土ドラ「傘をもたない蟻たちは」で主演を務める桐山漣【モデルプレス】

NEWS加藤シゲアキ小説が初連ドラ化 桐山漣主演で“生と性”をテーマに描く<コメント到着>

2015.11.17 11:04

NEWS加藤シゲアキの短編小説集「傘をもたない蟻たちは」(KADOKAWA)が、来年1月期にフジテレビ系にて連続ドラマ化することが決定。俳優の桐山漣が主演を務めることがわかった。

加藤は、2012年1月に「ピンクとグレー」で衝撃の文壇デビューを果たし、その後も「閃光スクランブル」「Burn.-バーン-」を発表、これら3作品が“渋谷サーガ”シリーズとしてベストセラーとなり、今回ドラマ化される「傘をもたない蟻たちは」は、自身4作品目の単行本となる。加藤の作品が映像化されるのは、処女作「ピンクとグレー」の映画化(2016年1月9日公開)に次いで2作目。奇しくも「傘をもたない蟻たちは」の初回放送日も、1月9日となる。

短編集を再構築 テーマは“生と性”

本作は、エリート・サラリーマン、女子高生、美大生など“いまを生きる”さまざまな主人公たちが登場する6編(「染色」「Undress」「恋愛小説(仮)」「イガヌの雨」「インターセプト」「にべもなく、よるべもなく」)の物語で構成される短編小説集。加藤自身が「実験的に、意欲的に、僕自身もリスタートした気持ちで臨んだ」と語るように、“生と性”をテーマに、短編それぞれの作品でファンタジー、ラブストーリー、純文学など幅広いジャンルの物語が展開される意欲作。今回の土ドラ「傘をもたない蟻たちは」では、原作内の6編の物語から、「恋愛小説(仮)」「インターセプト」「にべもなく、よるべもなく」という全く異なる魅力を持つ3編を取り上げ、それらを4週連続ドラマとして放送する。4週連続ドラマとして放送するにあたり、加藤が紡ぎ出した小説の世界感を損なうことなく、それぞれの物語をいわば“因数分解”した上で再構築、原作とは一味違う映像作品としてアレンジを加えることにより、エンターテインメント作品として仕上げる。

全4話に共通する物語の主人公は、原作「恋愛小説(仮)」の主人公でもある若手小説家の橋本純(はしもと・じゅん/30歳)。純は、世界の不条理をテーマにした“SF”しか書いたことがなく、以前執筆していた連載も終わり、2年も単行本を出しておらず貯金を切り崩しながら生活をしている、いわば落ち目のSF小説家。そんな純に、彼が以前より世話になっている編集者・館山(たてやま/45歳)から仕事の依頼が舞い込む。仕事の内容は、若い読者向けのウェブマガジンに掲載する読み切りで、テーマは“恋愛”。恋愛小説など書いたこともなく、純は断ろうとするが「これが、ラストチャンス」と館山に押し切られる。締め切り間際になっても、一向に筆が進まず部屋の中で悩み続ける純のもとに、幼なじみの村田啓介(むらた・けいすけ/30歳)が現れる。恋愛小説が書けないと愚痴をこぼす純を励ます啓介。優しい啓介との会話の中から、作家デビュー当時に、熱狂的なファンが自分のゴミを持って帰ってしまった出来事を思い出す。その出来事から着想を得て、ようやく小説「インターセプト」(ドラマでは、原作『インターセプト』を純の妄想として映像化)を書き上げる。

主演は桐山漣 加藤シゲアキも“幼なじみ”役で出演

純を演じるのは、平成仮面ライダーシリーズ第11作「仮面ライダーW」(テレビ朝日系/2009~2010)で連続テレビドラマ初主演、その後もドラマ、映画、舞台、CMと幅広い活躍を続け、最近では映画「呪怨-ザ・ファイナル-」、映画「群青色の、とおり道」などでその存在感を示した桐山に決定。桐山がフジテレビドラマに出演するのは、土ドラ「ロストデイズ」(2014)以来で、フジテレビドラマ初主演となる。これまで、どちらかと言えば二枚目の役柄が多かった桐山が、落ち目のSF作家・橋本純をどのように演じるのか注目が集まる。

