話題のドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』で“工学研究会と天文学部をまたにかける二刀流男子”を演じる萩原護「現場で初めて出た反応を大切に演じています」
独創的な設定にサスペンスフルな演出、心に刺さるストレートな言葉で“新時代の学園ドラマ”として話題をまいている土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(毎週土曜よる10時00分)。同ドラマの第3話にて、物語を動かす役割を担った“工学研究会と天文学部をまたにかける二刀流男子”日暮有河(ひぐらし・あるが)役を演じるのが注目の20歳若手俳優・萩原護(はぎはら・まもる)だ。個性あふれる生徒たちの中で、言葉数は多くないものの独特の存在感を示す難役を演じる日暮に、ドラマの撮影現場、役作りについて、ドラマの見どころ、そして自身のパーソナリティについて話を聞いた。
■『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』/日暮有河役
萩原護インタビュー
――芦田愛菜さん、加藤清史郎さんら経験豊富な俳優がいる一方、アイドルやさまざまな分野からの参戦組など個性あふれる生徒役も話題です。そんな撮影現場の雰囲気はいかがですか?
【萩原護】「今おっしゃった通り、ベテランの方々がいる一方、俳優業を始めて日にちがまだ経っていない方もいるなかで、みんなが同じ気持ちで撮影を続けないといけない為、いろんなところで助け合いが必要になってきますし、生徒役のキャスト主体で考えて演じていこうという気持ちが、一人一人必要な現場だと思います」
――チームワークが必要ということで、生徒役同士で話し合ったりもしいているんですか?
【萩原護】「僕が演じる日暮は、福崎那由他くんが演じる眉村紘一と大体一緒に行動しているので、その上で他のキャストとどう絡んでいくかを那由他くんとよく話し合っています」
――第一話で、芦田愛菜さんの長台詞をクラス全員と先生が聞いているシーンはすごい緊張感でした。
【萩原護】「放送を見て僕が一番驚いたのが、撮影の時の緊張感が本当にそのまま映像に出ていたことなんです。視聴者の方が映像から感じた緊張感を、そのまま僕たちも現場で感じていました。みんながセリフを集中して聞いている張り詰めた感じが、そのまま撮られていたんです」
――番組の公式サイトの萩原さんのコメントに「生っぽい」という言葉があったんですが、そんなお芝居の生っぽさも注目ですね。
【萩原護】「目の前で起きているライブ感をそのまま視聴者に届けているという、そういうドラマだと思います。貴重な体験をさせていただいているという実感はあります。本番に向けての熱量をどう高めていくかについて、すごく時間を費やしていて、みんなそこにかけてやっているという感じがします」
――今回演じる日暮有河は工学研究会と天文学部をまたにかける二刀流男子で、将来は宇宙科学に関わる仕事に進みたいという役柄です。キャラクターを捉えていく上で、どんなことを考えられましたか。
【萩原護】「具体的なキャラ設定はありますが、どう教室の中に立っているか、どういう立ち位置なのかということを一番に考えました。それが役作りに具体的に繋がるし、すごくパーソナルな部分を立てていくのに重要な要素だと思ったんです」
――第3話では、スクールカーストの頂点にいてクラスを支配している相楽琉偉(加藤清史郎)に対し、担任・九条里奈(松岡茉優)の言葉を受けて反旗を翻していきます。第3話の脚本を見ると、日暮のセリフに「……」がすごく多いのが印象的でした。それを演じるのは難しくなかったですか?
【萩原護】「台本を読んだ時点である程度予測を立てて現場にいくんですが、このドラマのプロデューサーさんは、現場に立ってみて初めて感じることがあるから、それを大切にしてくれということをよくおっしゃるんです。現場で、松岡さん演じる九条里奈の言葉を受けてそのときに初めて出た反応を、ちゃんとその場で見せていくこと。それを一つ一つちゃんとやっていくことが大切なんだろうなと思いました」
――同じ「……」でも、全てリアクションの演技は違っていました。
【萩原護】「それは難しくもあり、面白くもありました。日暮は多分、日暮主体で物事を考えるというより、眉村と共同して考えている人物だと思うんです。九条先生と対峙しているときは九条先生に向かっているんですが、同時に眉村が何を考えてるかということも考えている気がして。二つの方向から同時に受け取らないといけないっていうところが大変でした」
――ここまで受けの演技が大変な現場は経験がない?
【萩原護】「役者としてはチャレンジだと思います。まだ始まったばかりなんですが、この経験で得られたものも多いので、多分いろんなところにいってこの経験が生きてくる瞬間があるんだろうなって期待しています」
――ちなみにご自身の学生時代を振り返ると、クラスの中での佇まいはどんな感じだったんですか?
