加藤シゲアキ(提供写真)

NEWS加藤シゲアキ、“書けない”劇作家役に 日本初上演舞台で主演<エドモン~「シラノ・ド・ベルジュラック」を書いた男~>

2023.01.12 04:00

NEWS加藤シゲアキが、4月1日から4月16日まで東京・新国立劇場 中劇場にて、4月22日から4月24日まで大阪・東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて上演される舞台パルコ・プロデュース2023「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」で主演を務めることがわかった。


「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」

映画監督としても活躍するフランスの若手劇作家・演出家アレクシス・ミシャリクが、トム・ストッパードの映画「恋に落ちたシェイクスピア」に触発され映画製作を構想するも資金が集まらず、先に舞台版として初演された本作。2016年にパリで上演するやいなや、上演回数700回を超えるロングラン・ヒット作となり、ミシャリクの出世作となった。

正統派のフランス喜劇の流れをくみながら、テンポの良い台詞運び、そして、サラ・ベルナールやチェーホフなど実在の人物も登場させるなど、約120年前の演劇人やクリエイターたちに向けた劇場愛にあふれた賛辞として人気を博した本作は、2017年のフランス演劇界最高の栄誉と言われるモリエール賞で7部門にノミネートされ、作品賞、脚本家賞、演出家賞など5冠を達成。ヒットを記録した舞台版の初演から2年後の2018年に、ミシャリク自身が映画化(「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」2020年11月日本公開)。舞台版は、コロナ禍を経て2021年秋にも再演され、爆笑と喝采に包まれた客席は、連日にぎわいをみせていた。

いつの時代も、どこの国でも、初日の幕を上げるために必死で作品創りをしている舞台人がいる。そんな勇気をもらえる本作を、この度、日本で初めて上演する。

名作戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」誕生秘話とは

舞台は、1897年パリ。将来を嘱望されるも2年間という長いスランプに陥っている崖っぷちの劇作家エドモン・ロスタンに、突然舞い込んだ大きな仕事。その舞台の初日はまさかの3週間後。大女優と大御所俳優のむちゃぶり、親友との三角関係、主演女優のきまぐれ、プロデューサーからの鬼催促、完全なる資金不足、妻の嫉妬など、あらゆるトラブルにみまわれながらも、なんとか書きはじめたのは、17世紀に実在した大きな鼻の剣豪詩人の話…『シラノ・ド・ベルジュラック』。

『シラノ・ド・ベルジュラック』は、日本でも大正時代に『白野弁十郎』として翻案上演されるなど、初演から120年以上経た今もなお、世界中で上演され、ミュージカル化、映画化もされ愛され続けている舞台劇。今となっては古典、珠玉の名作戯曲となった『シラノ・ド・ベルジュラック』が、3週間でいかにして「初演」の「初日」を迎えたのか、いま、その秘密が解き明かされる。

加藤シゲアキ、“書けない”劇作家役で主演

演出は、令和3年度第72回芸術選奨 文部科学大臣賞を受賞、令和4年秋に紫綬褒章を受章するなど劇作家・演出家としての功績を高く認められるマキノノゾミが務める。時代劇から現代劇、ストレートプレイからミュージカルと数多くの作・演出作品を手掛け、2018年には『シラノ・ド・ベルジュラック』の日本公演の上演台本(鈴木哲也との共同上演台本)も担当。これまで、ノーベル賞物理学者の朝永振一郎を描いた『東京原子核クラブ』、平賀源内と杉田玄白を描いた『非常の人 何ぞ非常に』など、実在する人物を、ユーモアと人間味あふれるキャラクターとして現代に甦らせてきたマキノが、崖っぷちの劇作家エドモン・ロスタンをどのように演出するのか。

そして、“書けない”劇作家エドモン・ロスタン役で主演を務めるのは、NEWSとしての活動に留まらず、作家としても数々の人気作を生み出し、2020年に発表した小説「オルタネート」(新潮社刊)では、2021年に第42回吉川英治文学新人賞、第8回高校生直木賞を受賞するなど、多岐に渡って活躍する加藤。

実在の劇作家エドモン・ロスタンにまつわるエピソードを、実際に作家・劇作家としても活動する加藤とマキノが、どのようにつむぎだすのか。今なお世界中で愛される名作誕生にまつわる紆余曲折と、苦悩、そして、なによりも熱い熱い劇場愛を、爆笑の渦に巻き込みながら届ける。(modelpress編集部)

物語

1897年12月、パリ。詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは、スランプにおちいっている。家には、妻と子供を抱えながら、2年間も全く書けない。そんな中、彼に、大きな仕事が舞い込み、偉大な喜劇王コクランに、英雄的なコメディ詩劇の新作を書くことを約束してしまう…。ところが、まったく書けない…。大女優と大御所俳優のむちゃぶり、親友との三角関係、主演女優のきまぐれ、プロデューサーからの鬼催促、完全なる資金不足、妻の嫉妬など、ありとあらゆるトラブルにみまわれながらも、エドモンは一世一代の創作に取り組むが…。

今のところ、決まっているのは、実在した鼻の大きい詩人のコメディということと、タイトルだけ…。タイトルは……そう『シラノ・ド・ベルジュラック』!!!

演出家:マキノノゾミコメント

新作劇の初日を開けるまでのムチャぶりの連鎖!迷走につぐ迷走!劇作家の受難につぐ受難ぶり!焦燥の末の奇跡的なインスピレーションの到来と、震えるような執筆の陶酔!これはもう同業者として同情を禁じ得ないどころの話ではありません!いやもう実にリアル!実に滑稽!そして実に感動的!

この公演は、本邦初演となる現代フランスの傑作喜劇ですが、日本広しといえども、この作品を、強烈な思い入れと、熱烈なシンパシーをもって演出できるのは、もはや「このわたししかいない!」と思いあがって取り組む所存です!やたらと「!」が多いですが、どうぞ、ご期待ください!

加藤シゲアキコメント

『シラノ・ド・ベルジュラック』を生み出したエドモンがいかなる苦悩を経て、この不朽の名作を生み出したか。ひもじくも妥協せず、あらゆる犠牲を払って作品に向かい合うエドモンは、誰にでも理解できる人物ではないかもしれません。

しかしその過程を切実かつユーモラスに描くこの作品に、私は僭越ながら共感しました。同時に言葉の持つ力も改めて実感し、今この時代にこの公演を行う意味を、台本を読んで以来ずっと考えています。エドモンになれる喜びを胸に、誠心誠意心を込めて演じさせていただきます。
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