「ラヴィット!」情報番組の皮をかぶった“大喜利バラエティ”で光る麒麟・川島のMC
情報番組の皮をかぶった「大喜利番組」
「若手がみんな間違えて『大喜利番組』っていうんですけど、情報番組ですから」
「ラヴィット!」のオープニングで、麒麟・川島明はゲストのすゑひろがりずにそう念を押した。そのあと、台本をめくりながら「ちなみに、今日はいつもより大喜利多いんで頑張ってください(笑)」と付け加える。
今年4月から「日本でいちばん明るい朝番組」として始まった「ラヴィット!」(TBS系)。ワイドショーが軒を連ねる朝8時台に、あえてニュースを取り上げず、食やファッションなどの生活情報を届けている。MCは川島と田村真子TBSアナウンサーの2人。芸人多めの曜日レギュラーたちがその脇を固める。
その「ラヴィット!」、開始当初は視聴率の苦戦がよく報じられていた。ランキングのVTRが中心で、せっかく腕のある芸人が揃っているのにスタジオパートが少ないことを、残念に思う声もあった。
ところが、開始から3カ月を経ち、「ラヴィット!」はいま、ゴリゴリの大喜利が毎朝見られる場所になりつつある。
たとえば、先述のすゑひろがりずが出演した6月17日。特集は「最新掃除・洗濯家電ランキング」だった。VTRには家電のプロ3人が登場し、ランキングと共に家電を紹介していく。とあるゴミ箱が登場したところで、スタジオにクイズ。
「このゴミ箱、どんな便利機能がついている?」
中だるみを防ぐため、VTRの途中でスタジオに返す演出は、いろんな情報番組で目にする。特定のゲストを名指しして「7秒でお答えください」なんてのもあるだろう。
ここで「ラヴィット!」はスタジオの時間をたっぷりとり、答えがわかった人から挙手で答えてもらうのだが……。
「ごみ処理場と直結してすぐ捨てられる」
「最悪の場合トイレとして使ってもいい」
「裏にご先祖さまの戒名を書いて永代供養ができる」
みんなこぞってボケまくりなのだ。そして、1ボケごとに川島が「ゼロ4つくらい足りませんけど」「朝から戒名とかやめてくださいね」と丁寧にツッコんで笑いに変えていく。ひとしきり盛り上がったあと、やっと正解が出て、VTRの続きが流れる。その繰り返し。
放送終了後、公式Twitterに今日の感想を問われたすゑひろがりずによれば、「ラヴィット!」の台本は全部黒塗りされており、何が問われるのかは一切わからないそう。「そこまですることですか?」と話していた。
その場でお題が発表され、芸人の腕が試されるガチの大喜利。これが平日の朝、毎日行われている。
クイズ以外にも、大喜利力が求められる場面はそこかしこにある。何かに答える、フリップを出す、その全てに大喜利の「獅子」が眠っているといっていい。
VTR途中に登場する番組キャラクター「ラッピー」もそうだ。スタジオのメンバーに食レポをうながすなど、VTRとスタジオを繋ぐ役割を持つキャラクターなのだが、ときどきスタジオの芸人にとんでもない無茶振りを仕掛けることがある。
なかでも水曜レギュラーの見取り図・盛山への当たりはキツい。16日放送では「一流料理人が選ぶキムチランキング」のVTR中に、ラッピーが白菜を使ったモノボケを5秒で要求。スタッフから本物の白菜が突然投げ込まれ、赤ちゃんのように白菜を抱える盛山。ようやくモノボケを絞り出しても、フォローもツッコミもなくVTRに戻ってしまうラッピー。やりたい放題である。
視聴者プレゼントに使う「キーワード」も例外ではない。15日放送では「.st」のコラボTシャツプレゼントのキーワードを、ビビる大木が発表することに。「今日誕生日なので」という理由でフリップに書かれたキーワードは、「チャンカワイ」だった。
プレゼントの応募には、ラヴィット公式Twitterの投稿をキーワード付きでリツイートする必要がある。視聴者がこぞって「チャンカワイ」を付けてリツイートした結果、Twitterのトレンド上位に「チャンカワイ」がランクインしてしまった。番組には一秒も出ていないのに。
ただ、この大喜利には大きな「制約」がある。「ラヴィット!」は生放送なのだ。
