山崎賢人&土屋太鳳「また生き残って会おうね」4度目共演の深き絆で語る<「今際の国のアリス」インタビュー>
2020.12.10 21:27
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Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』(12月10日配信開始)でW主演を務める俳優の山崎賢人(やまざき・けんと※「崎」は正式には「たつさき」)と女優の土屋太鳳(つちや・たお)が、モデルプレスのインタビューに応じ、5年ぶりの再共演や作品への思いを語った。
麻生羽呂氏の人気コミックを原作に、人生に夢を見出せず曖昧に生きてきたアリス(山崎)と、どんな苦境でも「生きる意味」を探し続けるウサギ(土屋)が、突然放り込まれた謎の世界“今際の国”で共に信頼を築き、“生き延びる”ために理不尽な現実に挑む姿を壮大なスケールで描く本作。
手掛けるのは山崎とタッグを組んだ映画「キングダム」(2019)が記憶に新しい佐藤信介監督。土屋は「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」(2013)以来の佐藤組への参加となる。
山崎と土屋は2015年放送のNHK連続テレビ小説「まれ」、同年公開の映画「orange-オレンジ-」以来、4度目の共演。撮影前山崎は「この作品は精神的にも体力的にもとても苦しい撮影になると思いますが、共に大変な時期を乗り越えてきた土屋太鳳ちゃんと今、また一緒に頑張れることを嬉しく思っています」とコメントし、土屋は山崎・佐藤監督との再タッグについて「感無量です。私が20代のスタートダッシュに賭けた頃を知るお2人であり、新たな役での再会は目標の一つでした」と思いを語っていた。
山崎:スケジュール感でいうと、たっぷり時間をとって、1日あたりの負荷は減らして撮影することができたので「Netflixさんすごいな」と思ったくらいだったんです。
土屋:時間に余裕があったので、夕方くらいにみんなで一緒に出かけて、夕日を見たりしたのですが、そういうことができたのがすごく嬉しかったです。
普段の日本の作品はどうしてもタイトに撮らなければいけないものが多く、役者にとっては間に合うか間に合わないかギリギリの瞬発力が必要になってくるので、すごく苦しい時もあります。でも、充分に睡眠もとれていない中でいいものができてしまうと、「私たちはギリギリの中でないといいものが作れないんだ」と勘違いしてしまい、同じような繰り返しになってしまう。なので、今回Netflixさんにたっぷり時間をいただいて、時間があるからこそこうやって一緒に思い出を作って役作りできていくのだなと感じました。
― そんな中でも大変だったシーンはありますか?
山崎:あるシーンで極限状態で衝撃的なことが起きてしまうという精神状態に持っていくのは大変でした。普段だったら絶対やらないことだと思うので、自分の気持ちをリアルに持っていけるのかというのが。それでも本当に作品に魅力を感じていたし、太鳳ちゃんと監督、スタッフ、キャストみんなで乗り越えられたのではないかと思います。
土屋:でも、本当に素晴らしかったです。アリスにとって難しいだろうなというシーンは、台本を見たら分かるし、現場にいなくても、ウサギとしても土屋太鳳としても願っていました。アリスはすごく苦しかっただろうと思うし、視聴者としても役としても感動しました。
― 大変な撮影もある中で、10代の頃から経験を共にされてきたお2人だからこそ支えあえたと感じた場面などはありますか?
山崎:撮影の合間に一緒に話していた時間は、すごく心の支えになりましたね。信頼感がありました。
土屋:「こういう感情のはずだから、こういう言葉で助けよう」とか「この言葉を出すにはどういう感情だろう」と作り込まず、自然に嘘のない言葉を投げかけられて、それを賢人くんも返してくださったので、すごくやりやすかったです。
山崎:面白くて最終巻まで手が止まらなかったです。最初はよくあるサバイバルゲーム作品かと思い読み始めたのですが、ゲームの内容が面白いのはもちろんのこと、読んでいる人にすごく考えさせる内容で、生きることをここまで突き詰めているサバイバルゲームの漫画はほかに無いんじゃないかと。“げぇむ”の表面的な部分だけじゃなく、生きるという本質な部分を描いているところにすごく魅力を感じて、やりたいなと思いました。
― 土屋さんはいかがですか?
