【漫画】先生、いじめって何ですか…「いじめられる側にも問題がある」に一石を投じる衝撃作に「あまりに強烈で圧倒された」の声

2023.12.28 09:00

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回紹介するのは、佐藤夏さんの「世界で一番君が嫌い」。

この作品は「人を嫌うのって悪いことですか？」として、2023年12月1日にX(旧Twitter)にて投稿されると、瞬く間に5000件以上のいいねを集めて話題になった。このポストには「強烈で衝撃的」「”いじめられる側にも問題がある”にスポットを当てた考えさせられる作品」といったコメントが殺到。この記事では作者の佐藤夏さんに、作品のこだわりなどについてインタビューを行った。

無視も立派ないじめ。でもそれって…

無視、それは手軽にできる意思表示。

「私、あなたのことが嫌い。」

直は、クラスメイトである瞳子のことをいじめたとして先生から怒られていた。直が瞳子を無視し始めたことでクラスに同調圧力が生まれ、他の子たちも続いて無視をするようになったのだという。直が無視するのをやめれば瞳子はクラスで孤立しなくて済むようになると先生は言った。

しかし本当にそうなのだろうか。たしかに一番あからさまな態度をしているのは直だが、クラス全体で無視を始めたのはみんな瞳子に不満があったからで、私は単なるきっかけに過ぎないと言い張る直。

直にとっての正義、先生にとっての正義、それぞれの正義がぶつかり合う中で新事実か明らかになり…。

「いじめって何ですか？」「いじめられる側にも問題があるんですか？」”謝ったから終わり”のその先にある女子特有のドロドロした人間関係のリアルを描いた物語に「何が正しいのかわからなくなった」の声続出。

作者・佐藤夏さん「綺麗事では済まないモヤモヤ感を自分なりに描いてみました」

ーー『世界で一番君が嫌い』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

小学生時代の交換日記を読み返すことがあり、そういえばあの子が好きだとか嫌いだとかそういう話をたくさんしていたな、と。大人になると明け透けに自分の気持ちを人に話すことは少なくなると思いますので、こんな時もあったな…と思ったことがきっかけです。

ーー今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

いじめを題材にしたドラマや漫画は、加害が明らかな暴力やいやがらせなどを用いて表現されることが多いと思います。しかし現実の学校生活ではそこまでひどいいじめに遭遇するよりも、クラス内、あるいはもっと小さなグループ内での無視や悪口という方が身近にあるのではないかと思います。その場合、加害者も被害者もそれぞれの立場や考え方で変わってきたりします。綺麗事では済まないモヤモヤ感を自分なりに描いてみました。

ーー今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

主人公、直の母親の「許せたらいいよね。自分を楽にするために」というセリフです。怒りや恨みというのはなかなか払拭できる感情ではありませんが、抱いていると自分が消耗される感情でもあると思いますので…。

ーー女子特有のドロドロな人間関係が忠実に再現されているのが印象的でした。普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

小説や映画、自身の経験などから何とか捻り出しています。笑

あとはそのキャラクターが「何を考えているか」というところから展開を作ったりしています。

ーー佐藤夏さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

商業連載を目指しています。もっとたくさんの方に読んでいただける作品を作れるように頑張ります！

ーー最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

ご感想やご意見、とても励みになります。これからたくさん描いていきたいと思いますので、ご覧いただけますと幸いです。