原作のファンだという桐山は「大いなるチャンスをいただいたなと思っております。本作へ選んでいただいたことへの感謝を胸に、しっかり準備をし、撮影に励んでいきたいと思います」と意気込みを語り、自身の演じる役どころについて「不器用な人間ですね。純の人間くさいところを好きになりました。振り幅がある役なので、今から撮影がとても楽しみです。作家としての行き詰まりや葛藤を丁寧に演じていきたいです」とコメントを寄せた。

そして、純の幼なじみ・啓介を演じるのは、このドラマの原作者でもある加藤。ドラマの出演は、新春ドラマスペシャル「大使閣下の料理人」(フジテレビ系/2015)以来、また連続ドラマに出演するのは「失恋ショコラティエ」(フジテレビ系/2014)以来となる。これまでにも「鍵のかかった部屋」(フジテレビ系/2012年)の第3話に原作者の貴志祐介氏がゲスト出演するなど、原作者がその原作ドラマに出演すること自体は珍しくないが、その多くは登場シーンの少ないゲスト出演やカメオ出演で、今回の加藤のように、ストーリー進行に密接に関わる重要な役柄でドラマ出演を果たすのは、極めて異例。加藤が演じる啓介は、原作には登場しないドラマオリジナルの役柄だけにそのキャラクターをどのように消化し表現していくのか、楽しみである。また、初共演となる桐山との掛け合いからも目が離せない。

加藤は「出演のオファーをいただいた時はとても驚きました。自分で作ったキャラクターなので気恥ずかしい部分もありますが、誰よりもこのキャラクターについて考えてきた自信があります。自分にしかできない演技を楽しみにしてもらえればと思います」と気合十分。桐山は加藤との初共演に「原作者の方との共演は、なかなかできることのない貴重な体験だと思います。ただ、僕も純と同じく器用な人間ではないんです。原作者であることは、頭の中でいったん置いておいて、素直に加藤さんとの芝居を楽しんでいければと思います。ビートを合わせ、いい“幼なじみ感”を出していきたいです」と語った。

脇を固めるキャスト陣も発表

(左上より時計回りに)阪田マサノブ、足立梨花、渡辺舞、竜雷太、南沢奈央
(左上より時計回りに)阪田マサノブ、足立梨花、渡辺舞、竜雷太、南沢奈央
このほか、編集者・館山を阪田マサノブ、純の妄想として映像化される「インターセプト」内に登場する孤高のマドンナ・中村安未果(なかむら・あみか/23歳)を足立梨花、中学校時代の純が付き合っていた同級生・赤津舞(あかつ・まい/30歳)を南沢奈央、純の地元の漁師で彼が慕ってやまない根津爺(ねづじい/70歳)を竜雷太と、豪華な出演者たちが脇を固める。

土ドラ「傘をもたない蟻たちは」は、2016年1月9日から1月30日の深夜23時40分~24時5分、全4話で放送。(modelpress編集部)

桐山漣コメント

Q:原作、および台本を読んだ印象
A:独創的でありエロス。ファンタジックな世界観にすぐ引き込まれました。台本では短編集でもある原作をひとつの物語へナチュラルに詰め込んであります。とても読みやすく面白い本でした。また原作も読ませていただき、本作のファンになりました。個人的には“インターセプト”が特に好きです。

Q:フジテレビ連続ドラマ初主演となりますが
A:大いなるチャンスをいただいたなと思っております。本作へ選んでいただいたことへの感謝を胸に、しっかり準備をし、撮影に励んでいきたいと思います。河野監督とは土ドラ『ロストデイズ』以来なのですが、共演者の皆さんは初めましての方が多いです。俯瞰(ふかん)で現場を見つつ、座長らしく引っ張っていきたいという心構えです。

Q:演じる橋本純というキャラクターについて
A:不器用な人間ですね。純の人間くさいところを好きになりました。振り幅がある役なので、今から撮影がとても楽しみです。作家としての行き詰まりや葛藤を丁寧に演じていきたいです。

Q:原作者・加藤シゲアキさんとの共演について
A:原作者の方との共演は、なかなかできることのない貴重な体験だと思います。ただ、僕も純と同じく器用な人間ではないんです。原作者であることは、頭の中でいったん置いておいて、素直に加藤さんとの芝居を楽しんでいければと思います。ビートを合わせ、いい“幼なじみ感”を出していきたいです。

