SixTONES松村北斗、朝ドラ初出演で「改めて責任感が芽生えた」 上白石萌音の印象・田中樹からの連絡明かす<カムカムエヴリバディ>
2021.09.23 13:00
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2021年度後期のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演するSixTONESの松村北斗が、このほど行われた取材会に出席。朝ドラ初出演への思いや、ヒロインを務め初共演となる上白石萌音の印象などについて語った。
2021年度後期朝ドラ「カムカムエヴリバディ」
連続テレビ小説105作目となる今作は、連続テレビ小説『ちりとてちん』の藤本有紀氏が、ラジオ英語講座と、あんこと野球とジャズと時代劇を題材に書き下ろすオリジナルストーリー。安子・るい・ひなたとして、母から娘へとバトンを繋ぐ、戦前から戦後、そして令和までの物語をヒロインの3人が紡いでいく。初代ヒロイン・橘安子を上白石、二代目ヒロイン・るいを深津絵里、三代目ヒロイン・ひなたを川栄李奈が演じる。
連続テレビ小説初出演となる松村は、雉真繊維の社長・千吉の長男、雉真稔役。家業である繊維業を海外に展開させることを志す大学生。地元で有名な名家・雉真家の跡取りで英語が堪能な好青年。稔との出会いが安子の運命を動かしていく…という役どころとなる。
松村北斗、朝ドラ初出演は「変わった伝わり方だった」 田中樹から連絡
― 朝ドラ初出演が決まった時の心境と経緯をお聞かせください。松村:オーディションを受けて、後日決定のご連絡をいただいたのですが、実は変わった伝わり方だったんです(笑)。と言うのも、一次審査はこちらから動画などを送らせていただいて、二次審査は面接で、その後マネージャーさんから「いいところまで行っている」「もう一回くらいオーディションがありそう」と聞かされていたのですが、数日後に偶然会った滝沢(秀明)さんから、「良かったね!頑張ったね」としれっと言われてしまって、「ありがとうございます!…決まったんですか?」と聞いたら、「あれ!?まだ聞いてない?」「言っちゃダメだった?」と(笑)。僕はそこで初めて合格したことを知りました。
ずっとお世話になっているマネージャーさんがいて、その方が直接僕に言いたいだろうから、知ってしまったことを黙っておくように言われたのですが、さすがに内緒にはできませんでした(笑)。出演が決まった時は、もちろんすごく嬉しかったです。
― そんなサプライズがあったんですね(笑)。出演が決まった際、SixTONESのメンバーの反応はいかがでしたか?
松村:一番最初に反応したメンバーは田中樹で、ネットニュースか何かで知ったようで、わざわざ電話してきてくれました。「すごいじゃん!朝ドラ出るんでしょ?どんな感じなの?」と聞かれたので、「こんな感じで~」と7割くらい説明したところで、話している途中に電話を切られました(笑)。なので最終的には僕がどういう役を演じるのか、どういう物語なのか、わかっていないと思います。多分それをやりたくて電話してきたんでしょうね。そういうことがよくあるので、今回もいつものパターンだなと(笑)
― (笑)。演じる役柄についての印象や、松村さん自身との共通点をお聞かせください。
松村:実際の役は方言なのですが、オーディションの時にいただいていた台本では標準語だったんです。だからこそ親近感があって現代的だと感じたし、オーディションなので関係者の方しか見ていないこともあり、すごく演じやすかったのですが、いざ出演が決まると方言に変わっていて、時代を感じるようになって、正直オーディションの時とは役の見え方が全く変わりました。
稔は周りからはすごくしっかりしていると思われていて、大企業の長男として大成の道を歩き始めていくのですが、全貌を知っている僕からするとすごく人間的な役柄です。僕は、しっかりしなきゃいけないところでしっかりする覚悟はありつつも、本当は素の姿が楽なのに隠すしかなく、周りが望むもの・自分が正解だと思うものがどんどん積み重なっていって、本当に楽だと思う根っこの部分が下に沈んでいっているところに一番共感しました。きっと皆さんも共感するのではないかなと思います。
― 松村さんが台本を読んで一番素敵だと感じたのは、どのようなところですか?
松村:母と対立して、その後父と腹を割って話すシーンがあるのですが、そのシーンのセリフや空気感がすごく好きでした。そのシーンは単純にみんなのセリフが多くて、台本をめくってもめくってもシーンが変わらず、「長ぇ~!」と思ったくらいで(笑)、でもその中には大切な言葉があって、視聴者の方にも伝えたい言葉がたくさんあって。そこが素敵だなと感じました。
― 雉真家でのやりとりで得たものや、弟との関係性についてお聞かせください。松村さん自身も兄弟がいるとお聞きしていますが、照らし合わせていかがですか?
松村:父と子の関係性が、今とは違うなと感じました。自分が想像するよりもずっと父親の言うことが正解だったり、父親に対して自分の意見や考えを言うことがすごく必要だったりして、生まれも育ちも違えば理解できないことは人間誰しもあると思うのですが、とにかく“父が正解だ”という姿勢で話を聞いていました。台本の中でも、撮影以外でも、そういう気持ちがありました。
兄弟の関係性については、僕自身が弟で、上に兄がいるのですが、役では僕が兄で、村上虹郎さんが弟です。村上さんは自分より下の兄弟がいるとおっしゃっていたので、あまりにも話し込みすぎると立場が逆転してしまう、自分の弟感が出てしまう、と思ったので、あまり多くを語らずどっしり構えてみようと思ったことがありました(笑)
松村北斗「肝の強さを感じた」上白石萌音の印象語る
― 稔は安子にラジオ英語講座を聴くきっかけを与える役柄で、出会いからとても印象的だと感じているのですが、演じてみていかがでしたか?松村:出会いのシーンは、バカみたいな言い方になってしまいますが「うわ、めっちゃ朝ドラっぽい!」と思いました(笑)。現代にはない出会い方ですよね。現代で言うと、急いでいて手土産を買い忘れて、コンビニで手土産を買うみたいなものなのかな。方言は本当に難しかったです。個人的に岡山弁がなかなか慣れなくて、演じるうえでとても苦労しました。
― 上白石萌音さんの印象をお聞かせください。
松村:上白石さんは初共演なのですが、年齢不詳な感じがします(笑)。一貫した芯の強さ・太さみたいなものが主演たる所以というか、作品の軸としてどっしり構えられる理由なんだろうなと感じて、素直に素敵だなと思いました。
― 共演して意外だった面などはありますか?
