生放送の面白さ難しさや、アナウンサーの仕事の幸せについて語った大島由香里アナウンサー

大島由香里アナ「決めておいた言葉では伝わらない、考えた“生の言葉”が番組を面白くする」、仕事と幸せについて明かす

2023.04.27 08:30
生放送の面白さ難しさや、アナウンサーの仕事の幸せについて語った大島由香里アナウンサー

フリーアナウンサーの大島由香里が4月から情報番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜午後5:00~、TOKYO MX)のMCを務める。2019年9月より約3年半担当してきた同局のワイドショー「バラいろダンディ」(毎週月~金曜夜9:00~、TOKYO MX)から担当番組が変わることとなった。「5時に夢中!」の出演が始まったばかりの4月上旬、番組終了後に大島アナへ担当番組変更の思い、フリーアナウンサーとしての働き方、生放送の面白さなどを聞いてみた。

「5時に夢中!」の収録は1時間笑ってたら終わっていた?

――担当番組が変わることを聞いた時の思いを改めてお聞かせください。

「バラいろダンディ」から「5時に夢中!」に移った女性アナウンサーってたぶん前例がないので、ちょっと不安っていうのもありつつ、一番最初に“嬉しいと悲しいが混在した”っていうのが本当に正直な感想です。「バラいろダンディ」と「5時に夢中!」はMXを代表する2つの大きな柱である看板番組なので、その両方に携われるっていう喜びと、あとはやっぱり「5時に夢中!」も歴史が長い番組なので、そこに携われるのは“素直に嬉しかった”っていうのはあります。でもその直後に、3年半担当してきた「バラいろダンディ」への思いっていうのは強かったから、「卒業はすごく寂しかった」っていうのも感じました。

――ご自身の配信するYouTube動画でも泣いてましたよね。

めっちゃ泣いてましたね、自分でもびっくりしました。あの時は、YouTubeで何となく“「バラいろダンディ」から「5時に夢中!」に行きます”っていうことを話そうぐらいにしか考えてなかったんですよ。それで正直に「自分がどういう風に思ったのか」っていうのを時系列でつらつらと喋った時に、いろいろ思い出してたら、なんかめっちゃ悲しくなっちゃって(笑)。悲しいのと寂しいのと、あとありがとうっていう気持ちとかいろんな感情がこみ上げてきちゃって。すごく泣いてしまって、自分でもびっくりしました。

――まだ番組を移って間もないですが、「5時に夢中!」の雰囲気ややりやすさ、楽しさなど、率直な感想はどうでしょうか?

やっぱり緊張するんですよ、すごく。「5時に夢中!」は何回か出させてもらっていたので初めて出る番組ではなく初めて立ち入る場所でもスタジオでもなく。スタッフさんも顔見知りが多いし、なんならカメラマンさんとか音声さんとか同じ方々で。そういう知った雰囲気の中で、何か全く新しいことをさせてもらうっていうのが自分の中ではありがたくて。

本当に初めての場所、初めての人、初めての番組だったら、たぶん緊張して空回りしたり楽しめる余裕が全くなかったと思うんですけど、昨日(初回出演日の4月3日)めちゃくちゃ楽しかったんですよ。「1時間笑ってたら終わってる」みたいな。でも始まる前は緊張してました。

――「バラいろダンディ」の時も緊張はされていたんですか?

めちゃくちゃ緊張しましたし、やっぱり生放送で最後までどう出るかわからないっていう緊張感は常に毎日ありましたね。だって、ふかわさん(ふかわりょう)隣で台本置いてないんですもん(笑)。もうそうなると「私がちゃんとある程度のコーナーは進めなきゃな」っていう、そういう緊張感ってのは常にあって。でもだから「生放送って面白いんだな」っていうのを、本当にそこで知ったんですよね。始まって終わってみるまで、その日の番組がどうなるかわからないっていう「玉手箱」のような楽しさがありました。

「決めておいたこと」では伝わらない、しっかり聞いて、考えた、生の言葉が一番大切

――「5時に夢中!」のコメンテーターの方や共演者の中で、何か印象的なエピソードってありますか?

初日にマツコ・デラックスさんと共演したんですけど、やっぱりすごく緊張して、「大丈夫だよな」って頭では思ってても体が緊張していたんですよ。それで「ちゃんとやらなきゃな」とか、垣花さん(垣花正)とダブルMCという新しい形だし、「私がMCとして仕切るとこ仕切らなきゃいけないかな」とかいろいろ考えてて。

でも本番始まってオープニングのタイトルと提供が流れている時に、マツコさんが「ちゃんとMCやろうなんて思わなくていいよ」って言ってくださって。それで「そうだよね。『5時に夢中!』ってそういう番組だよね」と思って、そこで“無駄な上がり”がなくなったなっていうのはあります。

――大島さんはアナウンサーとして経験豊富ですし、長年生放送をやっていた方が今も緊張感をもっているという話は素晴らしいですね。そこでアナウンサーとして、大島さんが仕事において大事にされていることはありますか?