土屋;私はあまり残酷なものが好きなタイプではないので、言われなかったら出会わなかったような作品なのですが、読んでいくうちにどんどんと引き込まれました。撮影が始まった最初の頃は、まだ前半戦のビーチ編までしか読んでいなくて、「今自分たちがやってる“げぇむ”の意味が分かるから、絶対最後まで読んだほうがいいよ」と賢人くんに言われて、撮影中に漫画喫茶に行ってずっと読んでいたんです(笑)。漫画喫茶で本当に号泣してしまいました。
今、当たり前のことが当たり前にできないじゃないですか。ご飯に行ったり旅行に行ったりすることもできなくて、人と生きることがすごく見直されたと思うんです。失ったものが多ければ多いほど、やっぱり人といることが大事だなと思わされます。そういった生きる意味みたいなものがすごく詰まってる作品だと思いました。自分たちが伝えたいものを伝えられる作品をやりたいと思うのは賢人くんもだと思うし、私もそうなので、受けさせて頂きました。
山崎:芯の強さと優しさは本当に太鳳ちゃんから滲み出るものでした。友達など支えてくれてる人はもちろんいますが、芸能界に限らず僕たちは1人で戦ってるような場面がたくさんあると思うので、その中で生き抜いていく強さのようなものを感じます。
土屋:現場でも「生き残ってきたね」と「また生き残って会おうね」ということを話していたんです。「前のこの現場はこうだった」とか、そういうことを話せる信頼関係があって「辛かったのは自分だけじゃなかったんだな」と思えることもありました。だからこそ、またこうやってタッグを組んで、一緒に辛い“げぇむ”を乗り越えるという役柄に出会えたのかなと感じます。
そしてアリスというキャラクターは、強くても弱くてもいけないところがすごく難しいと思います。でも賢人くんは両極を持ってる方で、明るいところもあれば暗いところもあり、はっきりしてるところもあればほんわかしているところもあり。それがすごくアリスにぴったり合っていると思います。
山崎:ありがとう(笑)。
― ドラマ「黒の女教師」(TBS/2012)で最初に共演されてからそういうところは変わらないところですか?
山崎:「黒の女教師」の時は正直まだよくわかっていなかった10代のころなので…(笑)。
土屋:でも同じような髪型だよね(笑)。
山崎:そうだね。長くてちょっと大人ぶってた。
土屋:ちょっと茶色で、「23歳くらいかな」ってその時は思っていて。もう私たちその歳越しちゃいましたけど。
山崎:そうだね(笑)。
― その頃からお互いに「変わらないな」と思うところはありますか?
山崎:人に対しての愛情とか、すごく周りのことを見ていること、明るさ、すごく一生懸命なところ。そういう部分は一切変わらないですね。
― 今回この過酷な世界を一緒に生き抜く相手を土屋さんが演じると聞いた時、心強さはありましたか?
山崎:すごく心強かったですし、安心感も大きかったです。太鳳ちゃんが体をすごく動かせることを知っていたのでぴったりだなと。
土屋:ありがとうございます(笑)。
― 土屋さんはいかがですか?
土屋:賢人くんが大きく変わった感じはしなかったです。人と会話してる感じとか。皆が好きなんですよね。完璧な人はいないので皆に好かれなきゃいけないということではないのですけど、だけどやっぱり人との向き合い方とか、そういうところもより素敵になっているのではないかと思います。
山崎:「8年越しの花嫁 奇跡の実話」で悩む姿などはすごく大変そうだと思いましたし、一方で「チア☆ダン」のような作品もやっていて、本当に色んなジャンルでとめどなく活躍しているなと思っていました。たまに話は聞いたりしていて。
土屋:そうだね。
山崎:「なんとか生き残ろう」という話をしていて、5年後にこういう生き残りをかけたテーマの作品で共演でき、世界に向けて一緒に戦えて嬉しいです。
― 土屋さんはいかがですか?
土屋:やっぱりこの5年間の間に、より座長感が増されたと思います。色んな戦いの中を生き残ってきた芯の強さを感じますし、お芝居の姿勢や、スタッフさんに対する姿勢は「座長だな」「ついていきたいな」と思うような背中です。それこそ「キングダム」もそうですし、「劇場」とか、色んなジャンルをやられている中で、お芝居に対してこなれた感じがなく、常に真っ直ぐさ、新鮮さがあるんです。これからもっと大人になって、色んな生活をしていく上で、さらに色んな表現が増えていかれるんだろうと感じて。私は反省しました(笑)。
― 反省したとは?
