モモコグミカンパニー 撮影/西邑泰和

BiSH解散後 第二の人生…モモコグミカンパニー「まず私は作家でありたい、脚本の勉強もしたい」

2024.03.08 06:03
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人気絶頂の中、惜しまれつつ2023年6月29日に解散したガールズグループ「BiSH」。メンバーの一人であるモモコグミカンパニーが、解散宣告された日から、東京ドームを超満員にしたラストライブまでの3年半の日々を赤裸々に綴った『解散ノート』(文藝春秋)が話題を呼んでいる。これまで小説2作、エッセイ2作を刊行し、文筆家としても評価の高い彼女が、なぜ解散ノートを書こうと思ったのか。その胸の内と、解散後の今を語る(前後編の後編)。

WACK代表の渡辺淳之介から「解散宣告」を受けるまで、BiSHの解散を考えることはなかった。

「音楽を愛して、全力でライブをしてというのがBiSHだったので、たとえ解散がちらついたとしても、そのことを考えている暇があるんだったら、目の前のことに向き合う。それがグループの魅力に繋がっていたと思うんですけど、とにかく全てがBiSHという状態。それは私に限らず、他のメンバーもBiSHのことで頭がいっぱいだったと思います」

いきなりの解散宣告から、2023年6月29日に東京ドームで解散ライブを行うまでの3年半は、かけがえのない時間だった。

「解散を世間に発表するまで2年あったので、十分解散に向き合う時間もあったし、解散発表してからも1年半あったので、ちょうど良い期間でした。一方的に渡辺さんが解散を決めることだってできたのに、『解散するのはどう思う?』って私たちに委ねてくれたし、BiSHだけじゃなくて、自分の人生も考える時間を3年半もらえたのは幸せなことです」

解散後のことを考える中で、小説を書く衝動が抑えられなくなった。

「私にとって、小説の世界は憧れもあったけど、解散と同じぐらい怖い世界でした。大海原に飛び出すような気持ちで、1作目となる『御伽の国のみくる』の執筆を始めたんですが、小説を書いているときが今までで一番自由になれたんです。まさに小説は海のようで、どこの世界にも行けて、何でも書けるというのが、自分にとって居心地が良かったんです。BiSHの活動で忙しい中、ヒーヒー言いながら命がけで書いていたんですが、この先も小説の世界で頑張りたいと思えるきっかけになりました」

現在は執筆活動を主軸にしながらも、メディア出演や音楽活動など、仕事は多岐に渡る。

「今回の『解散ノート』もそうですが、本を出すんだったら、こんな人間が書いていると自分自身で伝えることができるから、表に出たほうがいいんじゃないかなと。そういう思いもあって、今の事務所に所属させていただいたんですが、そうすると執筆以外にも、いろいろやりたいことが思い付くんです」

BiSH解散後、シンガーソングライター・マナミとの音楽プロジェクト(momo)を始動、今年1月には東名阪ツアーも行い、好評を博した。

「歌詞を書くのがBiSHに入る前からの夢でしたし、BiSHの楽曲も17曲作詞したんですが、曲ありきで歌詞をつけるのが大前提だったので、詞先でやりたかったんですよね。それで歌詞が思いついたときに、これで曲を作ってくださいとBiSH時代から仲良くしていただいていたマナミさんに作曲をお願いしました。その時点で、世の中に発表するとか、ライブで披露するとかは一切考えていませんでした。でもBiSH解散後、新しいことを始めようと思ったことが、(momo)に繋がっていきました」

曲先と詞先では、おのずと作詞のスタンスも変わった。

「曲先の場合、いただいたデモに合わせて歌詞を書くから、ノートに書いた言葉をそのまま使うのは違うなと。あくまで曲から生まれた言葉が大切なんです。詞先は自分のわがままな歌詞を、そのまま曲にしてもらえるので、出来上がるのも楽しみだし、マナミさんはBiSH時代から私を見守ってくださっているので、安心して作曲をお願いできます」

東名阪ツアーでは、歌と朗読を交互に披露した。

「最初は詞先で曲を書いてもらいたいだけだったので、自分で歌わなくてもいいぐらいの気持ちでした。でもマナミさんが『モモちゃんは声が良いから、自分で歌ってみなよ』と言ってくださったんです。朗読・曲・朗読・曲という新しいスタイルにして。やっぱり言葉が好きだし、自分の言葉でライブを構成するのが夢だったのでうれしかったです」

