(左上から時計回りに)古川琴音、山崎育三郎、愛希れいか、椎名桔平、田村芽実、正門良規(C)NHK

古川琴音、アイドル役でNHKドラマ初主演 山崎育三郎・Aぇ! group正門良規らキャスト発表<アイドル>

2022.06.17 15:12

女優の古川琴音が、8月11日放送のNHK特集ドラマ『アイドル』(総合テレビ、19:30~20:43、73分)で主演を務めることがわかった。


古川琴音、アイドル役でNHKドラマ初主演

古川琴音(C)NHK
古川琴音(C)NHK
いつの時代も若者を熱狂させ、ときめかせる“アイドル”。昭和初期から終戦間際まで、戦時下の日本で、1日も休むことなく営業を続けた劇場「ムーランルージュ・新宿座」。そこは、“アイドルに会いに行ける劇場”でもあった。ファンとともに成長し、劇場の絶対的エースとなった明日待子(あした・まつこ)。日本が戦争へと進む中でも、ファンの声援に笑顔で応え、ステージで歌い、踊り続けた。

山崎育三郎(C)NHK
山崎育三郎(C)NHK
この番組のテーマは“戦時下のエンターテインメント”。明日待子という一人のアイドルの青春を描いたドラマでもあり、劇場での歌とダンスを贅沢に物語に取り込んだ、音楽ステージ・ショーでもある。当時実在した登場人物や劇場をベースとした、オリジナル作品となる。

愛希れいか(C)NHK
愛希れいか(C)NHK
主人公・小野寺とし子/明日待子役を務めるのは古川。上京し、ムーランルージュのオーディションに受かり、座員となる。下積み時代を 過ごす中、ある事がきっかけで、センターに抜擢され、トップアイドルへの道を歩み始める。

正門良規(C)NHK
正門良規(C)NHK
ムーランルージュ初期から参加し、劇場の看板俳優として活躍する面倒見の良い兄貴的存在で、座員たちのことを気にかけ、待子やナナ子のあこがれの先輩でもある山口正太郎役に山崎育三郎。ムーランルージュを代表するトップスターで、過去に松竹歌劇団のマドンナとして期待されるも、挫折し退団する中、千里に拾われ、待子が目標とし背中を追い続ける存在・高輪芳子役に愛希れいかが出演。

田村芽実(C)NHK
田村芽実(C)NHK
また、青年兵士に襲われそうになった待子を助けた学生で、その後、待子のことが気になり、劇場にファンとして通い始め、歌い踊る待子の姿に魅せられていく須貝富安役に正門良規Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)。待子と同じ時期にムーランルージュに入り、ともに成長し競い合う、親友であり良き ライバルで、やがて待子と二枚看板のアイドルとなり劇場の全盛期を支える小柳ナナ子役に田村芽実。そしてムーランルージュの支配人であり、演出にも口を出す敏腕プロデューサーで、待子などの新人を発掘、育成し、劇場を連日満員にして知名度を上げ、成功を収めていく佐々木千里役に椎名桔平が出演する。

椎名桔平(C)NHK
椎名桔平(C)NHK
なお、ドラマ放送前日の8月10日に、「歴史探偵」(探偵所長:佐藤二朗)とのコラボが決定。「歴史探偵 “戦争とアイドル”」(総合テレビ、22:00~)が放送予定。(modelpress編集部)

あらすじ

昭和11年、岩手から上京した小野寺とし子(古川琴音)はスターになるため、新宿の劇場・ムーランルージュのオーディションを受ける。その場で支配人兼プロデューサーの佐々木千里(椎名桔平)や劇場の看板女優・高輪芳子(愛希れいか)の目に留まり、座員として劇場で働き始める。とし子は下積み生活を続け、寝る間を惜しみ、1日の大半を稽古や本番のステージに費やしていた。

そんな中、ある事がきっかけで、とし子はステージのセンターに立ち、歌い踊ることになる。半年後、とし子は名前を“明日待子”に変え、同僚の小柳ナナ子(田村芽実)らとともに、若手グループを結成し、圧倒的人気を誇っていた。大勢のファンが詰めかけ、劇場は連日満員御礼となった。待子は不動のセンターとなり、ファン一人一人の恋人“アイドール”となった。その一方、日本は戦争へ突き進み、その影響はムーランルージュにも及んだ。劇場のシンボルだった赤い風車が取り外され、看板俳優の山口正太郎(山崎育三郎)も出征し、やがて待子も戦地のファンの期待に応えようと、戦争に協力していく…。

古川琴音(小野寺とし子/明日待子 役)コメント

戦争と共に生きた、まっちゃん。どんな時代だったとしても、ファンが明日を楽しみに待てるような、そんな希望を与え続けた、まっちゃんの煌めきを届けられたらと思います。とにかく、懸命に歌って踊って、演じました。是非、たくさんの方に見ていただけると嬉しいです!

