相沢梨紗/撮影:田中健児

「もうアニソンは歌えないかも……」でんぱ組.inc 相沢梨紗がソロデビューを果たすまで

2021.11.26 06:03
提供:ENTAME next

でんぱ組.incのメンバーとして活躍している相沢梨紗が11月10日(水)発売の『新月のダ・カーポ』で満を辞してソロデビュー。溢れるアニメ愛とともに、ソロ活動への意気込みを聞いた。

(前中後編の前編)

──初のソロシングル『新月のダ・カーポ』の表題曲は、TVアニメ『白い砂のアクアトープ』のエンディングテーマですが、相沢さんはアニメソングへの愛を以前から語っています。

相沢 私が秋葉原にあるディアステージというお店で働くようになったきっかけがラジオで聴いたアニソンだったんです。それまで働いていたメイドカフェが経営難で潰れてしまって、他にやりたいこともなかったので絶望して、家に引きこもっていたんです。そんなときに、たまたま坂本真綾さんの『指輪』という曲がラジオから流れてきて、聴いた瞬間に感情が揺さぶられて泣いたんですよ。そのときに、こんな風に歌を聴いて泣く経験って過去になかったな、いつか私も歌に関わるお仕事をしたいなと思って、いろいろ調べたんです。それで従業員の女の子がアニソンばかり歌うディアステージにたどり着いたんですが、ラジオでアニソンに出会わなかったら今こういう活動もしていなかったでしょうし、アニソンに導かれているなと感じます。

──ソロで活動してみたい気持ちは、でんぱ組.inc加入当時からあったんですか?

相沢 ずっとやりたい気持ちはあったんですけど、世の中にはいくら自分がやりたくてもできることって実は少なくて。それまでの経験上、その場所に自分がパズルとしてハマらないと上手くいかないことの方が多かったんです。そもそも、でんぱ組に入るときも、「ゲームソングやアニメソングを歌うチーム」だよってことでオーディションを受けていたんですけど、気付いたらアイドルで(笑)。それが嫌ということではなくて、芸能活動に関する知識に乏しくて、「絶対に私はアイドルになる!」ってアイドルを始めた訳じゃなかったので、ちょっと戸惑いながら活動をしていました。なので、ソロでアニソンを歌いたい気持ちもあるけど、あまりにもアニソンへのリスペクトが大き過ぎて、自分には力不足だなという怖さみたいなものをずっと持っていたんです。でも、アニメ『アイカツ!』で歌唱担当をさせていただいたり、でんぱ組.incでアニソンを歌わせてもらったりと世の中に認められていく中で、徐々に自分のことも認められるようになっていって。今振り返ってみて、そういう時間も必要だったのかなと思います。あとアイドルを始めた当初は、もうアニソンは歌えないかも……という気持ちもありました。

──どういうことですか?

相沢 自分自身が熱っぽい2次元のオタクだったので、2次元の世界に3次元はいらないんじゃないかと思っていたんです。2次元、2.5次元、声優さんは別物という世界観があったので、アイドルになった自分には歌えないなと。でもアニソンは大好きだから、いつか歌いたいって気持ちは諦められなくて。そう思い続けていたので、今回エンディングテーマに抜擢していただいて夢のようでした。

──初期のでんぱ組.incはアニメ界隈、アイドル界隈、それぞれから否定的な意見もあったかと思います。

相沢 そうですね……。アイドル現場に行けば「アニメオタクが来た」と言われ、アニメオタクのみなさんがいる現場に行けば、自分たちはオタクの仲間だと思っているのに、「アイドルが来たのか……」と不思議な顔をされて(笑)。厳しい現場はたくさんありました。ただ、その気持ちも分かるので、そういう声に反発もできませんでした。

──オタクの気持ちが分かるからこそ卑屈になってしまったと。どのぐらいから状況の変化を感じましたか?

相沢 ロックフェスに出させてもらう機会が増えた頃、当時はアイドルがロックフェスに出るのがいまほど一般的ではなかったので、こうやって世界を変えていけるんだと思ったんです。でも、まだまだアニメの界隈には認められていないなと感じていました。ただ2015年に、しょこたん(中川翔子)と一緒にコラボをさせていただいたあたりから、少しずつでんぱ組とアニメや秋葉原の親和性を、秋葉原に来たことのない人たちにも理解していただける機会が増えていったんです。声優さんが普通に役者さんとしても出る時代になっていましたし、世界中の人たちが日本のアニメという文化を素敵なものなんだと理解してくださったという背景もあって、あまり偏見なく楽しんでもらえるようになりました。そうやって、少しずつ時代が変化していったからこそ、アイドルをやりながらアニソン歌手として活動することに繋がっていったと思います。