解散後、BiSHのメンバーとは、ほとんど会うことがないという。

「解散後にメンバーと会ったのは、ハシヤスメ・アツコのラジオに呼んでもらったのと、MISATO ANDO(元リンリン)に『解散ノート』を手渡したぐらい。『解散ノート』の発売記念イベントに、対談相手としてアイナ・ジ・エンドに来てもらいましたけど、アイナに会ったのも解散以来でしたからね。だけど今、昔を懐かしんでばかりいてもしょうがないみたいな気持ちもあるんですよね。胸を張って言える活動ができているのかも分からないので、まだ会わなくてもいいのかなって思います。一人で静かに過ごすのも好きなので、めちゃめちゃ寂しいとかはないんですけど、ふと同じ目標に向かって頑張ったメンバーがいたのは心強いことだったんだなって思うときもあります」

顔を合わせなくても、メンバーそれぞれの活動は刺激になっている。

「それぞれ自分の強みを生かして、伸び伸びと活動しているなと感じます。みんなの仕事ぶりを意識してチェックすることはないですけど、やっぱり興味があるので自然と目にしますね。それに、みんなが頑張っている姿を見ると、自分の活動の原動力になるんです」

一人で活動するにあたって、やりたいことリストを作成した。約70項目のリストには、仕事のこともあれば、日常生活のことまで様々あった。

「本当に些細なことが多くて、たとえば目覚ましをかけないで寝るとか、食べたい物を食べるとか(笑)。BiSHのときは大きいライブに合わせて体調管理をしていて、食事はエネルギーになるものしか摂らなかったんです。何を食べたいとかじゃなくて、ライブのために何を食べるかというアスリートみたいな生活をしていたんですよね。だから大好物の生ガキも、食あたりになったら困るので、ずっと封印していました。

あとは人間らしい服装をするというのもありました。BiSH時代は、ほぼジャージで過ごしていたので、部活をやっている学生のような状態。スカートすら穿かなかったんですよね。おしゃれに時間を割くぐらいだったら、BiSHに意味のある仕事に繋がることをやりたかったので、ファッションに限らず、プライベートは本当におざなりでした。だからBiSH解散後、反動でものすごくガーリーな服を着ていた時期もありました」

BiSHの頃は、ピンク、赤、金髪、紫、茶髪、水色など、そのときの気分に合わせて何度も髪の色を変えてきた。おしゃれで染めていたのではなく、毎回、髪の色に勝負をかけていた。その理由を「この仕事は見られることが前提だ。一瞬で誰かの目に留まったほうがいいと私は思っている。BiSHの中で一番小さかったり、髪の毛が明るかったり、そんな外見的な特徴は、私にとってはみんなと自分を差別化できる安心材料だった」と、『解散ノート』に綴っている。

「今は髪の色も落ち着きました。大勢の中で目立つ必要がなくなりましたからね。髪の色を変えていたのは、人と一緒のことが嫌いだったから。みんなが黒髪にするなら、私は金髪にしてやろう、みたいな。そういうことで自我を保っているところがあったんですけど、今は髪も傷むからやめとこうと(笑)」

小説のアイデアは尽きることなく、浮かぶ状態だという。

「まず私は作家でありたいと思っています。今は書きたいことがたくさんあって、ある小説を書いている最中に、種を蒔くように、他のあらすじを書くこともあるんです。オフは音楽を聴きながらお散歩をすることが多いんですが、常にiPadを持ち歩いて、落ち着いて広げられるカフェなどを探し歩いています。

何かを執筆している最中は、暇な時間があっても、羽を広げて遊ぶことができないたちなんですよね。書いている時間も楽しいので、あまりオフとオンの境目がないんです。今後も小説は書き続けますし、作詞も継続してやっていきたい。書き物の新境地として、脚本の勉強もしたいなと思っています」

▽モモコグミカンパニーとマナミによる音楽プロジェクト(momo)ツアーインフォメーション(momo)Release Tour どこにもない日 brand new door

会場▶ PENNY LANE24(札幌)日付▶ 2024/4/18(thu)時間▶Open 18:00 Start 19:00

会場▶ DRUM LOGOS(福岡)日付▶ 2024/4/25(thu)時間▶Open 18:00 Start 19:00

会場▶ LIQUIDROOM(東京)日付▶ 2024/5/9(thu)時間▶Open 18:00 Start 19:00

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