少年忍者ヴァサイェガ渉、主演舞台は本番中に観客がストーリー選択 難しさ語る【「かまいたちの夜」公開稽古レポート】
2024.06.06 19:55
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少年忍者のヴァサイェガ渉が5日、東京・シアター1010、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演される「かまいたちの夜 ~THE LIVE~」の稽古場取材会に出席。意気込みを語った。
ヴァサイェガ渉ら「かまいたちの夜 ~THE LIVE~」は観客に委ねる部分も
主演はヴァサイェガが務め、共演に豊田陸人、高柳明音、ドロンズ石本、塩月綾香、田中孝宗、大高雄一郎、槙原唯、谷口就平、細貝圭、安田裕といった個性豊かなキャストが名を連ねた。この日の稽古では、ストーリー序盤の約30分のシーンを披露。とある理由から密室状態の空間で作業をしている同僚たちを、ヴァサイェガや石本、高柳、細貝らが演じていく。高圧的な上司や八方美人な中間管理職、そのストレスの捌け口にされる若手社員と、それぞれが等身大な芝居で日常の空間を作っていった。異様な密室状態であることを除けば、変哲のない職場の雰囲気は、ある出来事をきっかけに一気に「かまいたちの夜」らしさを帯びていく。この日は、豊田演じる比企文哉が登場するシーンまでが描かれた。
通し稽古に入る前、演出の野坂実氏は本作の見どころとなるトリック構造について熱弁。その言葉に呼応したキャスト陣の熱演と、客席にルート分岐を委ねる斬新なシステム、1人複数役を演じる演劇的な見せ方の面白さが、本番でどう絡み合うのか期待が高まった。
ヴァサイェガ渉&豊田陸人、意気込み語る
公開稽古後に行われた取材会には、ヴァサイェガ、豊田、高柳、石本が登壇。間もなく幕を開ける本作への意気込みを語った。伊月役を演じるヴァサイェガは本作の難しさに触れ、「演じたことでやっと理解できました。これをお客様にも伝わるようにしなくてはいけないので、そこも難しい」と苦笑。また本作では、客席にAかBの札を上げてもらい、続く行動を選択肢から選んでもらうシーンが多数登場する。ヴァサイェガはAとBのどちらが多いかを判断して、選ばれたルートに入るためのきっかけの芝居を担当する場面が多いのだそう。石本から「大変そう」と労われると、「(自分の演じたい方を選んで)嘘もつけちゃう」と茶目っ気たっぷりの笑顔で冗談を飛ばして笑いを誘った。
比企文哉役の豊田は公開稽古でも披露した、「おはようございます」という一言目のセリフについて言及。「セリフの一言目が『おはようございます』ってなかなかない。どういうマインドで言うかということをずっと考えています」と、役作りの苦悩を明かした。周りから「比企は難しい」というコメントが出てくるほど「本当に難しい役」に挑むことになった豊田は、「あまり自分を変えずに、比企に自分を落とし込みながら役を作って、豊田=比企として見てもらえるように演じていきたい」と意気込んだ。
ヴァサイェガ渉&豊田陸人、見どころ明かす
ヴァサイェガ演じる伊月と豊田演じる比企には、台本の半ページを埋め尽くすほどの長台詞での推理シーンがあるとのこと。石本は熱を込めて「皆さんに彼らの名探偵っぷりを観ていただきたい!」と期待を寄せた。そんな石本は自己紹介で「少年忍者の石本です」としっかりボケてからスタートすると、「原作の我孫子先生(我孫子武丸)が携わっているので安心して演じられる」と笑顔を見せた。また、謎解きの過程が客席に委ねられることに触れ、「僕らは出演者ですが、どうにかして観にいきたいくらい面白い」と語ると、3人からも口々に賛同の声が上がる。
ゲーム1作目発売当時は2歳だったという高柳は、出演が決まってから実際に原作ゲームをプレイしたそう。今作はスパイク・チュンソフトの協力のもと、原作ゲームの音楽が使用される。高柳は「ゲームの音楽も流れると聞いているので、原作ファンの方にも楽しんでもらって、オリジナルストーリーもいいなと思ってもらいたい。我孫子先生が作った、舞台だからこそできるお客様を巻き込んだ舞台になっています」と見どころをコメント。最後に主演のヴァサイェガが「ゲームのように自分でルートを選択して、お客様も参加できる舞台です。どういうルートを選択したかによって、複数のストーリーが生まれるのが本作の見どころ。僕たちも何パターンも稽古をしているので、ぜひ何度も観て、いろんなパターンを観てもらいたいです」と会見を締めくくった。
ヴァサイェガ渉主演「かまいたちの夜 ~THE LIVE~」
「かまいたちの夜」は1994年の発売以降、伝説のサウンドノベルとして根強く愛されているシリーズ累計200万本を誇るゲーム作品。シリーズ30周年を迎える2024年、舞台ならではの表現を追求したシリーズ初の舞台化作品として本作が上演される。原作者の我孫子を監修に迎え、舞台オリジナルストーリーが展開される。演出はミステリー専門の舞台を制作するノサカラボ代表・野坂実、脚本は民俗学や土着信仰に精通している劇団鬼の居ぬ間の主宰・望月清一郎が担当。本作は観客のジャッジによってルートが分岐しエンディングが変わるマルチエンディングを用意している。複数の仕掛けによって、舞台作品ならではの「かまいたちの夜」らしさが体感できる作品を目指す。(modelpress編集部)
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