──今ではアイドルがアニソンを歌うのは珍しいことではなくなりましたけど、でんぱ組.incの功績が大きいと思います。

相沢 ただ私はオタクなので、やっぱりアイドルとアニソンには境界線みたいなものがあるなと感じるときもあります。ただ、それは良さでもあるなと思うんですよね。なんでもかんでも一緒くたにして、平等に見なきゃいけないというのは自分の中でも違うなと思いますし、どの世界でもこだわりは失っちゃいけないなって。だから、そこの違和感は残っていていいと思います。

▽相沢梨紗でんぱ組.incのリーダーとして活動。現在発売中のアニメ『白い砂のアクアトープ』エンディングテーマ『新月のダ・カーポ』でソロデビューを果たす。

関連リンク

関連記事

  1. 竹内星菜、横から見ても美しい「最強くびれ」水着ショットをファン絶賛
    竹内星菜、横から見ても美しい「最強くびれ」水着ショットをファン絶賛
    ENTAME next
  2. 特撮美女・工藤美桜が語るグラビア挑戦「恥ずかしさのあまり、Tシャツに手をかけてから動けなく」
    特撮美女・工藤美桜が語るグラビア挑戦「恥ずかしさのあまり、Tシャツに手をかけてから動けなく」
    ENTAME next
  3. “特撮美女” 工藤美桜、変身願望を叶えてくれた『仮面ライダーゴースト』との運命的出会い
    “特撮美女” 工藤美桜、変身願望を叶えてくれた『仮面ライダーゴースト』との運命的出会い
    ENTAME next
  4. 『キラメイジャー』女優・工藤美桜、「役がもう1人の自分として昇華できた瞬間」
    『キラメイジャー』女優・工藤美桜、「役がもう1人の自分として昇華できた瞬間」
    ENTAME next
  5. 令和のグラビアクイーン・沢口愛華が『週刊少年チャンピオン』に、圧巻のパーフェクト美バストを披露
    令和のグラビアクイーン・沢口愛華が『週刊少年チャンピオン』に、圧巻のパーフェクト美バストを披露
    ENTAME next
  6. これぞまさに天使、霜月がふっくら美バスト輝く純白の“天使”コスプレを披露
    これぞまさに天使、霜月がふっくら美バスト輝く純白の“天使”コスプレを披露
    ENTAME next

「ニュース」カテゴリーの最新記事

  1. とろサーモン久保田「ひとつの扉が閉まった時って…」 兼光に伝えた言葉に視聴者「ジーンとした」
    とろサーモン久保田「ひとつの扉が閉まった時って…」 兼光に伝えた言葉に視聴者「ジーンとした」
    fumumu
  2. 茨城県の「道の駅常総」で見つけた“意外な企画”がお得すぎる アレを詰め放題にするなんて…
    茨城県の「道の駅常総」で見つけた“意外な企画”がお得すぎる アレを詰め放題にするなんて…
    Sirabee
  3. 千鳥ノブ、売れているバンドのボーカルに「胸ぐらをつかまれて…」人生初“ブチギレ”た事件を明かす
    千鳥ノブ、売れているバンドのボーカルに「胸ぐらをつかまれて…」人生初“ブチギレ”た事件を明かす
    ABEMA TIMES
  4. 「ナメてません?この業界」大人気アイドルに夜の街で説教された過去を若手芸人が暴露! グループ名を聞いた柏木由紀が驚愕
    「ナメてません?この業界」大人気アイドルに夜の街で説教された過去を若手芸人が暴露! グループ名を聞いた柏木由紀が驚愕
    ABEMA TIMES
  5. NMB48板垣心和、初水着に挑戦 ふんわり美バスト披露
    NMB48板垣心和、初水着に挑戦 ふんわり美バスト披露
    モデルプレス
  6. 篠崎愛、豊満バストに釘付け 大人の表情で魅了
    篠崎愛、豊満バストに釘付け 大人の表情で魅了
    モデルプレス
  7. 岡副麻希、第1子 女児の誕生を報告 「出産方法も想定外でした」
    岡副麻希、第1子 女児の誕生を報告 「出産方法も想定外でした」
    ABEMA TIMES
  8. 驚異の爆増で登録者1500万人達成のHikakinTV、再生数とのミスマッチの“謎”
    驚異の爆増で登録者1500万人達成のHikakinTV、再生数とのミスマッチの“謎”
    ユーチュラ
  9. 「鬼滅の刃」竈門炭治郎ら「anan」表紙登場 初の3ショット実現
    「鬼滅の刃」竈門炭治郎ら「anan」表紙登場 初の3ショット実現
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事