【北摂】話題の店が続々!北摂のスパイスカレーがアツい!
2024年3月23日(土)に延伸した北大阪急行電鉄の新駅「箕面船場阪大前駅」と「箕面萱野駅」。新駅が誕生し、今注目を集めている「北摂エリア」をannaではピックアップ! 今回は沿線のスパイスカレーが楽しめるお店をご紹介します。
スパイスカレーといえば大阪市内に多いイメージですが、北摂にもこだわりの詰まったカレー店があります。オープンから1年以内の新店から、大阪で幻の味ともいわれた名店や、約20年にわたってファンに愛され続けている人気店まで、個性が光るスパイスカレーが目白押し。北大阪急行の新駅が開通し、注目度の高まるこのタイミングに、沿線のスパイスカレーを楽しんでみませんか。
( Index )
箕面萱野【Merry さんのカレー。】さらに味わい深く進化。ダシ感覚で毎日でも食べたくなるカレー 箕面萱野【十八代笹川】 築100年の古民家で味わう、香り引き立つカレーとスペシャルティコーヒー 箕面船場阪大前【neu cafe 箕面船場本店】創業から20年。箕面船場の人気カフェでいただく本格スパイスカレー 桃山台【B.B.CURRY】大阪スパイスカレーの黎明期を支えた幻の一皿が復活箕面萱野【Merry さんのカレー。】さらに味わい深く進化。ダシ感覚で毎日でも食べたくなるカレー
やさしい味わいの中に感じるスパイスの旨み
オーダー後に特性のイカ墨を加えて仕上げるイカ墨ブラックカレー1,100 円(税込)。常に行列が絶えない大阪・中津の人気カレー店「梵平(ボンベイ)」。スパイスの味わいを全面に押し出した「濃厚スパイシーキーマカレー」をはじめ、パンチの効いた力強いメニューがカレー好きから熱烈な支持を集めています。その姉妹店として箕面で親しまれていた「青屋根の梵平」が、2023年10月に独立。店主の大髙紳吾さんのニックネームを冠した「Merry さんのカレー。」として生まれ変わりました。
カレーはオーダーごとに小鍋で仕上げて提供。「仕上げのひと手間も大事」と大髙さん。「地域柄、ご年配の方がたくさんいらっしゃいます。これまでのカレーもおいしいのですが、よりやさしい味わいのほうが喜んでもらえるのかなというのが独立のきっかけでした」と大髙さんが話すように、「青屋根の梵平」からメニューも一新。
トッピングのフライドガーリックで食感にメリハリを効かせ、満足感のあるひと皿に。8種類あるカレーの中でも、一番のおすすめが名物「イカ墨ブラックカレー」。玉ねぎに人参、セロリやブロッコリー、パプリカといったたっぷりの野菜に、牛や豚、鶏からじっくり味わいを引き出したスープを加えたやさしい仕上がりに。
「クミンやコリアンダー、シナモンやクローブといった定番スパイスのほか、中華で用いるスパイスもポイントです。やさしい味わいのなかにもスパイスの風味が二重三重に楽しめますよ」。
「梵平」での修行に加え、当時の同僚だったネパール人から現地の製法やレシピを教えてもらい、独自に研究を重ねた一皿です。
もう一つのおすすめは、約20種類のスパイスを使っている「スパイシーカレー」。「スパイスをたくさん使っていますが、毎日でも食べたくなるダシのような味わいを意識しました」と大髙さん。
トッピングにはイカスミや納豆など、カレーに合うと思っていたけれど、「梵平」では使えなかった食材も登場します。「カレーに納豆って思うかもしれませんが、意外と合うんですよ。トッピングで味の変化も楽しんでもらいたいですね」。
また女性客が多いこともあり、地場野菜を盛り込んだサラダがセットで付くのもうれしいポイントです。
アイデア満載。カレーにまつわる新しい楽しみを
夜は「FReeKs」というワインバーに。グラスワイン800円(税込)~、ボトル4,800円(税込)~。平日の21時半以降にはナチュラルワインが楽しめる「FReeKs」に屋号が変わります。店主の谷岡悟さんが、各国からセレクトしたナチュラルワインと、中華用ビーフジャーキーやイチジククリームチーズがスタンバイ。また、土日は昼から営業をスタートし、「Merry さんのカレー。」とナチュラルワインのペアリングが楽しめます。
やさしい味わいのカレーはナチュラルワインの味わいとマッチし、スパイスの風味により広がりを感じることにも驚きます。DJ ブースを新たに設けたことで、スパイスカレー×音楽、そしてお酒が楽しめる空間に。新しいスパイスカレーの楽しみ方が、箕面から広がっていきそうです。
