オーディションでドラマレギュラーを勝ち取った新人・大野佑紀奈「自分の原点である舞台に立ちたい」
2022年、新しい年がスタートし、様々な作品や企画でこれからのエンタメ界を担うであろう“ネクストブレイク”が起用されている中、新人開発に積極的な芸能プロダクション各社が今年プッシュする注目の新人を紹介。本人のインタビューおよび担当マネージャー・スタッフの取材とともにクローズアップする。生の舞台を観た衝撃で一念発起して女優の道を目指し、レイ・グローエンタテインメントに所属、様々な作品で自力を蓄え、昨年はドラマ『消えた初恋』(テレビ朝日)への出演を果たした女優・大野佑紀奈は、「自信が無くても、まずは動いてみたら何とかなる」と、自身の経験を踏まえメッセージを送っている。
【レイ・グローエンタテインメント所属:大野佑紀奈インタビュー】
――女優の仕事を目指したきっかけは?
「大学1年の頃、周りに合わせて毎日同じような生活をしていたんですが、“変わらなきゃ”と思い立って、今までやったことが無いことをしてみようと、母の勧めもあって、兵庫から一人で上京して舞台を観に行ったんです。その舞台から、これまで感じたことのない衝撃を受けました。今までの自分は、思ったことがちゃんと言えない人だったんですが、感情をぶつけ合っている芝居を観て、私もああなりたい、ただ漠然とあそこに立ちたい!って強く思いました」
――それからすぐに行動を起こしたんですか?
「両親に話すまでには時間がかかったんですが、20歳の誕生日に意を決して“役者になりたい”って打ち明けました。最初は驚いたようでしたが、母は反対というよりは心配してくれて、父はやりたいことならやってもいい、ただし大学は卒業してくれと言ってくれました。その後は大学を卒業するまでにデビューのサイトで芸能事務所をめちゃくちゃ探して応募して、そのなかでレイ・グローエンタテインメントが声をかけてくれました」
――オーディションのときにちょっとしたハプニングがあったとか?
「東京に行くために夜行バスを待っていた時、大阪のテレビ局の取材で“何をしに東京に行くんですか?”って声をかけられて、最終オーディションに行くことを話したら、“密着させてください”と。やらせも一切無しで、オーディションにカメラがついてくることになったんです。その時点では合格をいただけるかどうかも分からなかったですし、最終面接とカメラの撮影とですごく緊張していたんですが、事務所の方が柔軟に対応してくださって、私はただ流れに身を任せるしかない状態でした。でも、こんなことは滅多にないことだし、運が良かったのかな、何か持っているのかなって、落ち着いた後に思いました」
――そんなこんながありながらもオーディションに合格。事務所に所属します。
「ビックリしました。正直無理かなと思っていましたし、自分にはこれといった特技とか取柄もないし、見た目もごくごく平凡で特別な感じが無いし、自己肯定感はかなり低くて…。役者になりたいと思いつつ、その反面不安が大きくて。行動してはいたけど、気持ちがついていっていなくて。だから合格をいただけたときは、私にもチャンスがあるかもしれない、頑張ってみようと、少し自信になりました」
――演技は未経験でしたが、事務所からはどんなサポートを受けましたか?
「ただひたすらレッスンでご指導いただきました。最初のうちは『芸能界=個性で突き進んでいく』というイメージだったので、“自分が自分が”って頑張り過ぎちゃっていて、それじゃあダメだと。お芝居は相手ありき、ちゃんと相手を見て動くということが年々できるようになってきたことで、視野や考え方が広がった気がします。レッスンには幅広い年齢の方、いろんな考え方の人がいるので、そこで揉まれながら、いいところは盗みながら成長しました」
――昨年はオーディションでドラマ『消えた初恋』の出演を勝ち取りました。
「クラスメイト役のオーディションなので、みんな学生服を着て来ている中、私、普段着で行っちゃって。そして部屋に入って来る人がみんな可愛くてハキハキと元気のある方ばかりで…若干自暴自棄になっちゃったんです。そうしたら、逆に変な力が抜けて、緊張せずに臨めた気がします。普段頑張ると空回りしちゃうので、“もう無理だ!”って思ってからのほうが、意外と上手くいく気がします(笑)」
――役名のあるレギュラー出演でしたが、何か新しい発見はありましたか?