松村:穏やかそうに見えて、ものすごい肝の強さを感じました。女優さん、俳優さん、皆さんそうだと思いますが、お会いする方々は皆さんすごく肝が据わっているというか、心臓に毛が生えているなと感じることが多いです。上白石さんの場合はそのギャップがより強く、上白石さんとして存在する内面と安子として存在する内面をしっかり分けているからこそ、一見表には出てこないと思うので、一緒に撮影してより実感しました。
松村北斗、英語の発音を練習もジェシーには頼らず
― 英語が堪能な役ということで、英語に関してどのような役作りをしましたか?松村:英語に関しては、もともと小学生の頃に英語の塾に通っていて、ここ数年は定期的にちょっと勉強していたので、なんとなくベースはわかる状態だったのですが、時代が変われば日本語の使い方が違うように、英語も違っていて、発音の仕方が違うんです。出演が決まってからレッスンを組んでいただいて、英語の意味合いというよりは発音の練習を中心にレッスンしました。
― SixTONESで言うと、ジェシーさんは英語が堪能ですが、何かアドバイスはありましたか?
松村:彼も結局現代人なので、聞かないようにしました。特に稔が勉強したのはラジオ英語講座というものだったので、一切ジェシーの顔は浮かびませんでした(笑)
― (笑)。今回の出演を機に、発音が変わってしまったということもありますか?
松村:ネイティブな方からしたら安易な考え方かもしれないのですが、「little」という単語だと、今はカタカナで「リトル」というより「リロル」という発音に近いのですが、昔はもっと「t」を強く発音していたんです。日本語でいうと「なにそれ?」が、「なんそれ?」に変わったのと同じような感じの現象が英語にも起きているので、今回を機に昔の発音に近くなったかもしれないです。もしかしたら現代の方には「おっさんかな?」と思われるかもしれないですが(笑)、でも美しくなっていると思うので、悪いことではないかなと捉えています。
― 松村さんも普段ラジオに出演する機会があるかと思いますが、ラジオというものに対して新たに気づいたことや視野が広がったことなどがあれば教えてください。
松村:話す機会は多いようで、ラジオみたいに話すことはなかなかなくて、『SixTONESのオールナイトニッポン』では毎回僕がフリートークゾーンに向けて話を進めていく流れになっているのですが、今の目標はグダグダせずフリートークを半分にすることです。この前は26分も話してしまって、「バッハの2倍だよ」と怒られました(笑)。でもこのようにアウトプットするような機会があると、どんどんいろいろなものが柔らかくなってくる感覚があります。
松村北斗が朝ドラで得たもの「改めて責任感が芽生えた」
― 松村さんにとって朝ドラの経験はどのようなものになりましたか?松村:きっと朝ドラって、朝ドラでしか経験できないことがいっぱいあると思っていて、芽生えたものが他の作品やお芝居以外の面でも伸びそうな強いパワーを感じました。朝ドラに出演できたことはとても貴重で、これからもこの職業をやるうえでものすごい強みだなと今実感しています。
やっぱり、まずは歴史があること。名前ばかりじゃなく、現場や格式の高さがすごくあるし、そういうものに挑む体験をするということ自体、朝ドラでしかないものだと思います。そしてこんなに短く1話にぎゅっと詰め込んで毎日放送するというのも、朝ドラにしかないものです。30分、1時間のドラマを作るのとは全然訳が違って、1話1話に物語の展開があって、メッセージが込められていて、台本がとても濃密です。それを必死に理解して表現することは、こんな難しいんだと感じました。余白が許されず、すごく翻弄されました。
― 朝ドラを見ていた側の時とは違う感覚ですか?
松村:朝ドラの入り口はわりとのほほんとした感じだと思うのですが、実際は現場でそんなにのほほんとした人はひとりもいなかったです。本当にすごい世界だなと。もちろん1話の中で話が進めば、喜怒哀楽がガラリと変わることもあって、それをこの台本の分量で描いていたのかと思うと、書く方も演じる方も怪物だなと感じました(笑)
― 朝ドラを機にこれから松村さんを知る方もいると思うのですが、朝ドラに出るにあたって期待していることがあれば教えてください。
松村:松村北斗個人としては、朝ドラの現場を経験できたこと自体にすごく意味があるもので、またいつかもっと成長して帰ってきたいと思えたことだけでも十分でした。でも松村北斗個人の外を考えると、まだ僕のことを知らずに初めて見てくださる方がたくさんいるので、ものすごく未熟ですが、未熟なりに何かを見出してこの作品の良さを感じてもらえたり、応援してみようと思ってもらえたら、グループや周りの方々へ恩を返すことができると感じています。
ファンの方からの声で「朝ドラを通じて祖父母と同じ会話ができる」という方が何人もいて、それにすごくハッとしました。自分を介して、世代を超えて共通の話題が生まれるんだと思うとすごく嬉しいし、改めて責任感も芽生えました。
― ありがとうございました。放送を楽しみにしています!
(modelpress編集部)
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