Merry さんのカレー。メリーさんのカレー
住所:大阪府箕面市西小路4-7-36
電話番号:072-737-5218
営業時間:
【Merryさんのカレー。】
11:00~15:00
【FReeKs】
火~金曜日 18:00~
土・日曜日 11:00~
定休日:月曜日
アクセス:北大阪急行「箕面萱野駅」からタクシーで約10分、阪急箕面線「牧落駅」から徒歩約7分
箕面萱野【十八代笹川】 築100年の古民家で味わう、香り引き立つカレーとスペシャルティコーヒー
スパイスは効かせつつも、辛すぎずまろやかな味わいに
素揚げ野菜とポーク&チキンのカレー1,600 円(税込)北摂の山々やのどかな田園風景が広がる箕面市東部の粟生間谷(あおまだに)地区。この地で、築100年以上もの日本家屋を活用してオープンしたのが「十八代笹川」です。
その名の通り、オーナーはこの地で400年続く笹川家の18代当主・笹川寛さん。代々受け継がれ、かつては自身も暮らした邸宅をカフェレストランにリノベーション。懐かしさと新しさが交錯する空間では、スパイスカレーとスペシャルティコーヒーが楽しめます。
スパイスの風味を感じながらも辛すぎず、まろやかで食べやすい味わいが特徴です。フレンチ出身のシェフとともに考案したオリジナルのカレーは、11種のスパイスの香りや風味を存分に感じられる本格派。シードから炒めたクミンの香りが際立つスパイスは、独自のバランスで配合しています。玉ねぎやにんじん、セロリといった野菜をしっかりと煮詰めた香味ベースや、酸味あるたっぷりのトマトとも融合した、マイルドな口あたりが世代を問わず好評です。
店主の笹川さん。前職だった市役所職員での経験もメニューづくりに活かされています。「子育て世代や年配の方も含め、幅広い層の方に楽しんでほしくて。スパイスを効かせつつも、決して尖りすぎず、辛すぎることのないまろやかな味を目指しました」と笹川さん。前職では市役所職員として子育て支援などを担当していました。いろいろな状況の人たちに寄り添ってきた経験もあって、気軽に利用してほしいという思いが込められています。
カレーメニューは全4種で、一番人気は「素揚げ野菜とポーク&チキンのカレー」。舞茸や万願寺とうがらし、茄子など野菜の食感が活きたシンプルな素揚げに、ほろほろの煮豚とスパイシーなタンドリーチキンをトッピングし、食べ応えたっぷり。カフェ横の田んぼで笹川さん自らが育てたお米を使用。あっさりとした味わいのヒノヒカリ米と、付け合わせの爽やかな紫キャベツのラペがルーの旨味を引き立てます。
趣ある門の先には、大きな松の木が見守る庭園が広がります。市役所を退職し、飲食店を開業するための物件を探していた笹川さん。当初は、自分が暮らした実家をカフェとして活用できるとは考えていなかったそうですが、周囲のアドバイスを受けて建物の価値を再認識。
「天井の梁や竹小舞土壁といった昔ながらの日本家屋の良さを楽しんでいたければ」と笹川さん。「僕にとっては見慣れた当たり前の風景。ところどころ柱の傷なんかも残っていたりして、少し恥ずかしいような気持ちもありますが、皆さんの居場所として使っていただきながら建物が保存できるのは本望です」と話します。二間付きの広々とした和室はそのままの形で保存。今後はワークショップやイベントなどの交流の場として活用していく予定です。
厳選したロースターの焙煎豆で、1 杯ずつ淹れるハンドドリップコーヒー
フェアトレードやサステナビリティなども大切にするロースターの思いも含めて、笹川さんが厳選しています。こだわりの焙煎豆は、コーヒー好きの笹川さんが信頼するバリスタとともに時間をかけて選んだ「GLITCH COFFEE&ROASTERS」「FUGLEN COFFEE ROASTERS TOKYO」「SINGLEO JAPAN」という3つのロースターからその都度仕入れます。
カフェラテは、イタリア「ラ・マルゾッコ」のエスプレッソマシンで抽出。豆は常時8種類ほどで、毎週少しずつ入れ替わるため、訪れたタイミングでの出合いも楽しみの一つ。ハンドドリップで丁寧に入れるシングルオリジンコーヒーやカフェラテを、名物の濃厚なシフォンケーキや、ノンワックスレモンを添えたチーズケーキといった自家製スイーツとともに味わえます。
春には、庭から駐車場へと華やかに枝を伸ばす満開の桜や、田んぼ一面を彩るレンゲの花も見どころ。都会の喧騒から離れ、ゆっくりとした時の流れを感じながら、スパイスカレーとコーヒーを楽しんでみませんか。
