“哀しいキス”でチ・チャンウクが魅せる…“狂気”感じる演技も圧巻＜最悪の悪＞

2023.10.20 07:10

チ・チャンウク主演のアクションノワール「最悪の悪」。10月18日に配信開始した第8、9話は、犯罪組織に潜入した刑事パク・ジュンモ(チャンウク)とその妻ウィジョン(イム・セミ)、そして組織の頭チョン・ギチョル(ウィ・ハジュン)がそれぞれ、後戻りできない深みにはまっていく展開となった。3人の実力派俳優が、目をそらせないほどに壮絶かつ魅力的な演技を見せている。(以下、ネタバレがあります)

ジュンモとヘリョン、ギチョルとウィジョンが急接近

「最悪の悪」は1990年代の韓国を舞台に、田舎の刑事・ジュンモが麻薬カルテルを捜査するため元組員のいとこ“クォン・スンホ”と身分を偽り、犯罪組織“江南連合”に潜入するストーリー。

組織の一員となったジュンモは、命懸けでギチョルの危機を救い、信頼を得る。ジュンモの妻で保安官のウィジョンも、夫を助けるため、独身と偽って高校時代の友人であるギチョルに接近する。一方、組織と取引する中国麻薬工場の重役ヘリョン(キム・ヒョンソ)は、ギチョルに忠誠を誓うジュンモを気に入り、急接近していく。

うそにうそを重ねて…2組の切ないキスシーン

スンホ(ジュンモ)の身辺調査をしていた探偵が謎の死を遂げたことで、ギチョルはまた“スンホ”を疑い始める。第8、9話では、ギチョルを信じ込ませるために必死でうそにうそを重ね続けるジュンモとウィジョンの姿が描かれた。

信頼を取り戻すため、麻薬取引を成立させようと躍起になるジュンモ。そのために、中国側の取引相手ヘリョンの感情も利用する。「気になるの。スンホさんのこと」と言い寄るヘリョンに応じ、激しく唇を重ねた。

一方、ウィジョンは再びギチョルと会っていた。疑いと信頼の間で揺れ続けるギチョルの心をつかむため、とうとう「あなたが夢をかなえるまでそばにいる。何でもする。あなたを愛しているから」と、愛の言葉を口にしてしまうウィジョン。高校時代から彼女に思いを寄せ続けてきたギチョルは、たまらずウィジョンにキスをした。

本能むき出しのジュンモ、純粋過ぎるギチョル

任務とはいえ、どんどん“潜入捜査”の域を超えて、愛する人を裏切る行為に踏み込んでいくジュンモとウィジョン。うそをつく直前、ふと2人の目に浮かぶ迷いの色が、事態の緊迫感を極限まで高めていく。回想シーンで描かれる若き日のジュンモとウィジョンの無邪気な笑顔との落差もまた、2人の絶望を際立たせる。

一方で、ケンカの腕と頭脳を頼りに犯罪組織を築き上げてきた根っからの“悪”であるはずのギチョルが、ウィジョンの愛の言葉を無防備なほどに信じ込む姿も切ない。ウィジョンを信じたい思いが、持ち前の勘を鈍らせていく。大ヒット作「イカゲーム」で注目を集めたハジュンらしく、悪ぶった表情の奥にのぞく純情が胸に残る。

うそが塗り重ねられていく中、第9話ではジュンモ本来の感情がむき出しになる場面も。敵対する組織の襲撃を受け、ジュンモが血だらけで狂ったように暴れまわる場面だ。ただただ、その場に取り残されたウィジョンを守るために…。“アジアの貴公子”と呼ばれたチャンウクが見せる、本能むき出しの生々しい狂気に圧倒される。

哀しい三角関係の行方

実力派キャストたちによって佳境を迎えている「最悪の悪」。麻薬取引の捜査を背景にジュンモ、ギチョル、ウィジョンが踏み込んでいく哀しい三角関係の行方に注目が集まっているが、9話ラストでは、ギチョルが本来のずる賢さを見せ、ジュンモを出し抜く場面も。10月25日(水)には最終話までの3話がディズニープラスで一気に配信となる。

視聴者からも「8話、9話、息もできない展開すぎた」「これはもう後戻りできない…苦しい」「ギチョルの純粋さが切ない…」「チャンウクの演技と思えない演技に鳥肌が立った」「3人の関係を見届けたくて、苦しいけどハマってしまった」といった声が上がり、ディズニープラスでは「最悪の悪」が人気ランキング上位にランクインし続けている。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部