土屋:例えば現場で疑問を感じた時、賢人くんはすごく真っ直ぐ、何回でもやるし、そういう覚悟でやっていると思わされたんです。色んな台詞をやっていくと、「こうなんじゃないか」という固定概念が増えていくのですが、それを持たずに貪欲でいた方がよいのだなとすごく感じました。
― お互いに尊敬できる存在なんですね。
山崎・土屋:尊敬しています。
山崎:なんとか体力系だと思います。
土屋:私もスポーツ系で乗り切れたらと思います。やっぱりほかのジャンルはきついよね。
山崎:そうだよね。心理戦で人を裏切る「ハート」とかはね…。
土屋:うん。ハートはきついね。
山崎:友達とか、大切な人と参加したくない“げぇむ”だよね。
― では2人とも「スペード」なら活躍できそうですか?
土屋:そうですね。賢人くんも走るのが速いから。
山崎:でも、もし敵がボルトみたいな人だったらどうしよう(笑)。
土屋:それはもう、無理だよ(笑)。
山崎:そう考えると、体力戦だとしても協力したりする“げぇむ”がいいのかもね。みんなの知恵を借りて。
土屋:そっか、みんなとできるのはいいよね。
山崎:うん。でもそれが友達じゃなかったら、裏切られる可能性も…。
土屋:怖い(笑)。
― もし「ハート」が当たってしまった場合、どういう振る舞いをすると思いますか?
山崎:友達や大切な人が居なくて知らない人だけだったら、やっぱり「生きたい」と思うと思います。生きて会いたい人もいるし、心を冷徹にして挑むかもしれないです。
山崎:やっぱり壮大なスケールで繰り広げられる映像と、それぞれのキャラクターが本当に魅力的で、生きるということに対しての価値観が丁寧に1話1話描かれてるのが見どころだと思います。
土屋:すごく映像に迫力があって、VFXの効果も私たちには想像できないようなものになっていたので、機械もカメラの性能もどんどんテクニックが上がっているこの時代にこの作品ができて、みなさんにも画をリアルに感じて頂ける。だからそこはすごく見どころだなと感じます。今の時代は皆、頑張って必死に生きているから、とにかくアリスたちと一緒に“げぇむ”を乗り越えて、なにか大切なものに気づいてもらえたらと思います。
― ありがとうございました。
お互いの俳優人生に大きな影響を与えた作品で、運命を共にしてきた2人。インタビュー中も、咳き込んでしまった土屋に山崎が「水とか大丈夫?」とすかさず声をかけたり、変わらない人となりを称賛された土屋がおどけてみせたり、過酷な役者の道を生き抜いてきた2人だからこそ、にじみ出る信頼関係を感じさせた。(modelpress編集部)
PHOTO:赤英路
一方、クライマーのウサギ(土屋)は、尊敬する父親と共に山頂で過ごす時間に「ずっとこのままで居たい…!」と思わず言葉にしてしまう程、充実した時間を過ごしていた。しかし突然、街から人々が消えたことで、当たり前の日常が一転する。
無人と化した東京に戸惑うアリス達の前に、「ようこそプレイヤーのみなさま まもなく“げぇむ”を開始します」という不気味なメッセージが現れる。不可思議な事態に現実感を持てなかったアリス達も、目の前で他者の命が奪われたことでこの世界の容赦ないルールを思い知るのだった…。壁面にマークごとに数字が規則的に並べられたトランプカード。そして一癖も二癖もありそうなキャラクターたち。突如、迷い込んだ非日常に、戸惑う者や楽しむ者。様々な人間心理が交差する。
アリスとウサギを待ち受ける運命とは果たして?元の世界に戻る事は出来るのか――。
手掛けるのは山崎とタッグを組んだ映画「キングダム」(2019)が記憶に新しい佐藤信介監督。土屋は「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」(2013)以来の佐藤組への参加となる。
