篠田直哉 撮影/西邑泰和

ロバートを追っかけて15年、少年だったファンがテレビ局員に「3人の番組を作り恩返しをしたい」

2022.06.20 12:03
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お笑いトリオ・ロバートの大ファンで、好きが高じて『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。~メモ少年~』(東京ニュース通信社・6月25日発売)という本まで上梓した、テレビ局・メ~テレの篠田直哉ディレクター。小学生の頃にロバートのコント「トゥトゥトゥサークル」を観てロバートのファンになり、ライブでメモを取る姿を見たロバートが“メモ少年”と命名。ロバート・山本博とのSNS交流、秋山竜次の実家に押しかけバイトをするなど、本人自覚なしの健全な狂気の中、少年はいつしかメ~テレ(名古屋テレビ)の社員となり、ついに秋山と仕事をするまでに…。そんな“推し活”のシンデレラストーリーは、好きなことを突き詰めるという熱意が運を引き寄せた結果であり、人を無条件に推せるその気持ちが周囲の人の心も動かす、幸せのループが巡っているのかも。(前編後編の後編) 

──篠田さんは、ロバートへの熱くて濃い熱量が溢れ出ていますね。詳しくは本を読んでいただきたいですが、あのファンキーで有名な秋山さんの父親に会いに行き、お店でバイトするというエピソードも…。

篠田 気持ち悪いですよね。“豚骨”とか秋山さんが言いそうなキーワードですけど、ギトギトの本。僕は自分の人生を話しているだけなのに、ずっとロバートさんの話がメインなんです。「どういうことなんですかね?」って自分でも思います。

──余談ですが、メモ少年がライブに行けなかった時に、代わりに単身赴任していたお父さんがライブに行って、スーツ姿でメモしていたというエピソードに笑ってしまって。

篠田 「メモスーツおじさんがいる」って、ロバートに言われたみたいで。でも確かに笑いとしては、“スーツでメモ”と言うのは正解でしたね(笑)。実際にメモした内容は本当にメールで送られてきていました。

──推しとしてのルールは守りつつ、博さんとはTwitter上で連絡を取れていたんですよね。

篠田 はい。博さんしかSNSをやってなくて、受験の時や進路が決まった時など報告として送っていました。ちょこちょこリプライくれたりして博さん優しいんです。大学時代は博さんが出演していた、『歴史ライブ』の出待ちでよく喋らせてもらいました。博さんは大好きなロバートの中にいる、一番距離が身近な存在だったと思います。

馬場さんとは、高校時代に祇園花月の出待ちで結構長い尺で話せて嬉しかった記憶があって、秋山さんとは、一緒に仕事をするようになるまでちゃんとお話したことがなかった。大人になってからやっと腹を割って話した父親みたいな存在です。特に一定の距離をずっと保っていたのが秋山さんですね。

──大学の学祭でロバートを招くことに成功し、通常は複数の芸人で構成するイベントを「ロバート単独ライブ」にして大盛況、ロバート愛を強みに、就活まで乗り切ったという偉業も。

篠田 学祭はロバートさんが「いつもライブを観に来てくれている少年だから」とマネージャーさんに話をして来てくれました。就活に助言をくれたのも秋山さんです。メ~テレのインターンで秋山さんのVTRが流れたのもこれは絶対に縁だと思いましたし、おかげでちゃんとアピールができました。運がよかったというのと、決してひいきはしないけど、さりげなく見守ってくれたロバートさんの存在がなかったら、今の僕はいないんです。

──メ~テレのインターンシップで、秋山さんがVTRで登場したそうですが、こんな奇跡があるのかという(笑)。今後の目標は?

篠田 僕のここまでの人生が全部本に詰まっていますが、もちろんまだまだ過程でロバート3人の番組を作りたいという目標は達成していないですし、恩返しはまだできてないんです。以前作った秋山さんの番組は、秋山さんのキャラクターで面白くしていただいたという感覚で、番組としては面白くできたと思いますが、見たことのない秋山さんを見つけたというディレクターとしてのやり切った感は全然ないんです。次はもう少し秋山さんを頼りすぎずに、「面白い演出だね」と言ってもらえるような番組ができたらという目標があります。

──この本で伝えたかったことは?

