コロナ影響「TGC」無観客開催の意義「経済の持続性を重視しての決断」 W TOKYO村上範義氏コメント
2020.02.29 17:09
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「第30回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2020 SPRING/SUMMER」(以下:TGC)が2月29日、東京・国立代々木競技場第一体育館にて開催。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け無観客での実施を決めたことについて、TGC立ち上げから参画する「W TOKYO」代表取締役社長の村上範義氏がモデルプレスの取材に応じた。
新型コロナで無観客開催 “生中継イベント”として昇華
記念すべき30回目の開催となったTGC。「I ◆ TGC」(※◆はハートマーク)をテーマに聖地・代々木で開催され、モデルとして中条あやみ、マギー、藤田ニコルら、メインアーティストとして乃木坂46らが豪華にランウェイを彩る。今回は新型コロナウイルスの感染拡大による厚生労働省の発表を受け、異例の無観客開催に。来場予定だった観客へはチケット代の払い戻しが行われ、イベント自体は主にLINE LIVE(生中継)とSNS、メディア配信によって実施されている。
「W TOKYO」代表取締役社長・村上範義氏、異例措置が「チャレンジするきっかけにもなった」
モデルプレスの取材に応じた村上氏は「今回、このような局面で改めてTGCの存在意義を考える機会があった。それは女性ファッションブランドをはじめ、若年層向けの商品を扱う会社の発表の場になっているということ。それが改めてTGCのコアバリューだと気付いた」とコメント。「今回、発信・発表の場を設けることは、短期的な利益を求めるのではなく、中長期的な事を考えての決断」といい、「ネガティブな状況が続いている中で、可能な限りポジティブな要素を見出していくことが、経済の持続性という意味ではとても必要」と開催に踏み切った経緯を説明した。
開催発表後の反響については「イベントが開催されないことを覚悟していたが、LINE LIVEで見られることがわかり喜びの声が上がっている」とポジティブな声を報告。
この異例の状況を受け、実行委員会は演出に多くの変更を加え、生中継の視聴者が楽しめるよう尽力。「これからの5Gの時代、どうやって映像でファッションを表現していくか。そういう部分にチャレンジするきっかけにもなった」と村上氏。当日朝まで急ピッチで準備と調整が行われたといい、技術面でも「カメラの台数やカメラワークを変えて、ライブ配信用に設計し直した」と、急遽の対応を行ったと明かした。
無観客開催に伴い追加したコンテンツ
Twitterと連動したユーザー参加型の企画・シークレットゲストをユーザーに当ててもらうクイズを特別に実施。ハッシュタグをつけて投稿を募集し、正解した人の中から抽選でプレゼントが当たるように。
・定期的にあるLINE LIVEのスタジオトークコーナーで、一文字ずつキーワードを発表。キーワードを揃えて投稿した人の中から抽選でプレゼントが当たる。
・チケット購入者向けにTGCの会場で会いたかった出演者を募集し、当選した1名が実際にその出演者と電話で直接話すことができる突撃生電話企画を実施。
バックステージ紹介企画
今回の“特別感”を創出するため、普段は来場者が見ることのできないバックステージの様子を配信。ステージ直後の出演者にインタビューし、現場の臨場感が体験できるように。
ブースに代わる企画も
普段TGCでは話題の商品やサービスが実際にタッチ&トライできるブースも人気コンテンツのひとつだが、今回はスタジオから商品を紹介。ランウェイから投げこまれる予定だったアイテムやサンプリング予定だったアイテムをプレゼントする企画もイベント後に実施される。
変更された演出も多々
シークレットゲストを事前告知毎回のTGCで特に盛り上がるコンテンツである“シークレットゲスト”の登場について、今回は事前の盛り上げを作るためにあえてSNS上で事前に発表。1時間前に「この後シークレットゲストが登場」と告知し、登場約20分前には誰が登場するかの情報も解禁。これにより「早く見たい!」というワクワク感を煽る。
カメラ割の変更・テロップの追加
通常のLINE LIVE中継では会場モニターに流れる映像をそのまま流しているが、今回はスマートフォンやタブレットでの視聴に最適化し、寄りの映像を増加。より出演者の表情を楽しめるカメラ割で配信を行う。
さらに登場した瞬間に誰かわかるよう、全出演者のテロップを表示する。
ウイルス予防の啓蒙
トークでもコロナウイルの話題に触れることで、TGCのポップなテンションで視聴者にもコロナ予防を啓蒙する。
スタッフや出演者もウイルス対策を徹底
メディア配信がメインとなった今回、会場では感染予防・拡散防止のため、スタッフや出演者への対策も。関係者エントラスやモデル控室・トイレ・ミーティングルームなどには除菌用の次亜塩素水のハンドクリーナー、スプレーボトル、超音波噴射旗を設置。主催者側関係者はマスクを着用し、報道関係者にもマスクを無償配布すると呼びかけた。
またリハーサル時は、出演者もマスクをつけてステージに。ステージにも次亜塩素水を配置し、LINE LIVEのスタジオゲスト・スタッフにはスタジオに入る前にアルコール消毒を徹底。
また事前の報道関係者へのアナウンスでは、当日37.5度以上の発熱をしているかつ呼吸器症状がある人、本人・またはその家族が14日以内に中国への海外渡航歴がある人、新型コロナウイルス患者と濃厚接触した可能性がある人は出席しないよう呼びかけている。
政府が大規模イベントの自粛を要請
18日の新型コロナウイルス感染対策本部において、安倍晋三首相は大型イベントの開催について、開催時期見直しの必要性なども含めて検討するようにと厚生労働省に指示。これにより厚生労働省は20日、ウイルスの感染を防ぐためには今が重要な時期であるとし、イベント等の主催者にむけて「感染の広がり、会場の状況などを踏まえ、開催の必要性を改めて検討していただくようお願いします」としていた。さらに26日には、安倍晋三首相が「多数の方が集まる全国的なスポーツや文化イベントに関し、今後2週間は中止や延期、規模縮小の対応を取るよう要請する」と表明。これにより、多くのイベントやコンサート等が急遽中止・延期の措置をとっている。
厚生労働省による28日の発表によれば、新型コロナウイルスの国内感染者は230名(患者208名、無症状病原体保有者22名)。国内の死亡例は6名(1名はダイヤモンド・プリンセス乗車の英国籍男性)となっている。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】
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