十八代笹川じゅうはちだい ささがわ
住所:大阪府箕面市粟生間谷東1-27-1
TEL:090-6878-0781
営業時間:11:00~18:00(L.O )
定休日:水曜日
アクセス:北大阪急行電鉄「箕面萱野駅」からタクシーで約10分、大阪モノレール「西都西駅」から徒歩約25分
箕面船場阪大前【neu cafe 箕面船場本店】創業から20年。箕面船場の人気カフェでいただく本格スパイスカレー
辛さと甘みのバランスが秀逸。創業当時から人気の一皿
カシミールカレー サラダ付き1,310円、単品1,180円(ともに税込)カフェやインテリアショップが立ち並ぶオシャレなエリア箕面船場。数あるカフェのなかでも「neu café」は約20年にわたって、箕面船場のカフェシーンを牽引してきた草分け的存在です。
パスタやピザ、ケーキといった多彩なメニュー展開で人気ですが、なかでもカレー好きも唸ると評判なのが、オープン当初から提供している「カシミールカレー」。10種類ものスパイスを独自にブレンドしたカレーは根強いファンに支持されています。
ルーを口に運ぶと、しっかりとした辛さとともに、玉ねぎなどの野菜の甘みと具材であるチキンのコクがまろやかに広がります。クミンやクローブ、フェンネル、コリアンダーといったスパイスが幾重にも織りなす爽やかな香りも見逃せません。
ヘルシーな雑穀米とともに最後まで飽きずに楽しめます。「お客様からは、辛さと甘みのバランスがいいねと言っていただけます」と話すのは店長の菅さん。カレー好きのオーナーが、カフェのメンバーと一緒に全国のカレー店を食べ歩いて編み出したオリジナルレシピ。「とろとろに煮込んだ玉ねぎや生クリームと、隠し味にほんの少し加えたカラメルソースが特徴です」。
食事はカレーのほか、北摂の老舗ミートショップ「たか橋」の国産もち豚と豆腐を使ったハンバーグランチもおすすめです。可愛いドーム型のレアチーズケーキを看板とするお手製スイーツや、アヒージョをおつまみに嗜むナチュラルワインもスタンバイ。ランチ、カフェ、バータイムと多彩なシーンに合わせた幅広いメニューが嬉しい限りです。
食後は居心地のよい空間で自家焙煎コーヒーを
緑を眺めながらまったりカフェタイムを。そんな本格スパイスカレーと一緒に楽しみたいのが、香り高いコーヒー。スタッフがこまめに自家焙煎するこだわりの逸品です。中深煎りですっきりとした口あたりの水出しアイスコーヒは、食べ進むほどにじんわりと増すカレーの辛さを、程よい清涼感で中和してくれます。
浅煎りと深煎りから選べるブレンドコーヒーもスパイスカレーと好相性。シーズンごとに豆の種類が替わるシングルオリジンコーヒーもあるので、訪れるタイミングでの一期一会を楽しめます。
北欧テイストのカフェで、専門店顔負けのスパイスカレーが味わえるという意外性も魅力。つい長居してしまう心地よい空間づくりもポイントです。「家具の角度や高さに変化を持たせて、お客さん同士の目線がクロスしないように配慮しています」と菅さんが話すように、会話が弾みそうな丸テーブルから、くつろげるローテーブル&ソファー、おひとりさまに最適なテラスを望むカウンターなど、席も多種多様。
今までは車が主な交通手段でしたが、北大阪急行電鉄「箕面船場阪大前駅」の開通により、徒歩約5分とアクセス抜群な好立地となりました。周辺にはインテリアショップも点在しているので、おいしいカレーを食べた後はショッピングも楽しめそうです。
neu café 箕面船場本店ノイカフェ みのおせんばほんてん
住所:大阪府箕面市船場西3-6-40
TEL:072-796-3751
営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:年末年始
アクセス:北大阪急行「箕面船場阪大前駅」から徒歩約5分
桃山台【B.B.CURRY】大阪スパイスカレーの黎明期を支えた幻の一皿が復活
マイルドな口当たりから、じわりと広がる辛さがクセになる
スパイス飯店のタイカレーライス 990 円(税込)。ライス大盛りは+100 円。かつて、大阪・中津でスパイスカレーの先駆けと人気だった「スパイス飯店」が、2023年9月に「B.B.CURRY」として吹田市・桃山台で復活を遂げました。マイルドな口当たりながらも辛さの効いたカレーが好評の「スパイス飯店」でしたが、店主の病気が発覚し2010年に閉店。 多くのファンが別れを惜しみましたが「あの味をもう一度食べてもらいたい」と、かつての常連客だった馬場丈雅さんが、店主の母親から譲り受けたレシピを元に人気店のカレーを蘇らせました。