山崎育三郎(山口正太郎 役)コメント

山口正太郎役を演じます、山崎育三郎です。名前自体に親近感が湧き、さらに、歌い、踊り、演じる、ムーランルージュを代表するエンターテイナー、 このようなやりがいのある役を与えて頂き、感謝しています。戦時下で、舞台に全てをかける役者たちの葛藤、今この時代だからこそ大きな希望を貰える作品です。今回のためのオリジナル楽曲も、チームで歌い踊り、リハーサルを重ねて きました。そのパフォーマンスも是非楽しみにして頂きたいです。

愛希れいか(高輪芳子 役)コメント

台本を読ませて頂き、どんな状況でもファンのために行動し、自分たちの出来る事を精一杯 やろうと、諦めない待子や千里さんの熱い思いに、とても胸を 打たれましたし、すごく共感しました。待子が憧れる芳子を、自分なりに精一杯演じたいと思います。よろしくお願い致します。

正門良規(須貝富安 役)コメント

須貝富安役の正門良規です。令和を生きる僕たちと、作品を 通してみた昭和を生きる人々は、時代は違っても、変わらず 目の前にある時間を生きていたのだなと感じました。今だからこそ、皆さんに見て頂きたい物語です。アイドルとしてこの作品に関われたことが本当に幸せです。是非、放送を ご覧になってください。

田村芽実(小柳ナナ子 役)コメント

小柳ナナ子役としてこの作品に出演させていただけること、とても幸せで、 毎日の撮影が楽しくて仕方がありません。この作品を通して日本のアイドル 文化の歴史に触れることができ、その奥深さと魅力に、私自身、今まで 以上に虜になってしまいました。古川琴音さん演じる明日待子さん(まっちゃん)をさりげなく柔らかく、隣で支えながら、一緒に同じ夢を持つ 親友として、新宿ムーランのアイドルを一生懸命に全うしたいと思っています。

椎名桔平(佐々木千里 役)コメント

NHKで戦争について考えるドラマを、「アイドル」というテーマで制作すると聞いた時は、一瞬耳を疑った。これまでの感覚から、もっと重厚なテーマを予測しがちだったからだ。でも脚本を読むと、しっかりと戦争が大きな 背景として描かれている。そして目まぐるしく移りゆく戦時中の人々の心情が、「ムーランルージュ・新宿座」を舞台に、明るく、エロチックでコメディーな演目によって語られる。そのギャップがむしろ悲しく切ない。ロベルト・ベニーニの「ライフ・イズ・ビューティフル」を彷彿させられる戦争の痛烈な痛みだ。ムーランを作り“娯楽第一”を信条に、疲れ切った観客に希望を与え続けた支配人、佐々木千里。ケチで博打好きで女好きという人間味溢れる彼を、生き生きと演じたいと思います。

作者:八津弘幸コメント

戦時下に多くのファンを励まし愛されたアイドルの物語……最初にこの企画で声をかけて 頂いたとき、面白そうだなと思うのと同時に、うまく書けるだろうかという不安が過ぎりました。というのも、朝ドラ『おちょやん』を執筆したときに、戦時下における娯楽を描くことの難しさを嫌というほど味わったからです。

明日待子らアイドルたちも、ムーランルージュという劇場も、そこに押しかけるファンたちも 間違いなく実在し、自分の“推し”の名前を叫び、一緒に歌って踊っていました。その光景は今と何も変わりません。そんな彼女、彼たちが、戦争によって何を奪われ、何を願っていたのかと向き合うことは、奇しくもコロナ禍に不要不急が叫ばれる現在、娯楽はどこまで必要なのか、僕たち自身に突きつけられた問題とも向き合うことでした。

そして試行錯誤を繰り返し、答えを模索して、どうにか本を完成させた矢先、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発しました。実際にその悲惨な現実を目の当たりにして、正直、僕は今わからなくなっています。終戦ドラマにありがちな、重く暗い作品にはしたくない、などと言っていた自分は、浅はかだったのではないか。ふと気づけば、これこそまさに当時の登場人物たちが抱えていた葛藤と、同じなのかもしれません。

それでもアイドル・明日待子のように、見て下さった皆さんが元気になれるように、前を向けるようにという思いで書いたことも、また同じです。この作品が少しでも明るい明日につながる、皆さんの“推し”となってくれたら嬉しいです。

演出:鈴木航ディレクターコメント

2018年の暮れ、私が札幌でお会いした98歳の明日待子さんは、あの戦争の時代に多くの ファンを熱狂させたという、トップアイドルの輝きをまとっていました。“苦しい時代だったけど、私の青春でした”待子さんのこの言葉から、特集ドラマ「アイドル」は出発しました。

あの頃の日本にも、今の私たちと変わらないアイドルがいて、ファンがいて、不要不急と 言われながらエンターテインメントを守り続けた人々がいました。“戦争”は、その日常から 地続きにあったのです。戦時下の時代に輝いた女の子の青春の日々を、めくるめくショーと ともに描きます。是非、ご期待ください。
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