篠田 僕の話というよりは、ロバートさんがどんな人かというところをちゃんと伝えられたらいいなと思います。特に秋山さんはプライベートを見せない方なので、秋山さんに「(この本)大丈夫でしたかね?」という話をしたときは、「お前も徐々に俺らに近づいて、俺も徐々に距離詰めていった感じがあるから、いいんじゃないかな?」みたいに言ってくれました。コントやトークの面白さだけではない、ロバートさんの人の魅力が伝わったらいいなっていうところは話したかったところです。

──推しが夢を叶えるためのアドバイスなどありますか?

篠田 偉そうなアドバイスが全くできなくて…。どうしてかと言うと、本当にロバート3人の人のよさと、僕のたまたまの運だけでこういったありがたい仕事をさせてもらえたんです。だから、「何かをやったらうまくいきますよ」というのはないんですけど、何の役にも立たないはずのメモと自分の趣味がうまく将来にハマる時がある。それは僕が体験しているので、何の役にも立たないことが好きでもいい、何か好きなものがある人は突き詰めて、「これなら絶対負けない」というものを持つことが大切なのかなと思います。

僕は小学校5年までとても暗い子で、ロバートさんと出会ってから、自分の居場所や表現できるもの、そして自分が今も誰にも負けないものが「ロバートが好き」です。何の役に立つかわからなかったロバート好きが役に立つ場面が出てきたので、好きでいれて良かったなと思います。

──メモ少年が大人になって、メ~テレのディレクターとなり、本を出してこうしてインタビューを受けている…、そんな今もどこかで活躍し続けているロバートの背中は大きいなぁと。

篠田 毎回、面白いネタを提供してくださるロバートさんは、ファンに対しての接し方も優しいですけど、とにかく人間力がすごいんです。僕はなにもすごくないというか…。ロバートさんがすごいという話で終われたら布教活動としては大成功です。

▽日本一のロバートファン・篠田直哉がどうしても伝えたい「ロバートのすごいところ」

1 お笑いを秋山さんしかやろうとしていないところ。

博さんはゲーム配信に夢中、馬場さんはお料理番組を多数持ち全国を飛び回っている。ある意味、3人がお笑いに熱くなくて良かった。秋山さんの才能とぶつかるところがなかったのがロバートの世界観を明確にした。

2 お笑いに興味がないのに、秋山さんに20年近くついてきている馬場さんがすごい。

秋山さんと馬場さんは地元の友だち。学生時代から秋山さんの言っていることを馬場さんがヘラヘラやっちゃっている学生のノリ、悪ノリみたいなものが、今もロバートの世界観になっている。馬場さんが面白い友だちと一緒に舞台に出ているみたいな感覚を今も持ってるのも、“ロバート・馬場”としてのブロだと思う。秋山さんより自分が笑いを取りにいく…みたいな芸人さんが本来もつべき精神がないのも面白い。

3 時代、年齢、性別を選ばない。誰もが親しみやすく笑えるコント。

設定が時代を感じさせないロバートのコント。いつの時代も学校の教室の後ろで学生がやっていたようなノリを秋山さんが大切にしている。子どもからお年寄りまで、年齢、性別を超えた笑いを成立させているのがすごい。

取材・文/富田陽美

▽篠田直哉しのだ・なおや 1996年5月12日生まれ。大阪府出身。メ〜テレ コンテンツビジネス局 コンテンツプロデュース部兼イベントコンテンツ部所属。2019年にメ〜テレに入社し、制作セクションに配属後、1年間アシスタントディレクターを経験。その後、ディレクターとして映像番組、コンテンツ制作に携わる。これまでの担当番組は『デルサタ』(AD)、料理コーナー『ロバート馬場ちゃんの楽楽ごはん』(AD)、単発特番『唐沢佐吉のメ〜テレ大爆発TV‼︎』『ロバート秋山の虚構ドキュメンタリー』(企画・演出)など。現在は、『BomberE』(隔週火曜 深夜0時57分〜放送 ※愛知・岐阜・三重の東海3県で放送)のディレクター、『LET’S HOT EVENT パパラピーズ』(毎週火曜 深夜1時29分〜放送 ※同上)のプロデューサーを務める。YouTube「テレビ局の生活」チャンネル更新中。2021年10月30日に公開された動画、「【ロバート秋山】元ストーカーがテレビ局員に。職権濫用で番組に呼ばれる」が、579万回再生(22年6月20日時点)。

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