始めて」と暴露。

野坂氏も「休憩のときにスタッフさんと一緒に掃除していました。掃除しているところはちゃんと携帯で撮りました、動画。変わらないんです。初めて会った頃からそういう人なんです。稽古場を片付けたり掃除したりとか。変わらないなと思いながら、あまりにも懐かしすぎて携帯で撮っちゃいました」と続き、佐久間の現場での誠実な姿を明かした。

最後に、山寺は「物語自体は随分前に書かれた、少年少女向けに作られた初期の推理物ですけど、それをこの朗読と、それだけじゃない、このセットを見ていただいてお分かりの通り、いろいろな仕掛けがございますので、いろいろな方に楽しんでいただけるエンターテインメントになっていると思いますので、ぜひ劇場に足を運んでください」とコメント。

そして、佐久間が「野坂さんと、そしてこの素晴らしい偉大な大先輩たちと一緒に立てることがすごくうれしいのと、その先輩たちにどれだけ食らいつけるかが今回僕の中のテーマというか、頑張らなきゃいけないことだと思っていますので、よりこの作品にのめり込んで、皆さんにいろいろな感情をジェットコースターのように届けられたらいいなと思っております。無事にけがなく千秋楽まで終えられるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします！」と呼び掛け、会見は終了した。