「今までで一番、自分の見え方や、“こうしたほうが面白いんじゃないか”って考えて行動できた現場だったと思います。ヒロインの友達3人組の1人だったんですけど、監督からは“面白いことしてね”って要求される場面がたくさんあって、他の2人と作戦会議をめちゃくちゃしました」
――現場で学んだことは?
「助監督さんが“カメラの位置をもう少し気にしたほうがいいよ”とアドバイスをくださいました。メインで映っているわけではないから、目立ちすぎるのも良くないのかなと、自身の無さが露呈して、気持ち的にも行動的にも引き過ぎちゃっていたんです。助監督さんは“せっかくその場面にいるんだから、もっと行きなさい”って背中を押してくださって。それからは、カメラ位置を確認してちょっと体を入れたり、“こう立ち回ったほうが、視聴者の方も楽しんでくれるんじゃないかな”とか考えるのが楽しくなりました。すごく悩んで頭を抱えることも多かったんですが、その反面、役者としての成長につながりました」
――大きなターニングポイントになったみたいですね。
「今回の役作りで、がっつりオン眉のぱっつん前髪にして撮影していて、自分は撮影が終わったら伸ばす気でいたんですが、現場のスタッフさんや他のキャストさんが“めちゃくちゃ似合ってるから、そのままで行ったほうがいいんじゃない?”って言ってくださったんです。内面的な武器は模索中ですが、パッと見た印象の武器が一つできて、一歩前進できたのかなと思います」
――この先やってみたいお仕事や目標はありますか?
「今は映像のほうで頑張りたいので、ドラマの役をひたすら勝ち取っていきたいと思っています。今まではヒロインの親友役みたいに、明るいキャラの学生の役が多かったので、今後はちょっと大人というか、消防士や警察みたいにキリっとした凛々しい役も演じてみたいと思っています。夢としては、自分の原点である舞台に立ちたいですね。母が一番好きな舞台が『タクフェス(TAKUMA FESTIVAL JAPAN)』で、すごく心が温かくなる作品ばかりなので、ゆくゆくはそういう舞台に出られるようになりたいです。あとは、お笑いがすごく好きなので、令和喜多みな実というコンビの野村(尚平)さんの劇団『コケコッコー』にも出られたらいいなと思っています。どんどん欲が出てきているので、自分の武器を確立して頑張りたいです」
――大野さんのように、事務所のオーディションに挑戦したいと考えているデビューのユーザーにメッセージをいただけますか?
「私もとりあえず自信のないまま突き進んで、今こうやってドラマに出させていただいています。難しい道ですし、人と違った道ですけど、そこを恥じずに堂々と、やりたいと思った瞬間から、動いてみればなんとかなると思います。オーディションに落ちるとか、ちょっとやそっとの失敗は誰も観てないし、気にしてないと思って楽観的に動けば、怖がることは何もないんじゃないかなって思います」
◆担当マネージャー・スタッフからのイチ押しポイント◆
「見た目はフワフワしているところもありますが、根は真面目で芯の強い子です。いつも試行錯誤しながらもオーディションに立ち向かい、日々努力をしている頑張り屋さんです。そのかいあって、去年は見事ドラマの役を勝ち取ることが出来ました。いろんな経験をして今よりももっと成長できる伸びしろを持っている子です。大事に育てていきたいと思います」
【プロフィール】
大野佑紀奈(おおの・ゆきな)●1996年3月11日生まれ、兵庫県出身。
■主な出演作
≪ドラマ≫
2021年 EX「消えた初恋」田所りさ役
2021年 TX「バイプレーヤーズ」
2020年 NHK「1億円のさようなら」
2019年 NHK「腐女子、うっかりゲイに告る」
≪その他≫
阪神淡路大震災25周年神戸市ブランドムービーなど
≪CM≫
花王、ポカリスエット、スギ薬局、富士通など多数
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