Q:放送を楽しみにされている、桐山さんのファンの皆さんへメッセージ
A:いつも応援ありがとうございます。本作を撮り終えた時、自分の代表作のひとつになったと思えるような作品にしていく所存です。スタッフ、キャストと魂込めて作品作りに励んでいきます。原作ファンの方々もどうぞ、オンエアーを楽しみにしていてください。土ドラ『傘をもたない蟻たちは』、よろしくお願いします。

加藤シゲアキコメント

Q:「傘をもたない蟻たちは」の映像化が決定した際の感想
A:素直に嬉しかったです。映像化はピンクとグレーに引き続き2度目ですが、今回は短編集のドラマ化ということで、スタッフやキャストの皆さんがどう形にするのかとても楽しみです。

Q:原作者として、ドラマ出演を果たすことについて
A:出演のオファーをいただいた時はとても驚きました。自分で作ったキャラクターなので気恥ずかしい部分もありますが、誰よりもこのキャラクターについて考えてきた自信があります。自分にしかできない演技を楽しみにしてもらえればと思います。

Q:演じる村田啓介というキャラクターについて
A:村田啓介は、前半では主人公である純の昔の友達ということしかわかりません。次第に明かされる純と啓介との関係にはきっと驚いてもらえると思います。

Q:映像化に際して、原作者として楽しみにしていること
A:今回、短編集の中のいくつかが映像化されますが、原作とは違う形でひとつのストーリーになっています。僕が考えた物語を、監督、脚本家、キャスト、スタッフの皆さんがどのように形にしてくれるのか、とても楽しみです。

Q:ドラマの初回放送日には、映画「ピンクとグレー」も公開初日を迎えますが
A:偶然の重なりに戸惑いもありますが、このふたつの映像化を機に僕の作品を手にとってもらえるとうれしいですし、加藤シゲアキという“アイドル兼作家”を知ってもらえると、なおうれしいです。

Q:放送を楽しみにされている、加藤さんのファンの皆さんへメッセージ
A:少し物悲しくて切ない、土曜日の夜にぴったりなドラマになると思います。僕の小説を読んだことがある方もない方も、楽しんでもらえるのではないかと思っています。

フジテレビ ドラマ制作センター/編成企画 羽鳥健一氏コメント

NEWS加藤シゲアキさんの処女作であり、ベストセラー小説でもある“ピンクとグレー”を読んだ時に、その圧倒的な描写力と、物語の展開の面白さに本当に感動しました。その後、立て続けにヒット作を連発し、今年2015年、初めて短編小説集として発表されたのが“傘をもたない蟻たちは”です。恋愛物からSFまで多様なジャンルの物語が散りばめられた秀逸な短編小説集となっており、あらためて加藤シゲアキさんの小説家としての力量とその内容に感動させられるとともに、是非ドラマ化してみたいと思いました。

当初は、“オムニバスドラマ”として成立させることを思案していたのですが、何回も読み返すうちに、この短編小説集を“連続ドラマ”としてアレンジメントしてみたいという強烈な思いにかき立てられました。どの短編小説にも“若者たちが抱えている苦悩”が通底しているとともに、短編小説集全体をパッケージできる構造の作品があったことが、僕の中でこの作品をチャレンジではありますが、何としても“連続ドラマ”として制作したいという強い思いにつながりました。脚本の小川真さんとディスカッションを何度も繰り返し、ようやくでき上がったプロットを、原作者の加藤シゲアキさんから“面白い”と言っていただいてからは、脚本制作作業が勢いを増し、ついに“連続ドラマ”としての台本が完成しました。

撮影はこれからになりますが、主演は桐山漣さん。原作者である加藤シゲアキさんにも出演していただきます。原作者が主要なキャストを演じるというのは大変珍しいことだと思います。演出は「オリエント急行殺人事件」など、数々のヒットドラマを手掛けてきた河野圭太が担当します。連ドラ“傘をもたない蟻たちは”は、原作の肝の要素を散りばめて4話の連続ドラマとして構築したものですが、ちょっとファンタジックで、笑いも涙も、そして切なさもある欲張りなエンターテインメントドラマになると確信しています。皆さまどうぞ、ご期待ください。

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