

韓国で“視聴率保証小切手”と称される脚本家キム・スノクとは?ドロドロ復讐モノで人気博す<パンドラ>

「愛の不時着」など大ヒット作品を次々に送り出しているスタジオドラゴンが制作し、「ペントハウス」などを手掛けた脚本家・キム・スノクがクリエイターとして参加している韓国ドラマ「パンドラ 偽りの楽園」が3月11日よりスタート。セレブ妻が、自身の生い立ちは偽の人生で、本当の自分は殺人マシーンだったと思い出したことから始まる復讐スリラーだ。今回はヒットメイカーであるクリエイターのキム・スノクにフォーカスする。
「パンドラ」は、ありふれた復讐劇ではなく、人と人との関係を描くドラマ
キム・スノクは、「私はチャン・ボリ!」や「皇后の品格」、最近では韓国で社会現象化するほどの大ヒットとなった「ペントハウス」などの脚本家。“マクチャンドラマ”(ありえない展開が次から次に起きるドラマ。ドロドロ復讐モノが多い)を次々にヒットさせ、「視聴率保証小切手」とも呼ばれるキム・スノクがかかわっていることで、ドラマの期待値がグンと上がる。
新作「パンドラ」は、誰もが羨むような完璧で幸せな人生が実は誰かに操作されていたものだったと知った主人公・テラ(イ・ジア)が、自分の人生を意のままにしようとした勢力に反撃していくストーリー。何不自由なく過ごしていたセレブ妻・テラ。実は彼女には“失われた記憶”があった。その幸せな生い立ちは偽の人生で、本当の自分は殺人マシーンだったと思い出す。毎週土曜と日曜にディズニープラスで配信され、全16話で構成される。
今作の脚本を担当しているヒョン・ジミンは、“キム・スノクファミリー”の1人だ。「パンドラ」について2人は「勧善懲悪のありふれた復讐劇ではなく、“関係”についてのドラマ」と言い、「自分の意志と関係なく突然敵になり、かと思えばまた再び同じ側になる、といった関係を見せるだろう」と説明した。
続けて「その中で生じる葛藤と、傷ついた人々が互いを許し和解する話が続きます。押し寄せる多くの事件の中で、自身が誰なのかを尋ねていく過程も描かれます」と内容について語った。
ストーリー作りにおいて努力した点は「すべての予想が外れるように。でも、誰もが納得せざるを得ない話で満たしていこうとした」とのこと。もちろん一番重要視したのは、見逃せない面白い展開だ。この物語は「すべてが完璧な人生最高の瞬間に、自分が信じていたことが偽物だという事実を知ることになったら、果たしてどんな選択をするだろうか」という疑問から始まったんだそう。
出世作のドロドロドラマは、「魔の時間帯」に40%超え
キム・スノクは、2000年に単発ドラマの脚本で作家デビューした。そして、2008年に、“イルイルドラマ”(月~金に毎日放送される100話を超えるドラマ)の「妻の誘惑」が大ヒット。夫が結婚前から自分の親友と不倫関係だった上に子供まで居ることが発覚、そんな夫に殺されそうになったヒロインが貞淑な妻から復讐の化身となるストーリーが視聴者を鷲掴み、平日の夜7時20分という視聴率の取りづらい「魔の時間帯」にもかかわらず最高視聴率40%超え、同時期に放映していた「花より男子」を抜いて1位となり、一気に「キム・スノク」の知名度を上げた。
爆発的な人気を得ると同時に、ご都合主義的な展開や悪役の目に余る悪行の数々などもあり、作品に対する非難や悪質なコメントも大量に書き込まれた。そのため、ツラい思いもしたんだとか。しかし、訪れた病院で「妻の誘惑」を夢中で観ている患者たちを目撃し、現実での苦痛を(番組視聴中は)忘れさせてあげられたことに作家として誇りを持てるようになり、執筆を続けられたそうだ。
「死にたくなった時に、“続きが気になって死ねない”と思わせるドラマを」
キム・スノク作品の悪役は、とにかく徹底的に容赦なく悪い。そしてピンチに陥ってもギリギリで切り抜けて一切反省などしない。観ていると本当にムカつきすぎて具合が悪くなりそうなほどだ。そして毎回、続きが気になってたまらなくなる絶妙なタイミングでの終わり方。「あと2秒見せてくれたらスッキリするのに!!」といった“あとちょっと感”のせいで、次回も見ずにはいられなくなるのだ。
キム・スノクにとって、ドラマは「本当に面白くて劇的でなければならない」のだとか。「私は、休みながらくつろぎながら観るドラマではなく、観てる間、ずっと次の場面が気になるドラマを書きたい。誰かが“死にたい”となった時に、“このドラマの次回の内容が気になって死ねない”と思うドラマが書きたいんです」と、想いを語っていた。自分の書いたドラマを楽しみに待つことが、その人の希望になってるとしたら、それはこの上ないやりがいなのだ、と。
「妻の誘惑」以降も、「私はチャン・ボリ!」「いとしのクム・サウォル」「復讐のカルテット」「皇后の品格」と、どれも大ヒットさせたが、やはり特筆すべきは2020~2021年にかけて、3部作、全48話で放映された「ペントハウス」だろう。
21世紀最高のマクチャンドラマ「ペントハウス」
超高級ペントハウス“ヘラパレス”に住む上流階級の家族たちの欲望、嫉妬、愛憎が入り乱れ、殺人、隠蔽、不倫、出生の秘密、だまし合い、復讐…と、すべてのマクチャン要素が詰め込まれたこの作品は、「21世紀最高のマクチャンドラマ」と呼ばれ、1ケタで始まった視聴率は、最終的に瞬間最高視聴率31%超を記録。同時間帯の番組の話題を独占し続け、いくつもの賞も受賞した。
辻褄の合わない部分を力技で納得させる展開や、俳優陣の「顔芸大会」とも揶揄された大熱演は、悪口コメントも多く書き込まれたが、それは文句を言いながらも目を離すことができない吸引力があった証拠だ。すべての登場人物がとても立体的に描かれ、“群像劇”としても非常に見ごたえのある作品だった。
「パンドラ」の登場人物全員、最後まで誰も信用してはいけない!?
キム・スノクがクリエイターとして参加している「パンドラ」はまだ始まったばかり。脚本のヒョン・ジミンと共にキム・スノクは「オルゴールの中のぜんまい人形だったテラが、ガラスを割って出てきて、すべての話が始まりました。今後、彼女を愛する夫・ジェヒョンの変化にも注目です。彼はそんなに甘い男ではありません。そして、テラと、彼女が夫と同じくらい愛するヘスとの関係もやはりドラマの大事なポイントです」と語っている。
「すべての登場人物は、最後までお互いを疑って16話まで一瞬も緊張を緩めることができません。視聴者の皆さんも、最後まで絶対誰も信じないでください」という意味深なメッセージを告げたキム作家とヒョン作家。今回の「パンドラ」でも、あっと驚くどんでん返しや予想外の急展開が期待できそうだ。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部
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