山崎と土屋は2015年放送のNHK連続テレビ小説「まれ」、同年公開の映画「orange-オレンジ-」以来、4度目の共演。撮影前山崎は「この作品は精神的にも体力的にもとても苦しい撮影になると思いますが、共に大変な時期を乗り越えてきた土屋太鳳ちゃんと今、また一緒に頑張れることを嬉しく思っています」とコメントし、土屋は山崎・佐藤監督との再タッグについて「感無量です。私が20代のスタートダッシュに賭けた頃を知るお2人であり、新たな役での再会は目標の一つでした」と思いを語っていた。
山崎賢人&土屋太鳳、Netflixでの撮影振り返り…支えあえたこととは
― 撮影前、山崎さんは「この作品は精神的にも体力的にも苦しい撮影になると思います」とコメントされていましたが、実際に撮影していかがでしたか?山崎:スケジュール感でいうと、たっぷり時間をとって、1日あたりの負荷は減らして撮影することができたので「Netflixさんすごいな」と思ったくらいだったんです。
土屋:時間に余裕があったので、夕方くらいにみんなで一緒に出かけて、夕日を見たりしたのですが、そういうことができたのがすごく嬉しかったです。
普段の日本の作品はどうしてもタイトに撮らなければいけないものが多く、役者にとっては間に合うか間に合わないかギリギリの瞬発力が必要になってくるので、すごく苦しい時もあります。でも、充分に睡眠もとれていない中でいいものができてしまうと、「私たちはギリギリの中でないといいものが作れないんだ」と勘違いしてしまい、同じような繰り返しになってしまう。なので、今回Netflixさんにたっぷり時間をいただいて、時間があるからこそこうやって一緒に思い出を作って役作りできていくのだなと感じました。
― そんな中でも大変だったシーンはありますか?
山崎:あるシーンで極限状態で衝撃的なことが起きてしまうという精神状態に持っていくのは大変でした。普段だったら絶対やらないことだと思うので、自分の気持ちをリアルに持っていけるのかというのが。それでも本当に作品に魅力を感じていたし、太鳳ちゃんと監督、スタッフ、キャストみんなで乗り越えられたのではないかと思います。
土屋:でも、本当に素晴らしかったです。アリスにとって難しいだろうなというシーンは、台本を見たら分かるし、現場にいなくても、ウサギとしても土屋太鳳としても願っていました。アリスはすごく苦しかっただろうと思うし、視聴者としても役としても感動しました。
― 大変な撮影もある中で、10代の頃から経験を共にされてきたお2人だからこそ支えあえたと感じた場面などはありますか?
山崎:撮影の合間に一緒に話していた時間は、すごく心の支えになりましたね。信頼感がありました。
土屋:「こういう感情のはずだから、こういう言葉で助けよう」とか「この言葉を出すにはどういう感情だろう」と作り込まず、自然に嘘のない言葉を投げかけられて、それを賢人くんも返してくださったので、すごくやりやすかったです。
土屋太鳳、漫画喫茶で原作読み号泣
― 原作漫画を読まれた時の印象はいかがでしたか?山崎:面白くて最終巻まで手が止まらなかったです。最初はよくあるサバイバルゲーム作品かと思い読み始めたのですが、ゲームの内容が面白いのはもちろんのこと、読んでいる人にすごく考えさせる内容で、生きることをここまで突き詰めているサバイバルゲームの漫画はほかに無いんじゃないかと。“げぇむ”の表面的な部分だけじゃなく、生きるという本質な部分を描いているところにすごく魅力を感じて、やりたいなと思いました。
― 土屋さんはいかがですか?
