<ザ・トラベルナース>安達祐実“吉子”、新米・森田望智“柚子”に連日イライラ「胸でもお尻でも触らせて仕事しなさいよ!」
岡田将生と中井貴一が“クセ強ナース”を演じる痛快医療ヒューマンドラマ「ザ・トラベルナース」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第5話が11月14日に放送。“ハラスメント”をテーマに、ナースの吉子(安達祐実)と新米ナースの柚子(森田望智)のぎくしゃくした関係が描かれた。感情にまかせた柚子の態度に激怒した吉子が、患者の前で彼女を平手打ちしてしまう事態も飛び出した。(以下、ネタバレを含みます)
クセ強敏腕看護師コンビが医療現場を改革
本作は、手術の際に医師を補助し一定の医療行為を実施できる「NP(ナース・プラクティショナー)」の那須田歩と謎多きスーパーナースの九鬼静(中井貴一)のクセ強看護師コンビが、“患者ファースト”の精神で医療現場を改革していく物語のシーズン2。
トラベルナース(人手不足の病院や施設で期間限定で働くフリーランスの看護師)である彼らの今シリーズの勤務先は、基幹病院である「西東京総合病院」。同病院では、新院長・薬師丸(山崎育三郎)が働き方改革を中心とした組織変革に次々と着手。現場の状況より自分の理想を優先して強引に改革を進める薬師丸に、静と歩は闘いを挑んでいく。
「胸でもお尻でも触らせて仕事しなさいよ」
プリセプター(新人をマンツーマンで指導する役割)の吉子は、言われたことをすぐやらない、指摘しても言い訳して謝らない新米ナースの柚子に連日イライラしっぱなし。「仕事の甘い新人にキツいのは当たり前」と、威圧的な態度で小言を繰り返していた。
看護の際、柚子が中年男性の患者に手を握られてひるんでいると、吉子がすかさず交代。そして、尻を撫でられながらも表情を変えず淡々と仕事を続けた。吉子は「時間も人手も無い中でたくさんの患者を見なければならない。胸でもお尻でも触らせて仕事しなさいよ!」と柚子に冷たく言い放った。
吉子が厳しすぎる、と限界だった柚子は、看護部長の塔子(寺島しのぶ)にプリセプターを替えてほしいと訴えた。「理不尽な指示はパワハラだと思う。患者のセクハラをガマンしてまで仕事できない」というのが柚子の言い分だ。それを聞いた塔子は「我慢する必要はない」と告げた。そして、吉子もそんなつもりで言ったのではないと思う、と柚子をなだめた。
だが、吉子は「言葉通りの意味だ」と塔子に告げた。「命を預かる仕事なのに、今の若い子はその重大さを分かっていない」と不満を漏らし、何でも「ハラスメント」と言われたらプリセプターなんてできない、と訴えた。それには塔子も賛同し、吉子は言い方に問題があるのだと指摘。そして、注意する前に6秒数えてから優しい言葉で言えないかどうか考えてみるようにアドバイスした。
「看護がガマンになってしまうのは、もったいない」
そんな中、吉子と柚子が入院中のがん患者・五味(段田安則)の担当をする日になった。五味はその日、病状悪化の為に手術不可能となり、もう治らないことを知ったばかりで、精神的に不安定だった。元々パワハラ気質の人物のため、今日は特に要注意だが「怒鳴られても触られても流すから大丈夫」と言う吉子。そんな彼女を静は「看護が我慢になってしまうのはもったいない」と諭すのだった。
吉子は信念を否定されたような気持ちになりながら「仕事ですよ?我慢するのは当たり前じゃないですか」と自分自身にも言い聞かせるように、静に反発した。だが、五味の看護に向う途中で、静の言葉に信念が揺らいでいるような表情を見せた。
「どーせアンタなんか、1カ月で死ぬんだから!」
五味は激しい痛みの苦しさといら立ちから、吉子に暴言を浴びせた。彼女はカチンときたが、言い返す前に6秒数えた。その間にも、五味は柚子にも当たり散らし、「役立たず」と物をぶつけた。その時、ガマンの限界を超えた柚子が「何でも好きに言えば?どーせアンタなんか、1カ月で死ぬんだから!」と怒鳴ってしまった…。
突然、余命を知らされて凍りついた五味の目前で、吉子は柚子を思いっきりビンタした。そして、「申し訳ございませんでした!!」と文字通り2つ折り状態で頭を下げ続けた。その隣で、柚子は「私は悪くない」という気持ちと後悔が混ざった複雑な表情のまま突っ立っていた。
吉子は、翌日からしばらく謹慎処分に。寮に帰ると、謝ろうと待っていた柚子に、先に「ごめん」と謝る。患者にセクハラされても我慢しろと言ったのは間違っていたと認めたのだ。柚子ももちろん吉子に謝ったが、「謝るのは私じゃない」と告げて自室に向かった。
柚子は心から五味に謝罪したが、五味は「ひどいことを言って悪かった」と逆に詫びた。そして、謝罪のために病室を訪れた院長の薬師丸に「看護師さんたちは悪くない」と告げるのだった。
病室を出た薬師丸は、塔子に2人の処分は任せると言ったが、塔子が「2人には厳重注意。吉子は謹慎解除、プリセプターも継続させる」と告げると、「賢明な判断とは思えない」と難色を示す。命を預かる現場で感情的になる人物は危険だ、というのがその理由だ。だが、塔子は「ナースは感情的になってもいいと思う」と反論。そして、「次に同じことが起きた時は、責任を取る」と言って、吉子らを守った。
薬師丸は、これまで自分の理想から外れる人物は皆、排除してきた。普段は自分の考えに心酔している塔子が反論してきたのは、内心かなり不愉快だったに違いない。彼は近くで作業していた静にどう思うかと尋ね、静は、薬師丸が判断を任せた塔子の考えを尊重する、と答えた。「任せる」と言ったのに、答えが気に入らないと否定するのはおかしい、と言われたのも同様で、薬師丸はさらに不快な気持ちになった。
成長を見せた柚子だったが…
数日後、柚子は「寝ないで完璧に仕上げた」と言いながら、処置の方法についてのレポートを吉子に提出。「今朝のミスはそのせいなのか。そんなことで患者に対応できると思っているのか」と相変わらず苦言を呈する吉子。今日も実践ではなく吉子に同行して学ぶ“シャドウ”だと言われた柚子はガッカリ…。だが、吉子は「レポートは完璧だから、(実践は)次回ね」と告げる。病室に向かう吉子は、いつものクールな無表情ではなく、珍しくほほ笑んでいた。
柚子は、レポートも完璧に書き、セクハラする患者にも「次やったら、グーで殴ります。入院が長引いても知りませんよ」と、毅然とした中に優しさも感じられる対応ができるようになった。彼女は成長を見せ、この先育っていけば吉子と、静と歩のような“ケンカするほど仲がいい”関係になれるかも…と思ったが、次回、柚子はかなり深刻な“やらかし”をする様子…。「次に何かあれば責任を取る」と言った塔子の立場も心配だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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