モデルプレスのインタビューに応じた有村架純【モデルプレス】

有村架純、支え続けた“母”の存在―飛躍の裏で抱く本音とは「悩む場所が変わった」

2015.04.26 07:00

女優の有村架純(22)が、モデルプレスのインタビューに応じた。NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年前期)でブレイクを果たして以来、作品への出演が途切れることはなく、2014年だけでもドラマに4本出演、映画は2本公開、CM出演数も飛躍的に増えた。さらに、現在はフジテレビ系月9ドラマ「ようこそ、わが家へ」に出演中で、映画は福士蒼汰とW主演した「ストロボ・エッジ」がすでに公開、とまだまだ勢いは増すばかり。しかし、ここ数年で激変したであろう環境にも、「置いて行かれないようにしなきゃ」と本人は至って冷静だった。

  

「ビリギャル」で新境地に挑む 飛躍の裏で抱く本音とは?

5月1日には、主演映画「ビリギャル」も公開となる。同作は、昨年ベストセラーとなった坪田信貴氏の書籍「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を映画化。有村は中学、高校と全く勉強しなかった学年ビリのギャル・さやかを演じ、慶応大学現役合格という奇跡を勝ち取るまでの感動の実話を描く。

有村架純/(C)2015映画「ビリギャル」製作委員会
今回のオファーには、「どうして私が!?」と驚いたそうだが、“ギャル・有村架純”は想像以上に自然で、共演の伊藤淳史から「普段からこうなんだろうなって思ってた」という声が上がるほど。話題作への主演とあって、今回もまた、大きな注目を集めているが、ここまでの活躍ぶりを本人はどう感じているのだろうか――

「置いて行かれないようにしなきゃって思うんです。やっぱり自分の引き出しが足りないなって思うことも増えてきました。お芝居をやっていく上で、悩む場所が変わってきたんです。だからなのか、悩んで悩んで、今、停滞してるなって感じることもあります」。

ゆっくりと、落ち着いた口調でそう明かした。映画の中では、有村演じるさやかが大学受験に挫けそうになったとき、母親“あーちゃん”(吉田羊)がそっと手を差し伸べる。では、有村自身が支えにしていることは?そう質問してみると、「さやかもそうだったように、やっぱり母親がいるからがんばれています」と、役柄に重ね合わせた。

「母親がいたから」ブレイクを支えた存在―“女優・有村架純”の内側にあるもの

さやかは、父親・母親・弟・妹の5人家族。厳格な父親は弟を野球選手に育て上げることにしか興味がなく、さやかと妹のことは母親“あーちゃん”に任せっきりだ。

有村架純、母親“あーちゃん”を演じた吉田羊/(C)2015映画「ビリギャル」製作委員会
「私も家庭環境がそんなに良くなかったので、そのときのこと思い出してグッとくるものがありました。実際、当時の自分と重ねて演技をすることも。うちは両親が離婚していて、離婚する直前はケンカもすごかったし、私は我慢しなきゃってずっと耐えてたんです。姉がいるんですけど、妹だからってわがままを言うこともできず、しっかりしなきゃって。そのときは、家族みんながバラバラの方向を向いている気がしていました」。

そんな彼女の背中を押してくれたのが、母親の存在だった。「それでも夢を諦めなかったのは、母親がいたから。オーディションに落ちて泣いたときに、『あんたがそんなんでどうすんの!』って叱ってくれて、母親がいて本当によかったなって思ったんです。今も母親の存在は支えになってますし、少しずつ守っていきたいって思うようにもなった。支えられるところは支えたい。そう思うことが、私のお仕事への原動力になってます」。そう真剣に語ったあと「子どもながらの、ささやかな気持ちなんですけどね」と、小さく笑い、柔らかな表情を浮かべた。

「泣きそうになるくらい」の状態から理想のゴールを見つけ出す

「ビリギャル」で「久しぶりに迷路にはまった」/有村架純
兵庫県から上京して5年が経ち、母と二人三脚でここまできた。数多くの作品に出演し、キャリアも積んできた。「ビリギャル」の出演が決定した際には、母親が「あんたなら大丈夫よ」と言ってくれた――