土屋;私はあまり残酷なものが好きなタイプではないので、言われなかったら出会わなかったような作品なのですが、読んでいくうちにどんどんと引き込まれました。撮影が始まった最初の頃は、まだ前半戦のビーチ編までしか読んでいなくて、「今自分たちがやってる“げぇむ”の意味が分かるから、絶対最後まで読んだほうがいいよ」と賢人くんに言われて、撮影中に漫画喫茶に行ってずっと読んでいたんです(笑)。漫画喫茶で本当に号泣してしまいました。
今、当たり前のことが当たり前にできないじゃないですか。ご飯に行ったり旅行に行ったりすることもできなくて、人と生きることがすごく見直されたと思うんです。失ったものが多ければ多いほど、やっぱり人といることが大事だなと思わされます。そういった生きる意味みたいなものがすごく詰まってる作品だと思いました。自分たちが伝えたいものを伝えられる作品をやりたいと思うのは賢人くんもだと思うし、私もそうなので、受けさせて頂きました。
山崎賢人&土屋太鳳、お互いの変わらないところは
― お互いを見て、それぞれはまり役だなと思う部分はどんなところでしょうか。
山崎:芯の強さと優しさは本当に太鳳ちゃんから滲み出るものでした。友達など支えてくれてる人はもちろんいますが、芸能界に限らず僕たちは1人で戦ってるような場面がたくさんあると思うので、その中で生き抜いていく強さのようなものを感じます。
土屋:現場でも「生き残ってきたね」と「また生き残って会おうね」ということを話していたんです。「前のこの現場はこうだった」とか、そういうことを話せる信頼関係があって「辛かったのは自分だけじゃなかったんだな」と思えることもありました。だからこそ、またこうやってタッグを組んで、一緒に辛い“げぇむ”を乗り越えるという役柄に出会えたのかなと感じます。
そしてアリスというキャラクターは、強くても弱くてもいけないところがすごく難しいと思います。でも賢人くんは両極を持ってる方で、明るいところもあれば暗いところもあり、はっきりしてるところもあればほんわかしているところもあり。それがすごくアリスにぴったり合っていると思います。
山崎:ありがとう(笑)。
― ドラマ「黒の女教師」(TBS/2012)で最初に共演されてからそういうところは変わらないところですか?
山崎:「黒の女教師」の時は正直まだよくわかっていなかった10代のころなので…(笑)。
土屋:でも同じような髪型だよね(笑)。
山崎:そうだね。長くてちょっと大人ぶってた。
土屋:ちょっと茶色で、「23歳くらいかな」ってその時は思っていて。もう私たちその歳越しちゃいましたけど。
山崎:そうだね(笑)。
― その頃からお互いに「変わらないな」と思うところはありますか?
山崎:人に対しての愛情とか、すごく周りのことを見ていること、明るさ、すごく一生懸命なところ。そういう部分は一切変わらないですね。
― 今回この過酷な世界を一緒に生き抜く相手を土屋さんが演じると聞いた時、心強さはありましたか?
山崎:すごく心強かったですし、安心感も大きかったです。太鳳ちゃんが体をすごく動かせることを知っていたのでぴったりだなと。
土屋:ありがとうございます(笑)。
― 土屋さんはいかがですか?
土屋:賢人くんが大きく変わった感じはしなかったです。人と会話してる感じとか。皆が好きなんですよね。完璧な人はいないので皆に好かれなきゃいけないということではないのですけど、だけどやっぱり人との向き合い方とか、そういうところもより素敵になっているのではないかと思います。
山崎賢人&土屋太鳳、お互いの活躍に刺激・尊敬
― これまでもターニングポイントとなるような作品で共演されているお2人ですが、5年ぶりの共演ということで、この5年間はお互いの活躍をどのように見ていましたか?
山崎:「8年越しの花嫁 奇跡の実話」で悩む姿などはすごく大変そうだと思いましたし、一方で「チア☆ダン」のような作品もやっていて、本当に色んなジャンルでとめどなく活躍しているなと思っていました。たまに話は聞いたりしていて。
土屋:そうだね。
山崎:「なんとか生き残ろう」という話をしていて、5年後にこういう生き残りをかけたテーマの作品で共演でき、世界に向けて一緒に戦えて嬉しいです。
― 土屋さんはいかがですか?
土屋:やっぱりこの5年間の間に、より座長感が増されたと思います。色んな戦いの中を生き残ってきた芯の強さを感じますし、お芝居の姿勢や、スタッフさんに対する姿勢は「座長だな」「ついていきたいな」と思うような背中です。それこそ「キングダム」もそうですし、「劇場」とか、色んなジャンルをやられている中で、お芝居に対してこなれた感じがなく、常に真っ直ぐさ、新鮮さがあるんです。これからもっと大人になって、色んな生活をしていく上で、さらに色んな表現が増えていかれるんだろうと感じて。私は反省しました(笑)。
― 反省したとは?