【萩原護】「すごく大きく分けたら、多分日暮に近いタイプでした。でもあそこまで暗くはなかったかなと思いますけど、僕の場合、クラスメイトに恵まれていて、みんなが優しかったんです。だから日暮のような感じでいても、受け入れてくれる空気感があったように、今は思います」
――今はクラスメイトともSNSで繋がっていたり、他者との関係性や自分の居方が重要になってきています。
【萩原護】「相手にどう見られるか、実際に対面しているとき以外にも気を遣わないといけない時間が増えていますよね。それはすごく気疲れすると思う。でもなんだかんだ上手くやっている人はうまくやっていて…すごく器用だなって思いながら見てます」
――そんななかで、芸能活動もしていた萩原さんはクラスに受け入れられていた。
【萩原護】「恵まれていたと思ってます。でも、近寄り難い雰囲気が勝手に出ちゃうタイプで…僕の良くないところなんですけど。ちょっと触れないほうがいいのかな、とか、考えてくれちゃってたんだろうなとは思います。申し訳ないです、反省します」
――撮影した時にもその雰囲気がいい風に出ていましたよ。俳優としては武器になるのかもしれません。でも一方で、プロフィールを見ると、趣味が「寄り道」って親しみやすいことが書いてあったりして。
【萩原護】「帰り道に、あえてそのまますぐ帰るんじゃなくて、いろんな道を歩いて帰りたい、ただそれだけなんですけど。そういうところで小さな発見をするのが一番の幸せですね。なんかこの建物変だなっていうのを見つけたり、日々の生活に即した景色…普通にタオルがかかって風に揺れてたりというのに魅力を感じるタイプです。特別な体験っていうより、そういうところに面白さを発見するタイプかもしれません」
――お話をドラマに戻しますと、ストーリーは「1年後に担任を殺したのは誰なのか?」といったミステリー的な要素が軸になるのかも知れませんが、今の学校や学生が抱えている問題に真っ向から斬り込んだセリフが多いなと感じました。この作品性についてはどう思いますか?
【萩原護】「台本には本当にストレートな言葉が書かれているので、それを発して、視聴者の皆さんに受け取ってもらえるかが、このドラマの一番の目標だと思うんです。伝えたいことは言葉として書かれているので、そこにプラスして僕ができることは何なのか、ということを常に考えています。演じながらトライ・アンド・エラーなのですが、自分が日暮を演じることで、誰がどう感じてくれるのか、それを楽しみにモチベーションにして現場に入っています」
――「これは自分のことを言っている」と感じる人もすごく多いでしょうね。なかには日暮くんに共感する人もいると思います。
【萩原護】「そういう反応がすごく楽しみです。ドラマチックな部分もありつつ、リアルをすごく掘り下げているんじゃないかなと思っています」
――「デビュー」というオーディション情報サイトなので、デビューのきっかけについてお聞きしたいのですが。
【萩原護】「事務所に所属したのは小学5年生くらいの時です。その頃はダンスに夢中で、全国で一番になりたいというぐらい本気で打ち込んでいました。それでダンスコンテストに出場していたときに、それを見ていた事務所の方に声をかけていただいた感じです。でもその後所属しているだけのような状態がちょっとあって。中学に上がるタイミングでいままでやったことのないことをしてみようと、一人で映画館に行くようになったらハマってしまって。そこから自然と気持ちが俳優業に向かって行って、ダンスを辞めて、俳優のオーディションを受けてみよう、という形で今に至ります」
――その中で、俳優を仕事にしていこうと思ったターニングポイントはあるんですか?
【萩原護】「これというものを挙げるのは難しいのですが、2016年に中学生になったその頃に公開されていた映画には、今もすごく影響を受けている気がします」
――こんな俳優を目指したいという目標はありますか?
【萩原護】「一度お仕事をご一緒した人に、また声をかけていただけると、すごくやっててよかったって思えるんです。そういう関わり合いを絶対に大切にして、それが俳優としての成長に繋がっていったら、そんなに素敵なことはないなと考えています。一度お仕事をした監督さんと、また現場で巡り会えたときに、成長を感じてくれていたりするとすごく嬉しいです。もちろん新しい出会いもどんどん経験していきたいですし、そんな俳優として幅をどんどん広げていきたいという思いがあります」
――このドラマのどんなところに注目して観てほしいか、教えていただけますか?
【萩原護】「ドラマの紹介文で『あなたが聞きたかった言葉があるはず』ということが書かれていて。すごく言葉の情報量が多いドラマなんですけど、ぜひともその言葉を聞き逃さないでほしいですね。必ず刺さる言葉があると思うので、受け取ってもらえたらと思っています」
――そして、芸能界デビューを目指すデビューの読者に、ご自身の経験を踏まえて、背中を押してあげられるようなエールをいただけたらと思います。
【萩原護】「現時点で僕が言えることは、行動の理由を他者に求めるのではなく、自分がどう動くかということを常に考えたほうがいいと思います。そうする中で、絶対に相手は変わっていくし、自分が変われば環境が変わるので。それは今回の作品の役柄にも通ずるところがあると思っています」
■土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
(日本テレビ系毎週土曜よる10時00分放送)
いま私の目の前にいる生徒は「1年後、私を“殺す”…30人の容疑者」
卒業式の日に、生徒を見送った教師・九条里奈(松岡茉優)は 4階から突き落とされてしまう。最後に見た光景は、制服の袖……。
「なんで…? 嫌だ! どうして? 誰が? 死にたくない!」そう願った瞬間、彼女は始業式の日の教室に戻っていた。真相を突き止めるために、生徒と本気で向き合っていく
“新時代”の学園ドラマが、今はじまる。
萩原護の演じる日暮有河は、工学研究会と天文学部をまたにかける二刀流男子。将来は宇宙科学に関わる仕事をするのが夢。毒つく発言が多い。
萩原護(はぎわら・まもる)●2003年7月9日生まれ、東京都出身。スターダストプロモーション所属。
CM:大塚製薬「ポカリスエット」(2019年4月~2020年3月)、NHK 大河ドラマ 『青天を衝け』伝蔵役(2021年2月~12月)、映画『マイ・ダディ』 上原駿介役(2021年9月23日公開)、日本テレビ ZIP!朝ドラマ『クレッシェンドで進め』栗田役(2022年10月~12月)日本ガイシ株式会社 企業広告(2022年7月19日~)、大塚食品株式会社「MATCH」(2023年4月10日~)他、多数の映画やドラマ、CMに出演するなど俳優として活動中。
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