“穏やかでやさしい好青年”だったドナルド・トランプが“過激な大統領”になった背景が映画に
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』が1月17日公開。
2017年から2021年まで、アメリカ第45代大統領を務めたドナルド・トランプ。昨年2024年の大統領選で当選し、2025年から再び第47代大統領として返り咲くことになりました。
過激な発言が目立つトランプですが、じつは陰に師の影響があったとか。その師弟関係を描いた『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』が1月17日より公開。
トランプの「勝ち」を目指す生き方について、考えてみましょう。
「見習い」が変身するまで
1946年、アメリカ生まれのドナルド・トランプは、1970年代に父親から受け継いだ不動産事業を成功させ、実業家として活躍。2004年からテレビ放送されていたリアリティ番組『アプレンティス』の司会を務めていた経験もあります。
その番組名と映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』にある「アプレンティス」とは、「見習い」「弟子」の意味を持ちます。
本作では、若かりしころのトランプが師の影響を受け、いかに現在のような強気な人間になっていったかが描かれています。
過激な大統領を育てた師
もともとトランプは、穏やかでやさしい好青年だったといわれていますが、その青年時代を演じるのは、セバスチャン・スタン。マーベルコミックのスーパーヒーロー、ウィンターソルジャーことバッキー・バーンズ役で有名なスタンが、次第に好戦的なキャラクターに変貌していくのは圧巻です。
そのトランプを創った「師」は、ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)といわれています。1927年生まれのコーンは、検事として活動した後、1950年代に弁護士に転向。反共産主義者として名を馳せ、トランプをはじめとする著名な顧客を抱えていましたが、何としても裁判に勝つ反道徳的な手法が目立ち、1986年7月には資格を喪失。その1ヶ月後の8月に59歳の若さで亡くなっています。
アメリカの未来を占う
本作の脚本を手がけたガブリエル・シャーマンは、劇中の「トランプ」を「人生で大事なのは勝つこと以外にないと思っている人」と表現。それは破滅的な考え方であり、現代社会では勝つこと以外に「別の価値観もあるはず」だと警笛を鳴らします。
コーンがトランプに教えたのは、どんな手段を使っても勝つこと。攻撃あるのみとするその手腕は1980年前後には王道で、それこそが正義だったのでしょう。ですが勝敗の二択しかない考え方は、選択肢の増えた現代では問題を解決するどころか、さらに悪化させる可能性があります。
トランプが再び大統領に就任するアメリカ、本作はその未来を示唆しているのかもしれません。
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『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』
1月17日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
公式サイトはこちら!
(取材・文/Sirabee 編集部・尾藤 もあ)
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