「太田光のテレビの向こうで」

松重豊「表現者がなんにも言えなくなったら、表現者じゃないじゃん」社会派なテーマも深堀りしていく「太田光のテレビの向こうで」第4弾

2025.01.03 18:00
「太田光のテレビの向こうで」

爆笑問題の太田光がMCを務めるBSフジの「太田光のテレビの向こうで」。1月4日(土)昼3時から放送される第4回のゲストは、1月10日(金)に劇場公開が控えた「劇映画 孤独のグルメ」の主演を務める俳優・松重豊だ。太田とは松重が構想と企画発案を担当したドラマ「それぞれの孤独のグルメ」の第1話で共演したという縁もあり、軽快なトークを展開。表現者がものを言わねばならない瞬間など、社会派のテーマを交えて大いに議論を戦わせた。

気心知れた2人のキャスティング論

番組冒頭、「日本のおかず」という図鑑を眺めながらゲストを待つ太田。抑揚の少ない独特の調子で「美味そうな料理がいっぱい…うーん、腹が減ってくるよ…」と太田のナレーションが響く。明らかに、松重の代表作ともいえる「孤独のグルメ」を意識している。

「これはこれは、どうもどうも」と軽い調子で現れたのは松重。話題はさっそく10日(金)公開の映画「劇映画 孤独のグルメ」にも登場するスープの話題に。手間暇のかかるオニオングラタンスープはお店の格がわかるほどの品物である…というところからヒートアップした松重。「しゃべっていいですか…!」と居ずまいを正すと、太田がすかさず「完全に映画の番宣」とツッコミながら笑う。そこに松重が「うるさいな!」と返す言葉で、2人の関係性がわかるというもの。

映画では豪華な俳優陣が顔をそろえたのだが、そこには松重の経験から来るマジックが関係していたらしい。太田も杏のオファーについて「電話1本でオファーしたら、一発OKだったよ…って言ってたでしょ!?」とツッコむと、「一応40年役者やって…一応、俳優業の人脈がそこそこあるから」と松重。過去4回も親子役で共演したという縁が、杏の出演に繋がったと明かす。

そのほか出演メンバーも多くは過去の縁から声をかけたという話で、「僕がホントに、好きで好きでしょうがない人たちに…」とキャスティングの経緯を説明する松重。すると話題は、やがて“太田が書いた小説「笑って人類!」を映画化するなら”に変わっていく。

実は同作の主人公・ダメ総理・富士見は、「松重さんのイメージで書いてたんです」と太田。書いている段階から映画にしたかったと言う太田だけに、その時点でキャスティングも住んでいたようだ。しかしその話を聞いた松重は、「これね、大変ですよ!」と驚きの声を上げる。

社会派のトークテーマで熱く語りあう2人

さまざまな話題で激論をかわす2人だが、同番組の醍醐味でもある社会派な「失われた30年」に関するテーマも飛び出した。2人は日本の経済状況が大きく落ち込んだ「失われた30年」ど真ん中の世代なのだが、そこに対して「責任…結構重いですよね」とこぼす松重。「俺らが何もしなかったから、『こんなに他の国に置いてかれちゃったんじゃねえかよ』ってすべてにおいて言われてる」と身に受ける風潮を明かし、「いままでやりたかったものを、ちゃんともう一回…もう一回きちんと整えないといけない」と腹に抱えた使命感を語った。

太田は松重の熱い思いに「それは嬉しい。松重さんがそう言ってくれるのは」とひと言。「我々の世代、ちょっとこれ…なんかもうちょっとひっくり返さないと終われないよね」と問題提起する太田に、松重は“上の世代”を見たときに受けるある考えを明かす。

さらに議題は、「規制と自由」という難しいテーマに波及する。昔は悪い仕事をすれば灰皿を投げられるなど過酷な環境が普通だったのだが、いまやそれはタブー。「口に出しちゃいけない」「(口に出したら)『そんなこと肯定するんですか』って言われる時代」と端的に現代の複雑な価値観を明かす松重に、太田は笑いながら同意する。

もちろんコンプライアンスは大事だが、そのなかでも「『ここは抗っていかないと、やっぱりダメじゃん』ていうのがあるじゃないですか」「表現者がなんにも言えなくなったら、表現者じゃないじゃん」と“表現者”としてのスタンスを語る松重。

表現者が目指す「愛と平和」の難しさや「歳を重ねること」について、2人は気心が知れた同士ならではの調子で語らいあう。軽快なトークで重いテーマを深堀していく「太田光のテレビの向こうで」の第4回は、1月4日(土)昼3時から放送される。

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