土屋:例えば現場で疑問を感じた時、賢人くんはすごく真っ直ぐ、何回でもやるし、そういう覚悟でやっていると思わされたんです。色んな台詞をやっていくと、「こうなんじゃないか」という固定概念が増えていくのですが、それを持たずに貪欲でいた方がよいのだなとすごく感じました。
― お互いに尊敬できる存在なんですね。
山崎・土屋:尊敬しています。
山崎賢人&土屋太鳳、自分が“げぇむ”に参加するなら…
― 作品内の “げぇむ”では、トランプのマークごとに「クラブ」はチーム戦、「ダイヤ」は頭脳戦、「スペード」は体力戦、「ハート」は人の心を弄ぶ裏切りの心理戦と種類が決まっています。もしご自身が“げぇむ”に参加するとなったら、どのジャンルで活躍できると思いますか?山崎:なんとか体力系だと思います。
土屋:私もスポーツ系で乗り切れたらと思います。やっぱりほかのジャンルはきついよね。
山崎:そうだよね。心理戦で人を裏切る「ハート」とかはね…。
土屋:うん。ハートはきついね。
山崎:友達とか、大切な人と参加したくない“げぇむ”だよね。
― では2人とも「スペード」なら活躍できそうですか?
土屋:そうですね。賢人くんも走るのが速いから。
山崎:でも、もし敵がボルトみたいな人だったらどうしよう(笑)。
土屋:それはもう、無理だよ(笑)。
山崎:そう考えると、体力戦だとしても協力したりする“げぇむ”がいいのかもね。みんなの知恵を借りて。
土屋:そっか、みんなとできるのはいいよね。
山崎:うん。でもそれが友達じゃなかったら、裏切られる可能性も…。
土屋:怖い(笑)。
― もし「ハート」が当たってしまった場合、どういう振る舞いをすると思いますか?
山崎:友達や大切な人が居なくて知らない人だけだったら、やっぱり「生きたい」と思うと思います。生きて会いたい人もいるし、心を冷徹にして挑むかもしれないです。
「今際の国のアリス」見どころは
― 最後に作品の見どころを教えてください。山崎:やっぱり壮大なスケールで繰り広げられる映像と、それぞれのキャラクターが本当に魅力的で、生きるということに対しての価値観が丁寧に1話1話描かれてるのが見どころだと思います。
土屋:すごく映像に迫力があって、VFXの効果も私たちには想像できないようなものになっていたので、機械もカメラの性能もどんどんテクニックが上がっているこの時代にこの作品ができて、みなさんにも画をリアルに感じて頂ける。だからそこはすごく見どころだなと感じます。今の時代は皆、頑張って必死に生きているから、とにかくアリスたちと一緒に“げぇむ”を乗り越えて、なにか大切なものに気づいてもらえたらと思います。
― ありがとうございました。
お互いの俳優人生に大きな影響を与えた作品で、運命を共にしてきた2人。インタビュー中も、咳き込んでしまった土屋に山崎が「水とか大丈夫?」とすかさず声をかけたり、変わらない人となりを称賛された土屋がおどけてみせたり、過酷な役者の道を生き抜いてきた2人だからこそ、にじみ出る信頼関係を感じさせた。(modelpress編集部)
PHOTO:赤英路
「今際の国のアリス」ストーリー
部屋でいつものようにゲームに没頭するアリス(山崎)は、常に比べられてきた優秀な弟に「また、行ってねえのか。面接」と吐き捨てられ、衝動的に家を飛び出す。そんなアリス同様、漠然とした不満を持て余す高校時代からの親友である会社員のチョータ(森永悠希)とバーテンダーのカルベ(町田啓太)は渋谷でアリスと合流し、鬱憤を晴らすかのように「渋谷~最っ高~~!!」と叫びながら人混みで溢れるスクランブル交差点へ向かっていく。一方、クライマーのウサギ(土屋)は、尊敬する父親と共に山頂で過ごす時間に「ずっとこのままで居たい…!」と思わず言葉にしてしまう程、充実した時間を過ごしていた。しかし突然、街から人々が消えたことで、当たり前の日常が一転する。
無人と化した東京に戸惑うアリス達の前に、「ようこそプレイヤーのみなさま まもなく“げぇむ”を開始します」という不気味なメッセージが現れる。不可思議な事態に現実感を持てなかったアリス達も、目の前で他者の命が奪われたことでこの世界の容赦ないルールを思い知るのだった…。壁面にマークごとに数字が規則的に並べられたトランプカード。そして一癖も二癖もありそうなキャラクターたち。突如、迷い込んだ非日常に、戸惑う者や楽しむ者。様々な人間心理が交差する。
アリスとウサギを待ち受ける運命とは果たして?元の世界に戻る事は出来るのか――。
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