たけのこやナス、チキンなど大ぶりの具材がアクセント。「スパイス飯店のタイカレーライス」は、ココナッツと鶏ガラスープをベースに9種のスパイスを加えるなど、かつての味を見事に再現しています。「ルーと油を非乳化させることで、マイルドな口当たりの奥からじわりと辛さがやってきます。
馬場さんとともに店を切り盛りする、パートナーの藤井さん。より甘さと辛さの輪郭をはっきり感じられるように仕上げています」と話すのは、カレーの仕込みを担当するパートナーの藤井さん。じわりとやってくる辛さの奥に感じる深みを確かめたくて「辛いけどすぐ二口目が食べたくなる」まさにクセになる味わいです。
ウイング麺がしっかりルーと絡むタイカレーつけ麺 1,150 円(税込)。さらに新メニューとしてつけ麺が登場。「ルーをもってキャンプに行ったとき、麺につけて食べてみたらすごくおいしくって。つけ麺もできるのではと思ったのがきっかけでした」と馬場さん。
舌触りともっちり食感がおいしいウイング麺。こちらのつけ麺は、京都の製麺所「麺屋棣鄂」のウイング麺という、独特なねじれのある麺を使用。「このねじれがルーとよく絡み、より美味しさを引き立ててくれます。さらに、ルーも少し炊き上げて濃厚に仕上げています」。シメには、ひと口ライスもスタンバイ。最後の一杯まで余すことなくカレーを楽しめます。
店内はカウンター席のみ。コーヒーやプリンをはじめ、雑貨なども販売しています。食後のコーヒーは東三国の「珈琲焙煎研究所」の豆を使ったカレーに合う一杯を、スイーツには能勢の「能勢おうはん」という貴重な卵を使った自家製プリンなど、馬場さんが目利きした選りすぐりの逸品にも注目です。
新しい地域交流の拠点に
トレードマークのハットが似合う馬場さん。馬場さんは、ヴィンテージファッションの運営や、百貨店の催事を企画する会社を経営。仕事で携わった催事での出来事が、お店を立ち上げるきっかけにつながったと話します。
「2018年、ある百貨店の催事で『スパイス飯店』のカレーを復活させる企画が挙がりました。レシピも譲り受けたし『これを機会に何かできないか』と、『スパイス飯店』の店主のお母さんやご家族に相談のうえ、かつての常連仲間とともに『スパイス飯店 復活プロジェクト』を立ち上げました」。
馬場さんは、譲り受けたレシピと当時の記憶を辿りつつ、スパイスの専門家からのアドバイスも受けながら、半年かけてかつての味を再現させることに成功。
「来てくれたお客さんから泣きながら『実現してくれてありがとう』と言われて。催事限定のつもりでしたが、こんなに喜んでくれる人がいるなら、お店を立ち上げようかなと思いました」と当時を振り返ります。
「マルシェなどのイベントもどんどんしていきたい」と話す馬場さん。「B.B.CURRY」が店を構えるのは吹田市桃山台にある竹見台マーケット。1970年代に建てられた建物で、昭和レトロな雰囲気が漂います。
「私の地元が吹田市で、地域貢献できる事業ができないかなと考えていました。そんなときにここを見つけて、お店やイベントができたら人が集まりそうだなと、アイデアが一気に広がりました」。
B.B.CURRYビービーカレー
住所:大阪府吹田市竹見台3-6-6 竹見台マーケット1階
電話番号:06-6710-9775
営業時間:月~金曜日 11:00~14:30/17:00~19:00(L.O.18:45)
土曜日 11:00~14:30/17:00~20:00(L.O.19:45)
定休日:日曜日・祝日
アクセス:北大阪急行「桃山台駅」から徒歩約5分
マイルドな味わいから、辛さがクセになる一皿まで、さまざまな味わいが楽しめる北大阪急行沿線のスパイスカレー。ほかにも、インテリアショップやカフェ、緑が広がる公園もあって、ショッピングや散歩も楽しめるエリアでもあります。おいしいカレーと合わせてチェックしてみてくださいね。
取材・文/土橋たけし、松本ゆう子
撮影/白井孝明
画像:neu cafe箕面船場本店、B.B.CURRY
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