背筋がゾッとする新感覚不動産ミステリー「変な家」が20万部超の大ヒット!「読みだしたら止まらない」謎解きの仕掛けとは
「変な家」という本をご存じだろうか。今年7月に飛鳥新社から刊行された、実話仕立てのミステリー小説だ。知人が購入を検討している家の間取り図に「奇妙な違和感」が存在する…という導入から、間取りの謎をたどる中で、家に隠された恐ろしい秘密が明らかになっていくストーリー。今までにない「不動産ミステリー」としてネットやテレビでも盛んに取り上げられ、出版から約3ヶ月で20万部を突破するヒットを記録している。
「変な家」の作者・雨穴氏は、WEBメディア「オモコロ」のライターとして活動しており、「変な家」も元々は「オモコロ」上の無料記事として書かれたコンテンツだ。元記事自体は書籍刊行後も引き続き閲覧可能である。この記事が2020年10月中旬に公開されると、すぐさまTwitterで2万RT超えと大きな話題を集めた。雨穴氏はホラー・ミステリー系の動画を投稿するYouTuberという顔も持ち、同月末にはYouTubeに同内容の動画を掲載。こちらも現時点で940万回以上再生というヒットコンテンツになっている。そして2021年5月に書籍化が発表され、7月に刊行という流れだ。さらに小説の好調を受けコミカライズも決定している。
WEBで連載したコンテンツをまとめて書籍化する例はよく見られるが、単発のバズ記事や動画コンテンツから書籍化される例はあまり多くない。また、出版不況と言われる中でベストセラーといえる20万部を売り上げたのはどんな工夫によるものなのか。担当編集者と作者に話を聞いた。
担当編集者・杉山茂勲氏(飛鳥新社)「読みだしたら止まらない」
――普段はどのような書籍を中心に手掛けていますか?
書店で「サブカル」の棚に置かれるような本が多いです。直近だと、東日本大震災を予言していたと話題になった「私が見た未来 完全版」を担当しました。
――なぜ「変な家」を書籍化しようと思われたのですか?
YouTubeでたまたま「変な家」の動画を見つけて、作者の雨穴さんの才能に衝撃を受けました。2020年の11月上旬頃だったかと思います。住宅の間取り図から「謎」を読み解く、という斬新なアイデアと、話の展開に底知れない奥行きがあって、「この話にはきっと続きがあるんじゃないか」と思いました。もし続きを本で書いてくれたら10万部は売れる、と直感的に思いました。
――書籍化に至る流れを教えてください。
「いまこの人に声を掛けなかったら後悔する」と思って、動画を見た10分後ぐらいにTwitterから「変な家を書籍化できませんか?」と雨穴さんにダイレクトメッセージを送りました。「実はついさっき、雨穴さんのことを知ったばかりです。」と正直に書いた記憶があります。
――書籍化にあたり、編集として特に意識された点があれば教えてください。
これは雨穴さんからのご提案だったのですが、「できる限り読みやすく、親切すぎるくらいにわかりやすくして、読書の負担をなるべく減らしたい」という編集コンセプトです。間取り図の画像と、それに対応する文章を同じ見開きページに入れ、読者が間取り図を確認するために、文章を読んでいる途中に前のページに戻る、といった作業を極力減らす。本として多少不格好になっても、読みやすさ、わかりやすさを優先しています。
――20万部というヒットをどう感じていますか?またその要因はどんな点だと思われますか?
「読み出したら止まらない」という評判がSNSで広まって、特に書店員さんと中高生の間で支持されたのが大きかったと思います。そして何より、作者の雨穴さん自体が謎に包まれていて、ミステリアスな魅力がありますよね。実は担当編集の私も、お会いしたことがないんです。やりとりは全てメールです。どんな人なのかわからないけど、文面からいつも「いい人」さが伝わってくる。そういう人柄って、どこか作品にも滲み出ていると思うんですよね。
作者・雨穴氏「すべての謎を解き明かすよう心がけた」
――「変な家」はどのようなきっかけで着想を得ましたか?
「家の中に謎の空間がある」という設定のホラーが好きで、自分でもそのような物語を書いてみたいと思ったのがきっかけです。ただ、「それはかつて座敷牢だった」とか「その空間に死体が隠してあった」みたいな結末ではオリジナリティがないため、これまでにない「謎の空間」の使い方はないものかと考えながら物語を作っていきました。間取り図を見せながら物語が進行する、というアイデアは、松原タニシさんの「事故物件怪談 恐い間取り」を参考にさせていただきました。
――書籍化の打診を受けてどう思われましたか?
まさか自分の人生で本を出すことになるなんて、夢にも思っていなかったので驚きました。
――書籍化の加筆時に心がけたことがあれば教えてください。
一冊を通して、怖さと不気味さを増幅させていくこと、平易な文章でわかりやすく書ききること、そして、最後にはすべての謎を解き明かすことです。
――20万部というヒットをどう感じていますか?
すごいことだと思います。だた、私の家の近くには書店がないので、本当にそんなに売れているのか、いまだに半信半疑です。
――今後も小説を書かれるご予定はありますか?構想があれば教えてください。
構想はまだありませんが、また書かせていただける機会があるなら、もっと心理描写や文学的な表現を追求し、より小説として読み応えのあるものを書きたいと思っています。
――読者へのメッセージがあればお願いします。
読んでいただき、ありがとうございます。色々といたらない点もあったかと思いますが、さらに精進しますので、また機会があれば手にとっていただけると嬉しいです。
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