フジテレビ時代はずっとニュースをやっていました。そこでは決められた原稿を正しく伝えて、フジテレビという看板を背負っている以上余計なことを言わないようにしようとか、意見を言う場合は必ず上の人の意見をお伺いを立てつつ、相談して発言するっていうのが、ニュースの中では当たり前のシステムだったんですね。それでずっと11年間やってきたので、そのあとのフリーになってからの最初のレギュラーが「バラいろダンディ」っていう全く違う星に来た感じだったんですよね(笑)。

なので、まずフリートークで苦労したんですよ。フリートークが苦手といまだに思いますけど、結局は「伝える」っていうことなんですよね。でもそこで一番大事なことは、「人の話よく聞かないと、求められていることが伝えられない」と思います。伝えようっていうことにすごく頭がいきがちですが、自分が思っていることは、「ちゃんと聞いていないと正しく伝えられない」ということ。

一生懸命自分の意見を述べようとしても、やっぱりずれちゃったり違うと感じていたんですが、「決めたことを喋ろう」としてる時って駄目なんですよ。あらかじめ決めていたことを無理やり突っ込んでも、場違いな空気になってしまうことがあって。大事なのは、「その場で盛り上がっていること、言うべきことを自分でその場で考えて伝える」っていう“生の言葉”が一番大事だということを「バラいろダンディ」でものすごく学んだ気がします。

「報道のアナウンサー」世間のイメージとのギャップ

――生放送は難しさや面白さがそれぞれあると思いますが、生放送をやっていて良かったところや大変なところはありますか?

表裏一体なんですよね。アナウンサーは、前振りとか締め方、尺、展開などしっかりとした構成を考えがちなんです。でも、TOKYO MXの生放送ってそれがあるようで全然ないんですよ(笑)。逆にそれを求められてないとも感じていて、例えば最初のコーナーでめちゃくちゃ盛り上がったとして、尺なんて倍ぐらいオーバーしているし、言いたい放題言うし、初日なんてひどかったですよ。ちゃんとしたオープニングかって言われたらもう全然崩壊していたんですよ(笑)。でもそこが面白く展開して興味を持ってもらえるんだったら、もう尺なんて気にしなくていいし、段取りなんて何にも気にしなくていい。TOKYO MXの生放送の特性です。

「一番面白い展開は、その時に正解が出る」っていうのがMXの生放送の面白さだなって思うし、私もそこにはとらわれずに「最後の尺が5秒だから綺麗にうまく言って終わらせよう」なんて、多分思わない方がいいんだなっていうのをこの2日で感じましたね。「気負ってしまったら終わりだな」っていうのはすごく感じます。

――YouTubeの動画でも、TOKYO MXに対して「一番つらい時に救ってくれた」というのをおっしゃってたと思うんですが、アナウンサーとしてつらい時ってのはどういう苦しさだったんですか?

これまで報道を担当していましたが、私「報道志望」と1回も言ったことがないんですよね。フジテレビの花形はバラエティーでしたが、そういう華やかさみたいなのを一切経験しないでずっとお仕事させてもらっていたっていうのはあったんですよ。でも報道志望って1回も言ったことない中で、「周りがどんどん華やかな仕事をしていくのに、私何してんだろうな」って、くすぶっている感情みたいなのもあったんです。11年続けてフジテレビを辞めてからも、やっぱりニュースのイメージなので、いくら「バラエティーやりたい」って言っても、なかなかそこで上手い流れにならなかったり、初めてお会いする芸人さんにも遠慮されたりして、“イメージとのギャップ”は常にありました。

そんな中で、バラエティーのイメージも全くないし、どういじったらいいかもわからない大島由香里をよく“何でもありなバラエティー”に呼んでくれたなと。しかもレギュラーで。そこがもう不思議でならないんですよ。フリーになったら「思っていたテレビ番組に出られる」って思ってたのに、情報バラエティーに自分が思う通り出演できない。出てもふがいない結果になるっていうのを繰り返していたつらさがありました。そんな中で、よく「バラいろダンディ」が呼んでくれたなという。

無理に自分を変えなくてもいいと思えた

――大島さんはフリーになられて6年目になりますが、フリーアナウンサーのあり方も多様化してきてる気がします。そこに向けて何か思うことはありますか?

もともと局アナが辞めてフリーアナになるっていうのが既定路線ではあったと思うんですけど、“そうじゃない人”が増えている肌感覚です。eスポーツの実況に行く方とか、自分で何かを起こす人とか、あとテレビ外の仕事に移るっていう方もいらっしゃいますし、選択肢が増えていると感じます。

でも私はテレビ好きなので、基本はやっぱり「テレビに出て何かを発信するっていうのはいいな」って思っています。今はニュースと、あとはテレビでバラエティーをやる、あとはYouTubeで本当のすっぴんの自分を見てもらうっていう、その三つのバランスっていうのがすごく自分の中で心地良いんです。なのでフリーって、多分自分の心地良い場所とかバランスを見つけられたらすごくいいポジションなんだろうなって思います。

――最後に、大島さん流の“楽しく生きるコツ”があれば教えてください。

私自身元々ネガティブだし、世の中を斜めに見る癖みたいなのを持っていて。それはたぶん一生拭えることはない自分を“良しとしてくれる環境”と出会えるかっていうところかなと思っています。それは私の中でTOKYO MXだったし、「そんな自分でもいい」って言ってくれる場所が見つけられるって、すごく幸せだと思うんですよね。だから自分を変えようとしなくてよくて、「人生短いから自分がやりたいことやんないと損じゃない」っていうふうに思うようになったんですよ。子どもができてからは特にそう思いましたね。だからYouTubeとTOKYO MXは「本当に変えてくれたわ」っていう感じがしていて、本当に私の中で大きい存在ですね。

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