特にクイズで出されるお題の場合、たとえプロの芸人でも、すぐに答えが浮かばないことは往々にしてある。途中で答えが尽きてしまうことだってあるだろう。スベっても編集できないし、なにより最後にはちゃんと「正解」に導かないといけない。生放送の大喜利にはさまざまなリスクが潜んでいる。
リスクコントロールのひとつが「ヒント」だ。VTR途中で出題されるクイズには、ヒントが2、3用意されている。パネラーの回答を見ながら、川島がヒントを絶妙に出し、ボケすらもヒントに誘導していく。
たとえば、「ロッカーのような形をした洗濯家電、どんな便利な機能がついている?」という問題。すゑひろがりずやNON STYLE石田らの答えはこうだった。
「おばちゃんが入ってる」
「モップが100本入っている」
「最悪入って体の汚れが取れる」
一周したところで、ヒントとして「焼肉屋さんで活躍します」が出る。先ほどのお題に「焼肉」という要素が加わり、大喜利としてはより答えにフォーカスしやすくなる。その結果……。
「おばちゃんが焼いてくれる」
「トングが100本入っている」
「最悪牛も洗える」
自分が前に出した回答を「焼肉」に寄せる、という新たな流れが生まれた。「牛一頭買いじゃなくて牛一頭洗いですか」とツッコミも冴え渡る。その後もうひとつヒントが出て、最終的に正解の「衣類をハンガーにかけていれるだけで除菌除臭をしてくれる」までたどり着いた。
残り時間が少ないときは、いきなり2つヒントを出すこともある。ヒントが大喜利の展開を変え、時間配分の問題を解決してくれる。
ちなみにこの日、プレゼントキーワードは「牛一頭洗い」だった。
ただ、ヒントだけでは「スベっても編集できない」は解決できない。そこで輝くのが、川島のフォロー力だ。ボケに対してツッコみ、一声で終わらせない。かならず何か言葉を重ね、世界観を広げてくれる(それでもどうしようもない時は発言者をその場に立たせることもあるが)。
6月18日放送では、「スーパーで購入したバナナを甘くする方法とは?」というクイズがあった。「家のあるものでできる」「ボウルを使う」というヒントに、くっきー!が「血液を入れる」と答え「なにを召喚するんですか」とツッコまれたあと、EXITのりんたろー。が手を挙げた。
りんたろー。「ジーコ選手がやってたんですけど、ボウルをセットしてバナナを置いて唾をかける」
一瞬「?」という空気になるスタジオに、川島が笑いながらこう返す。
川島「PKのとき一発退場になりましたけどね(笑)。昭和生まれしか知らないでしょ!? アントラーズ時代、不服な判定もらって唾はいて退場になりましたけども」
“サッカーの神様“と称されたジーコの現役時代、1993年のエピソードである。川島は一瞬でこれを理解し、解説し、「第7世代だけど昭和生まれ」というEXITりんたろー。イジりまで加えてしまった。
どんな悪球でも拾ってくれると思えば、ボケる側も安心してボケられるだろう。笑いに尖った空気を極力出さず、朝らしい、ゆるく楽しい雰囲気はここから生まれるのかもしれない。
さらに、川島は「プレイングマネージャー」でもあり、自らも汗をかく。
オープニングトークでは、レギュラー陣やゲストがテーマに沿ったエピソードを披露したあと、必ず最後を引き受ける。ぼる塾や見取り図とった若手が仕切るコーナーでは、自らパネラー席に座り、積極的にボケ続ける。EXITが仕切る「クイズ・エモジット」でもそう。
「TikTokで総再生回数2900万回超えた、透明テープの”エモい”使い方とは?」
「 お湯にくぐらせてスッといただく」
大喜利の実力は「IPPONグランプリ」でも折り紙付き。その瞬発力と発想力は、ロケVTRを見るワイプでも、生クッキング対決でも、今日の占いいきなり答え合わせでも、番組の隅々まで遺憾なく発揮されている。
川島は、かつてNHKラジオ「すっぴん!」(2012~2020年)で、「日本一早い!大喜利コーナー」を担当していた。朝8時台のラジオで、全国から集まる投稿を読んでいた川島は、いま平日の朝8時台のテレビで「日本一早い大喜利番組」を回している。この巡り合わせは運命であり、必然だったのかもしれない。
文=井上マサキ
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