それでも今回は、「本当に泣きそうになるくらい分からなくて…もう考えたくない、逃げ出したいちゃいって思うくらい分からなかった」と振り返る。クランクイン前夜、「あと数時間で現場入り」、有村は“さやか”という女の子のことが掴めずにいたという。

有村架純/(C)2015映画「ビリギャル」製作委員会
有村架純、伊藤淳史/(C)2015映画「ビリギャル」製作委員会
「ギャルって言う言葉が私の頭の中ですごく邪魔をしてたしたんです。いろんな自分が頭の中をぐるぐるして、全然分からなくなって…。外見ばかり気にして肉付けしようとしたって、やっぱり軸がしっかりしていないとふわふわしたままで結局終わってしまうって思ったので、さやかのエネルギーになっている部分を探さなきゃって、焦っていました。でも、そうやってずっと考えてたら、あーちゃんの『さやかが楽しいと思うことをやればいいの』という台詞が頭に浮かんで、それがさやかなんだって、何かが腑に落ちたんです。そこから見えてきて、ギャル語の台詞もすっと体に入ってきました」。

「久しぶりに迷路にはまった」と言いながらも、迷うことを恐れずに突き進んだ彼女は、結果、理想のゴールに辿り着いた。全力で演じきったからこそ、伝えたいことはたくさんある。

「サクセスストーリーだから、受験生の人はもちろん勉強になるのかなって思うんですけど、さやかの姿を見て、ひとつのことに向かってがんばるって怖くないんだって思ってほしい。自分が一生懸命になると、周りは知らない間に寄り添って、強い味方になってくれる。だから、何も恐れないでひたむきにがんばってほしい」。

夢を叶える秘訣「正直に生きて」

夢を叶える秘訣は?/有村架純
「ビリギャル」には、夢を追いかける人なら、誰しもが共感できるメッセージが込められている。「さやかがひとつのことに対して楽しんでがんばっている姿は、すごく共感できる。悔しい気持ちとか、もどかしい気持ちとか、この仕事をしてる分、より感じることがありました」――そう、映画からメッセージを受け取った有村は、その想いを胸に「夢を叶える秘訣」を語ってくれた。

「やっぱり、自分に正直に生きてほしいなって思います。こうしたらこうなるかもしれない、ああしたらああなるかもしれないって周りのことを考えるのもすごく大切ですけど、それでもまず自分の気持ちを信じてあげることが一番。そう思いながら、私は過ごしています」。

信じる力は、奇跡を生むきっかけとなる。それは、あーちゃんがさやかを信じたように、有村の母親が娘を信じたように、そして有村が自分を信じたように――これほどの活躍の理由は、何も愛らしい顔立ちや、どんな作品にも溶け込むことのできる演技力だけではない。一本筋の通った人間性と娘を支え続けた母親の存在こそが、信じる心を生み出し、彼女を夢へと近づけたのだろう。(modelpress編集部)

映画「ビリギャル」(2015年5月1日公開)

監督:土井裕泰
原作:坪田信貴
キャスト:有村架純、伊藤淳史、野村周平、吉田羊、田中哲司

<あらすじ>
名古屋の女子高に通うお気楽女子高生のさやか(有村架純)は全く勉強せず、毎日友人たちと遊んで暮らしていた。今の状態では大学への内部進学すらままならないと案じた母・あーちゃん(吉田羊)は、さやかに塾に通うよう促す。渋々向かった入塾面接で、教師の坪田(伊藤淳史)と出会う。

有村架純

有村架純 プロフィール

1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年「ハガネの女」(テレビ朝日系)でドラマ初出演。その後は、「SPEC」(2010年、TBS系)、「11人もいる!」(2011年、テレビ朝日系)など数々の作品に出演し、2013年放送のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉今日子の若かりし頃を演じブレイクする。現在は、4月よりスタートした月9ドラマ「ようこそ、わが家へ」(フジテレビ系)へ出演中。さらに、2016年には映画「アイアムアヒーロー」が公開予定。デジタル写真集「FiRST TRiP ハワイの場合」が発売中。
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