グラドル麻倉瑞季「グラビアを性産業でも崇高な芸術でもない、女の子の素朴な魅力を捉えたもの」
SNSでの奔放な言動や文章センスが話題を呼び、Abema TVの報道番組ではコメンテーターとしても出演しているグラビアアイドルの麻倉瑞季。彼女の「可愛い」というプライドが形作られた、故郷・長崎での思い出やグラビア活動への向き合い方を聞いた。(前後編の前編)
――昨年秋からWEBサービスのnoteでも記事を書きはじめました。1本目の投稿で、長崎県での学生時代のことや表現者になるこだわりをつづっていました。
「表現者には昔から憧れと尊敬を抱いていました。そのきっかけはアニメだったんですが、実は、幼少期はマンガやアニメをそこまで見せてもらえなかったんです。でも、夕方にテレビでたまたま見た『マギ』にどハマりして、その同じ枠で放送されていた『ハイキュー‼』にハマって…その2作品がオタクへの道の始まりでした。その後『リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)』は深夜アニメだったんですが、なんとか両親を説得して、より私のオタク道が深まって行った感じです」
――中高時代の強烈なクラスメイトの影響が大きかったとnoteで書いています。
「私の学校は中高一貫だったんですが、私の故郷では中学受験するからといって必ずしも勉強に自信がある子、というわけではないんです。ただ、その中でも私は勉強がそこそこできる方、という自信があったんですが、そのクラスメイトの存在でプライドをへし折られちゃって…(笑)。
彼女は中学生なのに英語がペラペラな上に、行動力もあってスイスの国連事務局に行ったり、高校に上がると『ガンジス川を詠んだ詩に感動したからインドに行く』と本当に現地に留学して、貧しい方々のためにファッションイベントを立ち上げたり、自信だけはあって、これまでのほほんと生きてきた私にとって、彼女との出会いは衝撃だったんです」
――麻倉さんはその頃どんな高校生だったんでしょう?
「中学の頃は勉強が得意だったんですが、高校に上がると平和活動などの課外活動に時間を割くようになったんです。そうすると、勉強への意欲が下がったのか成績が下降しましちゃって…(笑)。でも、なぜか国語は中学時代からずっと苦手だったのに、逆にその頃から点数が上がって模試でも9割を切ることがほとんどなくなりました。それで『自分は文章を書くのが得意かも』と思い始めました」
――9割はすごい!さすがですね。
「それでも論述より暗記の方が得意で、暗記でカバーできる古文漢文で点数を稼いでいたようにも思います。あとは…自己肯定感が人生最高レベルに高かった時代でもありました。田舎で垢ぬけた子が少なかったのと、勉強くらいしかやることがなくて、そちらに全振りする子ばかりだったので、“私は地元で一番可愛い!”と天狗になっていた時代です(笑)」――可愛さにまつわる具体的なエピソードはありますか?
「ドッヂボールで、クラスメイトの女の子からわざと顔を狙ったようなボールを投げられるんです。 それで、顔に当てられた私が『痛い!』ってなると、表向きは謝ってくれるんですけど、あとで陰口を言われていることに気づいて。『絶対オーバーに痛がってるだろ。どれだけ自分の顔が大事なん?』みたいな感じで、トイレで陰口言ってるのを盗み聞きしてしまったんです。
私にとって顔が 大切なパーツだってその子たちも分かってて狙ってくるし、私が可愛さに自信を持ってると気づいているから、あんな反応になるんだな、と前向きに理解していました。「他人が私の可愛さに気付いてくれた」という事が嬉しいと思いました」
――高校を卒業して、上京した時にスカウトされて芸能界入りしました。
「大学受験の結果待ちの間に、ヴィレッジヴァンガードのモデルをする機会があって上京して、その時に初めてスカウトしてくれたのが今の事務所です。芸能という世界に接した初めての経験だったんですが『スカウトされたってことは向いてるのかも』と思って、そのまま東京で第一歩を踏み出しました。2021年ですね」
――その年の夏に、クリエイターのくじらさんの楽曲『悪者 feat.相沢』のMVに出演します。
「くじらさんからのオファーでした。くじらさんと監督のYPさんが、歌の中のヒロインのワカマツに合った女の子を探していて、一番ぴったりなのが私だと指名してくれて、とても嬉しかったですね。
あの楽曲はカツセマサヒコさんが歌詞をもとに書いた小説ともセットになった作品なのですが、カツセさんの小説も参考にして、無邪気でズルい女の子として演じました。演じるということの楽しさにも気づきました」――長崎から上京して、芸能活動は順調な出だしのようにも見えます。
「でも東京では長崎と全然違って可愛い子ばかりなので、ルックスへの自信が打ち砕かれました。だから自己肯定感はダダ下がりで、グラビアの活動もはじめは抵抗があって、事務所に勧められても『やりたくない』と言っていました」
――抵抗感とは?
「もともとグラビアにはあまり興味がありませんでした。加えて、中高時代に男子だけのグループLINEの中で、勝手に私の顔とグラビアアイドルの身体でコラ画像を作るいたずらをされたこともありました。 それが抵抗感に繋がりましたが、「ミスマガジン2022」でミスヤングマガジン賞を頂き光栄に思う反面、グランプリは取れなかったと悔しさもこみ上げていました。」
――それでも、『ミスマガ2022』以来グラビアでの活動を続けています。
「撮影の現場や雰囲気は好きなんです。それに、世の中で私が伝えたいこと、やりたいことは沢山あるので、まず存在を知っていただくためにはグラビアが一番なのかなと。でも仕事柄、ネット上で変なリプライを送ってくる人はいるので厄介だなって思う時もあります。 『言うなら直接言えや!』と。リアルならその場で言い返してしまう性格なんですが(笑)、顔が見えないからこそ皆ネットで言いたい放題になっているのかな」
――リアルとネットの違いですね。
「多分、リアルのイベントなどで言う度胸がない 人たちなんだなと思います。水着になっているからって、わざわざ下ネタを言ってきたり、『所詮グラドルだろ』と上から目線で余計な説教をしてくる人は嫌いです。
私自身はグラビアを性産業とも思ってもいませんし、かといって崇高な芸術のように受け止めてもらう必要もないと思ってるんです。もちろん、グラビアをやっている人の中でもそれぞれ考え方の違いはあると思うし、それを否定する気持ちは一切ないです。
ただ私は『女の子の身体の素朴な魅力』を捉えたものとして楽しんでもらいたいし、こちら側としても、撮られることで『やっぱり私は可愛いんだ』と承認欲求も満たされるんですよね(笑)。クソリプを送られたりしても無視して、自信を保っています。
あとは、こうして言いたいことを言わせてくれる事務所やマネージャーさんにも感謝していますね。私の性格をきちんと理解してくれているなと思います」
▽麻倉瑞季(あさくら・みずき)2002年4月11日生まれ、長崎県出身。 身長150㎝ B98 W62 H90 2022年『ミスマガジン2022』でミスヤングマガジン賞を受賞。23年には映画『さよならエリュマントス』でミズキ役でメインキャストとして出演。22年12月からはAbema Primeでコメンテーター(不定期)としても出演中。5月30日まで麻倉瑞季写真展制作プロジェクト『undying』のCFを募集中。 趣味は推し活、ゲーム全般 特技は朗読、分析、裁縫。X:@mizuki_asakura_Note :https://note.com/mizuki_asakura_/麻倉瑞季写真展制作プロジェクト『undying』https://ubgoe.com/projects/721
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