【現地ルポ】AKB48 代々木3daysの現実「私たちじゃダメですか?」の答えを検証する
4月3~5日、AKB48は東京・国立代々木競技場第一体育館でコンサートを開催した。3日は向井地美音の卒業コンサートで、4~5日のタイトルは「私たちだけじゃダメですか?」だった。果たして本当に「私たちだけじゃダメ」だったのか。検証する。
AKB48が国立代々木競技場第一体育館(以下、代々木第一)に進出するのは、2017年に開催された小嶋陽菜の卒業コンサート以来、実に9年ぶりのことだった。
代々木第一のキャパシティは、1万人以上。大物アーティストは軒並み同所でのコンサートを開催していることもあり、各アイドルグループはさらなる成長を願って、是が非でも実現させたい会場である。最寄り駅は原宿。駅徒歩数分とアクセスもいい。
AKB48が初めて同所に到達したのは2010年7月のこと。結成から4年8カ月かかった。2010年以降の女性グループでは、乃木坂46、ももいろクローバーZ、でんぱ組.inc、私立恵比寿中学、櫻坂46、日向坂46、=LOVE(順不同)などが代々木第一のステージを踏んでいる。
そんな代々木第一にAKB48が再び挑む。このことにどんな意味があるのか。
AKB48は2010年代前半の熱狂の時代が過ぎると、コンサート会場の規模も徐々に縮小。1万人規模の会場で開催されることはあったものの、半分ほどしか埋まらないこともあった。熱狂の時代を知る者としては寂しい限りだった。
ところが、昨年5月の東京ガーデンシアター(キャパ8000)はチケットが完売した。3公演ともに、である。20代の女子がTikTokなどの影響でファンになったからである。彼女たちは小学生だった頃、AKB48の楽曲に親しんでいた世代。そんな世代が成人し、推し活に勤しむようになったのだ。
そして、およそ1年後。今回の代々木3DAYSは“今のAKB48”の実力を測定する試金石と考えられていた。この1年でどれほどのファンを増やせたのか。その答えが出るのだ。
ブーストはかかっていた。ひとつは昨年12月の結成20周年月間だ。前田敦子、大島優子、小嶋陽菜、高橋みなみといったレジェンドたちがこぞって日本武道館コンサートに参加。大晦日の『NHK紅白歌合戦』へも6年ぶりに出場し、大きな注目を集めた。
また、最新シングル『名残り桜』では、センターに伊藤百花を据えた。伊藤は完成度の高すぎるかわいさで「顔面重要文化財」と呼ばれており、ひとたび音楽番組に出演すると、SNSでのバズが確定する存在だ。この春からはフジテレビ『めざましテレビ』で最新の流行を紹介するイマドキガールにも抜擢された。
年明けのAKB48の握手会は、前年までとは違った光景が見られた。日本武道館コンサートを観た、かつてのファンが多数出戻ってきたというのだ。楽屋では現役メンバーたちが異口同音に「今日、なんかすごくない?」と話していたそうだ。出戻り組は伊藤をはじめとする佐藤綺星、八木愛月といった新世代メンバーのファンになったようだ。OGたちは現役メンバーに出戻りファンというプレゼントを渡したのだ。
そんな状況で開かれたのが、代々木決戦だった。開催日は週末。地方のファンも遠征しやすい。出戻り層がチケットを購入する理由も時間もある。
ふたを開けてみると、向井地美音卒コンは埋まったが、その他の3公演は埋まらなかった。スタンド2階席が半分ほど空いていた。目算で8000人強といったところか。これが現在のAKB48の実力だった。
メンバーは空席について直接的な言及をしなかった。最終公演で伊藤は、「先輩と比較してネガティブな気持ちになるのはもうやめようと思います」と話した。小栗有以は、「またAKB48がアイドルの主役になれると信じています」と訴えた。四代目総監督の倉野尾成美は、「私たちの時代を築いていく」と宣言した。悔しさよりも前向きな態度に終始していたが、悔しさがないはずはなかった。
コンサートの内容としては、SNSを見る限り、ファンの満足度はかなり高いものだった。セットリスト、MCなどもそうだが、AKB48の武器はその人数だ。ファンが撮影可能な時間を設け、場内を練り歩くと、自分の近くにメンバーがやって来る率が高い。その映像は次々にファンがアップし、瞬く間に拡散される。
しかし、それだけではまだ足りない。今のAKB48に足りないピースとは何なのか。
昨年発売された『AKB48 20th Anniversary BOOK』で秋元康総合プロデューサーは、こんなことを話している。
「最終的には曲ですよ。曲に勝るものはありません。(中略)曲がAKB48を連れていってくれます」
この「連れていってくれる」は、「東京ドーム」や「次のステージ」が省略されているのだろうが、とにかく秋元氏は曲の力を信じていた。その取材の場に居合わせた私にもその考えは伝わってきた。
同書で氏は続けて、「『会いたかった』『大声ダイヤモンド』『ヘビーローテーション』……。他にもたくさんあるけど、こういった曲に出会えたことがAKB48の強みだと思う。(中略)そんな曲に出会えるかどうか、これも運だね(笑)」とも話している。
たしかに、音楽業界はたった1曲の大ヒットですべてをひっくり返すことができる世界だ。昨今はその傾向がさらに強くなったように見える。音楽番組に呼ばれるのは、SNSで よく聞かれる曲を歌うアーティストやアイドルが多い。彼らは幸運に巡り会えたわけだ。
メンバーたちはその運に出会えるような努力をしている。パフォーマンスの向上に心血を注いでいる。果たしてAKB48は運を呼び込むことができるのか――。そんなことを考えた代々木3DAYSだった。
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